まさかのNHK・日テレ・ニコ生・ USTがコラボ。全国32カ所で動物たちを中継!

いきものネット中継

2010年10月11日に『いきものネット中継』と題して、全国32カ所の動物園・水族館からインターネット中継が行われた。ネット中継を担当したのはNHK総合、日本テレビ、USTREAM、ニコニコ生放送という各メディア。ニコ生などが捕らえた動物たちの映像は随時NHK総合で紹介され、テレビごしにネット中継を視聴できる不思議な状態となった。ニコ生での総来場者数は11万人にも上り、まさにネットとテレビが融合した画期的な企画だといえる。

『いきものネット中継』は全国の動物園・植物園から絶滅危惧種となっている動物や魚を朝9時から夜20時程度まで1日中放送する企画だ。専用サイトではパンダやカピバラなど全国の動物たちの名前がズラリとならび、クリックすると動物の放送を見ることができる。中継箇所はニコニコ生放送が14カ所、USTREAMが15カ所、NHKが2カ所、日本テレビが1カ所の合計32カ所。各動物は視聴者数によってランキングされ、リアルタイムで人気の動物を知ることができた。

モンキーパーク

ネット中継はそれぞれ一つの動物や魚をずっと写し続けるだけのもの簡素なものだ。つまらないかと思いきや、ニコ生では1日中コメントが絶えない人気番組となった。例えば『日本モンキーセンター』の『ワオキツネザル』は餌を食べたり、昼寝したり、グループで走り回ったりと常に何かしている様子が愛らしく、「しっぽ振ってるww」「毛づくろい可愛いー!」などついコメントしたくなってしまうのだ。放送している担当者のノートパソコンに襲いかかり、放送中止ボタンを押してしまうなどのアクシデントもあり、意外と飽きることがない。

動物の中にはほとんど動かない『コアラ』や、様子が変わらない『ムサシトミヨ』という魚もいたが、それはそれで楽しく、ついつい風景代わりに見てしまうのか、どの動物も視聴者に愛されていた。「いま、シロクマが起きたよ!」といった動物情報の交換コメントが各番組でされるなど、ネットならではのソーシャルな側面もみられた。テレビ放送とは異なる、まるで友達同士で動物園や水族館を巡っているような魅力に1日中見続けてしまう人もいたようだ。

ニコ生画面

USTREAMの中継ではまだ発売されていないUSTREAM配信用ハードウェア『CEREVO LIVEBOX』を使用する、ニコ生ではユーザー団体の[NKH]ニコ生企画放送局が放送を担当するなどあまり見られない取り組みがされた。筆者の中継したニコ生側では、日本各地に住む生放送者に声をかけて地元の動物園を中継してもらうなど、ネットらしい放送を行った。こうした番組がNHK主導で行われることが驚きだ。

NHKは専用のiPhoneアプリで撮影した動画を投稿できる『特ダネ投稿DO画』、ネットのブームを専門的に取り扱う『MAG・ネット』、ネットでほとんどのニュースが映像付きで見ることができる『NHKニュース』など、民放に先駆けた取り組みも多い。テレビ不況が騒がれる中、今後どのようにインターネット放送とテレビ放送が取り組んでいくのか、楽しみだ。

なお、各動物の録画は『いきものネット中継』サイトで見ることができる。

いきものネット中継

執筆:伊予柑([NKH]ニコ生企画放送局)
 

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