フラット35の金利が史上最低水準、この認知度が2割台の理由

フラット35の金利が史上最低水準、この認知度が2割台の理由(写真:iStock / thinkstock)

【今週の住活トピック】
「住宅ローンの借り換えに関する調査」を発表/オールアバウト、SBIモーゲージ共同調査
http://corp.allabout.co.jp/corporate/press/2014/150129.html

住宅ローンの史上最低金利の更新に歯止めがかからない。フラット35(※1)の2月の金利は、1月より0.10%低い1.37%(※2)にまで下がった。そんななか、「フラット35が史上最低金利を更新し続けていること」を知らない人が20%台という調査結果が公表された。その理由とは…?

※1:住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する「長期固定型」の住宅ローン
※2:提携先の金融機関によって金利は異なり、2月金利は返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合で1.37%~2.09%返済中の人だから、フラット35が史上最低水準の金利であることを知らない?

調査は、総合情報サイト「All About」を運営するオールアバウトと住宅ローンを提供するSBIモーゲージが共同で行った。1都3県在住で2001年〜2012年以内にローンを組んで住宅を購入した、30代〜50代の男女671 名を対象に、住宅ローンの借り換えについて調査したもの。

調査結果によると、フラット35が「史上最低水準である」ことを知っている人は、住宅を購入した年代で違いがあるものの、2001年~2008年に購入した人では20%台という低さだった。さらに、フラット35自体を知らないという人も1割前後いた。(画像1参照)

もちろん、これだけ低い理由は、調査対象者がすでに住宅ローンを借りた人だからだろう。これからローンを組んで住宅を購入しようという人が対象であれば、結果は異なるものになるはずだ。

All About「住宅ローン選び方」ガイドの花輪陽子さんも、「住宅ローンの返済が習慣化してくるとローンの返済をしているという意識が希薄になってきて、⾦利の動きに鈍感になっているのでしょう」とコメントしている。

例えば高価な車を購入した後などは、自分の選択が誤っているかもしれないと思わずに済むように、ほかの車の広告より自分が買った車の広告をよく見るということを、大学時代に心理学の授業で学んだ。こういった心理が働くということもあるだろう。

【画像1】「フラット35」の金利認知度(住宅購入年別)(出典:「住宅ローンの借り換えに関する調査」オールアバウト・SBIモーゲージより転載)

【画像1】「フラット35」の金利認知度(住宅購入年別)(出典:「住宅ローンの借り換えに関する調査」オールアバウト・SBIモーゲージより転載)住宅ローンを借りた後はそのまま…。それでよい?

一方で、2001年〜2004年に購⼊した⼈は「全期間固定⾦利型」が多く、2009年〜2012年に購⼊した⼈は半数以上が「変動⾦利型」と回答するなど、ローンの金利の動向を考えた選択をしている。

花輪さんも指摘するように、景気回復局面では、景気が回復すれば金利が上がることを懸念して「全期間固定金利型」を、リーマンショック以降の景気悪化局面では、当面は金利が上がらないと考えて「変動金利型」を選ぶといった具合に、金利動向を予測してローンを選んでいることがうかがえる。

それでいて、住宅を購入してから調査時期まで借り換えをしていない人が半数以上(画像2参照)。借り換えをしていない人の4割が「今後も借り換えはしない」と回答するなど、借りた後のローンの見直しには消極的という結果が出ている。

【画像2】住宅ローンの借り換え経験の有無(住宅購入年別)(出典:「住宅ローンの借り換えに関する調査」オールアバウト・SBIモーゲージより転載)

【画像2】住宅ローンの借り換え経験の有無(住宅購入年別)(出典:「住宅ローンの借り換えに関する調査」オールアバウト・SBIモーゲージより転載)

例えば、自分が借りているローンの金利動向(新規貸し出し金利)があまり変わらなかったとしても、借りているローンの金利タイプが当初3年間だけ金利を固定するタイプだとしたら、3年経った時点で金利が変わったり、優遇される金利の下げ幅が変わったりして、適用される金利が上がって返済額が増えるということも考えられる。

また、以前は借り換えには利用できなかったフラット35が、2009年6月4日以降は借り換えにも利用できるようになるなど、住宅ローンの商品も変わっている。自分が今借りているローンより、有利なローンがないか常に情報を収集し、借り換えなどの見直しをすることで利息を減らすといったことを怠るべきではない。

もちろん、借り換えには数十万円など相応の諸費用がかかるので、諸費用をかけてでもトータルで減らせるかどうか、慎重に判断する必要はある。有利なローンがあるようであれば、借り換えにも適用される金利かどうか確認し、諸費用を含めた試算をしてもらって比較検討することが大切だ。

とはいえ、住宅ローンは軒並み史上最低の水準。ローンを見直すチャンスを逃さないようにしてほしい。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/02/10/77657/

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