2015年上半期の漫画原作映画をピックアップ! 『マエストロ!』『娚の一生』『海街diary』……話題作続々
近年の邦画作品ではとなる漫画原作の実写映画化。2014年も『るろうに剣心』シリーズや『ルパン三世』、『黒執事』、『アオハライド』など、数多くの作品が公開された中、2015年の上半期だけで10本以上の邦画が漫画原作で実写化されます。そこで、今回は各ジャンルのおすすめ作品をピックアップしてご紹介。本格ドラマ作品からラブストーリー、SFまで、きっと気になる作品が見つかるはず。
2015年上半期漫画実写化作品の中で早々に公開されるのが「漫画アクション」で連載され12回文化庁メディア芸術祭にて最優秀賞を受賞した、さそうあきら原作の『マエストロ!』(1/31公開)。解散した名門オーケストラの再結成の報を受けた「負け組」楽団員らと突如現れた謎の指揮者が、衝突しながらも復活コンサートに向かっていく姿を描いた感動オーケストラエンタテイメント作品です。
主役の若きヴァイオリニスト高坂役には実力派俳優の松坂桃李、そして謎の指揮者、天道役には日本映画の顔、西田敏行。今作が初共演となる二人はそれぞれ初めてとなるヴァイオリン演奏と指揮に挑戦し、演奏シーンでも演技派ぶりを披露している。本作では10代に圧倒的な人気を誇るシンガーのmiwaが映画初出演を果たし、天才フルート奏者あまねを天真爛漫に演じています。
キャスト達はそれぞれの役柄の人物象を作り上げることに加え、本格的な楽器演奏にもチャレンジした。撮影開始の半年前から担当楽器の練習を始め練習に臨み、クライマックスで披露される「運命」、「未完成」の演奏シーンはまるで本物のコンサート体験が味わえるほどの完成度。さらに本作では、世界的マエストロ、佐渡裕が西田の指揮指導・指揮演技監修として日本映画に初参加したことや、奇跡のピアニスト、辻井伸行がエンディング曲を手がけたことでも話題で音楽ファンもうならす本格ぶり。
恋愛作品
今年度の流行語大賞にノミネートされ、社会現象にまでなった「壁ドン」ブームの火付け役となった『LDK』をはじめ、『クローバー』や『アオハライド』などの青春恋愛作品がヒットを連発した2014年。2015年もヒットの予感を感じさせる青春恋愛映画の筆頭に挙げられるのが、廣木隆一監督の2作品。まずは2/14バレンタインデー公開の『娚の一生』。豊川悦司が榮倉奈々の足を舐める「足キス」ビジュアルが話題になった本作は、「月刊フラワーズ」で連載された西炯子のベストセラーコミックの実写映画化である。本作では豊川演じる50代の大学教授と榮倉演じる過去を引きずるキャリアウーマンが、奇妙な共同生活を通して、心を通わせる大人のラブストーリー。
続く3/21公開の咲坂伊緒原作のベストセラー作品で「別冊マーガレット」で連載された『ストロボ・エッジ』。女子生徒の憧れである男子高校生・蓮(福士蒼汰)と彼をいちずに思う少女・仁菜子(有村架純)の姿を、周囲の恋模様も交えて追う青春ロマンスに胸キュン女子が続出するのではないだろうか。福士といえばドラマ「きょう会社休みます。」で綾瀬はるかの恋人、田之倉役で大好評を博し、放送終了後には女子の間で “田之倉ロス”という言葉が登場するほどの人気ぶりも記憶にあたらしい若手イケメン俳優の代表格。本作でも新たな胸キュンを提供してくれることに期待です。
SF作品
昨年から公開が続く、シリーズ最終章となる『THE NEXT GENERATION パトレイバー首都決戦』(5/1公開)は「週刊少年サンデー」で連載されたゆうきまさみの原作で1988年から漫画、アニメ、映画などメディアミックス展開を繰り広げ、世代を超えて支持を得ているオリジナルシリーズ『機動警察パトレイバー』の実写版。監督はアニメ界の巨匠、押井守がTVアニメシリーズ、劇場版アニメに続き担当しています。また、本作では1993年に製作された劇場版アニメ『機動警察パトレイバー2 the Movie』と何らかの関連があるとされており、その証拠に、すでに公開されている特報には爆破された巨大橋、武装ヘリによる首都襲撃、二課棟の破壊など“パトレイバー2”を連想させるカットが次々に登場します。
同じく1988年に「モーニングオープン増刊」、「月刊アフタヌーン」で発表された岩明均のコミックを2部作形式で実写化した、SFサスペンスの後編『寄生獣 完結編』(4/25公開)。右手に寄生生物ミギーを宿した青年・新一と人類を食糧とするほかのパラサイトたち、彼らの全滅を図る特殊部隊が入り乱れる壮絶なバトルが展開。キャストには前作に引き続き、染谷将太、深津絵里、橋本愛、北村一輝、國村隼、浅野忠信ら豪華メンバーが出演。山崎貴監督のVFXによる圧倒的な映像表現に注目です。
本格ドラマ作品
実写化される漫画原作の中で一番多いジャンルが群像劇を描いたドラマ作品。現在、発表されている2015年上半期だけですでに5本もの作品の公開が控えている。中でも注目なのが「Kiss PLUS」、「ハツキス」で約5年連載され、「このマンガがすごい!」オンナ編でランクインを果たした池辺葵の原作の実写化となる中谷美紀主演の『繕い裁つ人』(1/31公開)。クラシカルなミシンで洋服を作る職人肌の主人公(中谷)と、彼女を取り巻く人々が織り成す物語を『しあわせのパン』などの三島有紀子監督が手がけています。
そして、もう一つの注目作は綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの豪華キャストの共演、『そして父になる』の監督などで知られる是枝裕和がメガホンを取ることで話題の『海街diary』(6/13公開)である。ベストセラーを誇る吉田秋生の原作を実写化した「月刊フラワーズ」の連載作品。鎌倉に暮らす3姉妹(綾瀬、長澤、夏帆)と父親がほかの女性ともうけた異母妹(広瀬)が共同生活を送る中、さまざまな出来事を経て家族の絆を深めていく姿を追った感動ドラマです。
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