「サンタさんは本当にいるの?」子どもに聞かれたら?
「真実」を伝えるか、「夢」を守るか
もうすぐクリスマス。サンタクロースからのプレゼントを手にした子どもたちは「サンタさんは本当にいるの?」と親に聞くこともしばしば。もちろん個人差がありますが、小学生くらいになると疑問を持ち始める子が多いようです。そんなとき、親は返答に困るもの。「できれば子どもの夢を壊したくない」。これも親心でしょう。
童話や映画など、世の中の大人たちは懸命に子どもの夢を育むように美しい物語を創造しています。子どもの生まれ持つ気質によっては、「イメージ脳」といわれる右脳をフル稼働させ、楽しいイメージの世界の中でずっと信じている(信じていたい)子どももいます(もちろん、このことは子どもの気質だけではなく、親の考え方、親の姿勢、親がつくる環境にもよりますが)。そうであれば、よかれと思って「真実」を伝えてしまうと、子どもの心を傷つけてしまうことにもなるかもしれません。
「サンタクロース」をどのように捉えているのかを知ることが大切
では、どうすれば良いのでしょうか?「サンタさんは本当にいるの?」と聞かれたら、「あなたはどう思うの?どう思いたい?」と質問ましょう。まず、子どもが「サンタクロース」という存在を、どのように捉えているのかを知ることが大切です。どのように受け止めているのかを知ろうとすることは、子どもに関心を抱くことであり、子どもを尊重することにつながります。
そうすれば、「サンタクロース」をきっかけに、親子の会話が深みを増し、子どもとの信頼関係がより築かれるでしょう。そして、子どもに「考える力」を身につけさせることも重要です。子どもは逆に質問されたことで、自分の考えにアクセスします。自分の考え(主観)を述べることで「表現する力」が養われるのです。
「受容と共感の姿勢」が子どもの自己肯定感を養う
子ども自身が「サンタはいると思う(思いたい)」と答えたら、「そうだね。お母さん(お父さん)もそう思うよ」と答えてあげましょう。これが「受容と共感の姿勢」です。いずれ時が経てばわかることでも、架空のものが存在すると思える力は、「子ども自身の無限の可能性」を肯定する力(自己肯定感)につながっていきます。
これは何も「サンタクロース」に限った話ではありません。聞かれたらすぐに答えを教えるのではなく、子どもの心に寄り添い、尊重し、肯定してあげる。このことが子どもの力を養うためには必要なのです。
(きくち みよこ/心理カウンセラー)
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