「ワケがわからない現代アート」が理解できるようになる心理テクニック
どうしても落書きにしか見えなくても、数億円の値がついちゃったりする現代アート。しかし、近ごろ出た論文(1)によれば、わたしのような凡俗の人間でも、現代アートを理解できる(ような気分になれる)心理学的なテクがあるんだそうな。
・イメージを浮かべる実験
これは、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学の研究でして、被験者を2つのグループにわけて、まずは以下の2パターンのイメージを浮かべてもらったんだそうな。
「歯医者の予定を立てる自分の姿」
「自分が死んでいる姿」
その後、全員に風景画とシュール系のアートを見てもらったところ、1番の歯医者グループは「どちらも似たような感じ」と答えたのに対し、自分の死を思い描いた被験者は「シュールなアートのほうがしっくりくる」と答えたんだそうな。
・脳の楔前部(けつぜんぶ)の動きが活発
もう1つの実験では、被験者をMRIにかけたんですが、死について考えながら現代アートにふれたグループは、脳の楔前部の動きが活発になっていたとか。このエリアは、過去の体験を思い出したり、セルフイメージに関する処理をしてるらしい。
・安心感を与える機能がある
研究者いわく「ぱっと見では理解しにくい現象だが、シュールレアリスムの芸術は、論理的な理解とは異なるレベルでの安心感を与える機能があるようだ」とのこと。
・死の抽象性が現代アートと共鳴しあう!?
結局、この現象が起きる理由は謎のようですが、死の抽象性が現代アートと共鳴しあうんでしょうか。などと、わかったようなことを言ってみましたが。
そんなわけで、次回からモダンアートの展覧会に行く際は、ぜひ事前に自分が死んだ様子をイメージしつつのぞまれることをオススメします。
執筆: Yu Suzuki http://yuchrszk.blogspot.jp
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