製薬会社のムービーなのに『除菌戦士ジョキンジャー』のクオリティがおかしいのはプロの特撮好きが混じってるからだと思う
「いい意味でクオリティがちょっとおかしい映像」を今回は紹介したい。製薬会社の作った特撮ムービーのタイトルは『除菌戦士ジョキンジャー』。
『クレベリン』という空間除菌製品でおなじみの大幸薬品によるものだが、既にウェブでは予告編、第一話が公開されており、2015年1月13日に第二話がリリースされたところだ。記事執筆時点では第二話の視聴回数が1000回に達していないので、まだ知らない人が多いと思われる。
以前に公開された『予告編』について述べるなら、“なんちゃって”感を完全に払拭した出来栄えと言えよう。よくある特撮“風”、あるいは予告編“風”のムービーは、えてして壮大すぎる方向に持っていき「ヤリ過ぎ感を出してみました。てへっ」という傾向のスタイルが多いのだが、本作はカッコよさを真っ直ぐに表現している。
本来は商品PRが目的だったのだろうが、一作品として完成されているのでまるで広告っぽさがない、という突き抜け度合は見事である。
そして『ジョキンジャー』は先にも述べたとおり、『予告編』だけの特撮パロディではなく、真面目に本編も制作されているのだ。
『ジョキンジャー』は空間除菌を行う主成分である二酸化塩素(ClO2)を擬人化したヒーロー。キレイ好きの研究員・空木 正志(そらきただし) が変身することで『ジョキンジャー』となる。
まずお伝えしたいのは『ジョキンジャー』や怪人のコスチュームといった、クリエイティブの“完成度”だ。デザインはもちろん質感が既存のヒーローのそれと遜色ない。予算が非常にかかる特撮において、惜しみなく何かを注ぎ込んでいることがよくわかる出来栄えなのだ。
見た目だけではない。メリハリを忘れない機敏なアクション、練られた決めポーズなどからは、制作側が殺陣(たて)やポージングなど、動きを重要視していることが良く感じられる。
そして、昭和の特撮ヒーローをほうふつとさせる“マスクの下半分から人間部分が露出したデザイン”をあえてチョイスしている点が心憎い。このデザインの『ジョキンジャー』がどんなストーリー展開を見せるのか、既に気になってしまう。
ヒロインは鈴木 咲が演じる呉部 鈴(くれべすず) 。ヒロインのビジュアルも軽視しない、という制作側の信念はここからも感じられるだろう。
今回発表された第二話は、ヒロインと主人公の関係性がクローズアップされる内容となる。コミカルなテイストの演出がベースにあるが、第一話と同様、締めるところは締めしっかりと作りこみがなされている。このあたりのサジ加減も、イマドキのヒーローものに近い。
テレビの特撮番組は、秋から新春にかけてちょうど入れ替え時期。ガチの特撮ファンならずとも、最終回はアツいし新シリーズも楽しみだ。そんなタイミングで登場した『除菌戦士ジョキンジャー』、真面目に作られた今後の要チェックタイトルと言えそうだ。
除菌戦士ジョキンジャー 第二話「鈴の決意!?」(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=5-lAfj2OOHE
除菌戦士ジョキンジャー 第一話「怪人ブルブルエンザ登場」(YouTube)
http://youtu.be/YIaDjhOkfvM
『除菌戦士 ジョキンジャー』予告編 (YouTube)
http://youtu.be/bMrhkJPcbXU
ママと子どもの除菌習慣プロジェクト<除菌戦士ジョキンジャー> | 大幸薬品
http://jokin-shukan.jp/
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