【書評】パリジャンのスタイルに学ぶ! ワードローブ10着だけで平気な理由は? [オタ女]
皆さんはワードロープの中に何着持っていますか? 普段使いやパーティーシーン、色やシルエットを揃えようとして、ついつい点数が増えてしまう……という人も多いのではないでしょうか?
2008年よりライフスタイルブログ『The Daily Connoisseur』でパリに留学して触れた”シックな暮らし”を紹介して人気となったカリフォルニア在住ブロガー・ジェニファー・L・スコットの著書『フランス人は10着しか服を持たない』(大和書房)では、パリジャンマダムの自信に満ちたライフスタイルのエッセンスが取り上げられています。特に、邦題にもなっている、”マダム・シック”のワードローブ術には注目です。
ホームステイ先の貴族宅で、2つの大型スーツケースでやってきたジェニファーは収納の少なさに驚きます。小型のクローゼット一つしかなかったというのです。パニックになったジェニファーですが、この家では夫妻も息子も同じ服をしょっちゅう繰り返し着ているので、小さい収納で充分なのだと気づきます。
”マダム・シック”の冬用のワードローブには、ウールのスカート3~4着と、カシミアのセーター4枚、シルクのブラウスが3枚。これだけだったとのこと。マダム定番のスタイルが決まっていて、それが「とてもよく似合っていた」といいます。
パリジャンの多くは、同じ服を悪びれた様子もなく、堂々と着ていたとジェニファーはいい、フランス映画でも「ヒロインが同じ服を着ているのを少なくとも2回は目にする」と指摘。アメリカでは誰もが溢れそうになるクローゼットを前にして「着る服がない」と嘆いていることに疑問に感じ、10着のワードローブを実践したといいます。
ジェニファーの10着ワードローブでは、上着類(コートやジャケット)と、ドレス類、アクセサリー、靴、アンダーシャツを含まずに着回します。そのためには要らない服をどんどん捨てなければならず、「まだ気に入っている?」「ちゃんと着ている?」「サイズはぴったりで、ちゃんと似合っている?」という問いに「No」だった際にはどんどん処分。春・夏にはシルクのトップスやクールネックセーター、Aラインスカートなど、秋・冬にはカシミアのセーターやテーラードパンツなど、上質なアイテムを10着選んで過ごしてみたことが、大きな転機になったといいます。
彼女によると、「クローゼットを開けるたびに嬉しくなる」「買い物欲がおさまってきた」「落ち着いた気分でショッピングを楽しめるようになった」「服がくたびれてきたタイミングを見極められるようになる」といった効果があったとのこと。着こなしの組み合わせを工夫するのが重要で、アイテムを念入りに選べば結果的にいつもいい服を着ることになるといいます。
また、ジェニファーは”マダム・シック”からのアドバイスで自分らしいスタイルの重要性に開眼。「なぜその服を着ているのか」と自分に問いかけ、定番のスタイルを持つ必要性を解きます。自身をよく知り、好きな服を厳選すれば、10着の組み合わせで済むわけです。
確かに、気分によってコーデのテイストを変えていては、なかなかキャラが固まらずに、いつも服が似合っているか気になってしまいがちかも……。「1度は自分にはどんなワードローブが必要か理解してほしい」というジェニファーにならって、限られたアイテムで着回してみることにチャレンジしてみるのもアリなのではないでしょうか。
Jennifer L. Scott
http://jenniferlscott.com/
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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