電車のアナウンスが「鼻声」なのはナゼ!?

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電車の車掌さんのアナウンスの声は、どうして鼻にかけたようなしゃべり方なのだろうか・・・。何か決まりがあるのだろうか・・・。気になってみたので、調べてみました。すると、朝日新聞にどんぴしゃな記事があったので紹介します。
なんとあの鼻声の理由は・・・「省エネ」&「聞き取りやすさ」を優先させたことで誕生したものだったらしい。

<<参照記事>>

(疑問解決モンジロー) 車掌さん、なぜ鼻声なの?朝日新聞(2008.06.02)
電車の車掌さんのアナウンスの声は、どうして鼻にかけたようなしゃべり方なのでしょう。何か決まりがあるのでしょうか。個性的な声を聞くと面白いなあと思いますが、難しくないのかなあとも思います。(東京都八王子市 陽田彩子さん 22歳)

車掌さんの鼻にかかった声、か。マイクの性能や音響に関係があるのかな?電車用の車内放送装置製造の最大手、八幡電気産業(本社・東京都港区)に聞いてみたよ。
トンネルや鉄橋、カーブ……騒音の大きさも様々な環境で、肝心のアナウンスが聞こえないと困るし、耳障りなのも厄介。「うるさがられずに聞き取りやすい車内放送」について、大学と共同研究に取り組んでいて、もう4年目だって。人間の声は、のどにある声帯を震わせて音が出る。設計部放送グループ長の山本聡さんの説明では、鼻声は、のどにある鼻腔(びくう)という空間で、声を共鳴させるもので、直接口から声を出すより声帯の震動が少なくても大きな声を出せる。つまり、「省エネ」アナウンスができるってことだ。
また、人の耳の感度を調べると、高い周波数域の2~4キロヘルツの音がよく聞こえる特性があるのだが、鼻声で話すと、ちょうど2~4キロヘルツの音の高い周波の成分が強調される。電車がトンネル内を通る「ゴーゴー」という音、鉄橋などを通る「ガシャンガシャン」という音は、2キロヘルツ以下の低い周波数成分が大きいため、音声の低い部分は聞き取りにくい。それで、鼻声は、乗客の耳に入りやすくなるんだ。
こんなデータもある。車掌乗務経験のある2人に協力してもらい、普通の話し方、「鼻声」の2種類のアナウンスを聞き取る実験をしたところ、「鼻声」のほうが2~4キロヘルツの音が強調され聞き取りやすかったんだって。
あくまで結果論だけど、長い時間しゃべり続けなければならないバスガイドさんや電車の車掌さんの発声が鼻声なのは、理屈にかなった話法なんだね。ウッキー!
◇進化する車内放送なんだか、早速「鼻声」を聞きに行きたくなった。「まもなく川崎、川崎です。南武線は5番線、6番線にお乗り換えです」ウキャ?JR京浜東北線の車掌さん、ちっとも鼻にかかってない。むしろ、滑らかでアナウンサーに近い話し方だよ。
JR東日本やJR西日本は「節回しをつけることなく、お客様に聞き取りやすい放送をするように指導しています」。JR東日本では研修でNHKアナウンサー経験者を講師に迎えている。民間も「社内研修では、独特の声を出すような指導はしていません」。
複数の会社に問い合わせたけれど、新人が先輩からマンツーマンの指導を受ける中で、一部の人のやり方が継承されたのかもしれないけれど、結局、確かな理由はわからない、ということだった。首都圏や新幹線では停車駅案内は自動アナウンスが主流だね。東北、長野、秋田などJR東日本の各新幹線はフジテレビの堺正幸アナウンサーが声の主。旧国鉄時代から、四半世紀を超すとか。「友達とおしゃべりしていても、次の駅名がスッと片方の耳に入って、もう一方の耳からスッと抜ける」という聞こえ方を理想と考えているそうだ。
なるほど。JR東日本では、基本情報の提供は自動アナウンスに任せて、車掌たちは、停電や地震、交通トラブルなど緊急時の放送や乗客対応に力を入れるべく、日々研究しているんだって。メーカー側も、トンネル通過や会話のにぎやかさといった車両別の騒音を自動検出し、車掌の放送音を補正している。車内放送は日々進化しているということか。今度電車に乗るときは、もっと車内放送や車掌さんの言葉に注目しよう。色んな鉄道会社を比べるのも面白いし、モンザエモンおじいちゃんを電車の旅に誘って、昔の話も聞きたいな。

なるほど~・・・あの「鼻声アナウンス」にはちゃんとした理由があったんですね。あ~タメになった。
(written by くしBK)
(Photo by Ayanami No03) 

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