「けいおん!!」「とある科学」を完全再現! 謎の実写PV集団に聞いてみた

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けいおん!!

『けいおん!』映画化のニュースがネットを騒がせたのも記憶に新しいが、『けいおん!!』オープニングが早くも実写化された件についてはご存じだろうか?
それが4月17日にニコニコ動画に投稿されて話題となった『【鎖音プロジェクト】けいおん!!OPを実写にしてみた【レーベル4】』だ。実写といっても演じているのは仮面をかぶった男たち。しかしよく見ると再現度がすごすぎる。オープニングで演奏する主人公たちのまわりをカメラがぐるぐるまわる要素を完全再現し、それ以外のシーンも“完全に一致“させているのだ。



投稿したのは鎖音プロジェクト。「世のあらゆる二次元を具現化するプロジェクト」をコンセプトにアニメのオープニングや音楽を実写で再現している。『とある科学の超電磁砲』のOPではカメラが空へと高く引きながら朝日の街を撮影する様子をCGと実写で再現した。『【鎖音プロジェクト】実写でsmilingでトゥギャザー☆【レーベル6】』ではほぼ全裸で舞い踊るボーカロイドキャラクターのKAITO、鏡音レン、そして銀魂の坂田銀時といったキャラクターたちの衣装そのままで踊るなど、呆れるほどのこだわりだ。この様子は視聴者に「完全に病気」「医者が黙って首を横に振る」といわれるほど。

鎖音マツ

今回はその鎖音プロジェクトのリーダーを務める鎖音マツさんに話をうかがってみた。

――どうして始めたんですか?

単に実写化したら面白いかな、と思ったのと、
何か新しいことをしてみたかったので。

――こだわっている点は?
原作への愛を忘れず、完全再現を目指すことですね!
1フレーム(30分の1秒)単位で動きを合わせようとがんばってます。
あとは「実写再現」なので、『けいおん!!』や『Go!Go!選挙』のときの背景に表示されるケーキも実際に作っています。

――お金もかかっているのでは

カメラなどは幸い借りることができているんですが、衣装など全部自腹でそろえているので、結構大変です。『バカとテストと召喚獣』や『けいおん!!』のOP再現では1枚しか買えなかったキャラクターの制服を着回して、うまく合成でごまかしてます(笑)

前バリ

――苦労した点は?
『【smiling】でトゥギャザー☆』を再現したときの撮影ですね!
ほぼ全裸の作品なので、できるだけ全裸で撮影するために股間にガムテープを直で貼ったんですが……
……それを……取るときに……。

――………つらいですね………。
でも元気ですよ! あとは『けいおん!!』オープニングではアニメならではの無茶なカメラワークを再現するためにドラムを荷台において回して撮影するとか、毎回悩みながら完全再現を目指してます。

――アップして変わったこととかありますか?
身の回りではあまりありません。大学の施設をつかったりもしてるんですが、教授はおじいちゃんなのでまだ存在はバレてないみたいです。数回見知らぬ人に声をかけられたことがある、くらいかな。あとネットでの知り合いはかなり増えました。

――次の目標は?

鎖音プロジェクトで今秋の新番組でも何かやってみようと考えてます。実写PV方向で作品を作るのももちろんですが、ダンスなどの個人活動も頑張っていきたいですね。

よっこらせ(笑)

インターネットには面白いゲームや文章がたくさんある。しかし、インターネットで面白いことを”する”人というのは、実は少ない。テレビ番組では顔出し実写で面白いことをするのはごく普通なのだが、ネットの娯楽は雑誌的な面白さのものが中心で、テレビ的な面白さのものは少なかったのだ。

昔は個人サイトと呼ばれた場所で面白いことをする人たちがいた。お湯以外の色々なものでカップラーメンを作って見たり、30日間マクドナルドで生活したり、廃墟にいってみたりというレポートをあげて話題を呼んだ。やがてそうした面白い人たちの中心は『2ちゃんねる』の『ニュース速報(VIP)板』にうつり、野菜とエッチなことをしたり、自転車で全国を巡ったり、安価と呼ばれる発言番号で決められた命令を忠実に実行して家族と大変なことになったりと、大変アホなことになっていた。しかしこうした勢いは徐々に弱まりつつある。面白いことを顔出しでする人たちはもっと少なく、企業系サイトの『デイリーポータルZ』や『探偵ファイル』を除いては非常に寂しい状況だ。

そうした面白いことをする人は、いま『ニコニコ動画』に現れつつあるのではないか、と思っている。毒キノコを全裸で採って食べてみる人や、メントスコーラの風呂に入る人、といったどこか昔の香りを残す馬鹿野郎(褒め言葉)たちの活躍だけでなく、生放送でデブを集めて運動会を開催する人、多摩川で自給自足生活をする様子を動画にした人、そして今回の鎖音プロジェクトのような新しいアプローチでの面白い作品が生まれている。

ニコニコ動画といえばMAD動画や初音ミクの動画ばかりという印象をもっている人も多いだろう。最近では、歌い手が次々とメジャーデビューしたり、ミュージカルを初めてみたりと、生身の”人”が前面に出てきている。ランキングでもこうした実写系の面白い人たちの動画が徐々に増えているのをみると、この傾向は今後さらに加速していくと思われる。

面白いことをしたい。そういうエンターテイナー気質の人にとって、この流れはまたとないチャンスだ。こうした人たちが活躍し、ネットがますます面白くなることを期待したい。

執筆:伊予柑([NKH]ニコ生企画放送局)
 

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