イスラム国が発行する金貨に世界中のコイン収集家が熱視線? なぜかビットコインも値上がり

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シリアとイラクにまたがる地域に建国を宣言したイスラム過激派組織『イスラム国』が、独自通貨を発行すると発表した。ユダヤ人と十字軍が主導する専制的な通貨システムから脱するために、独自の金・銀・銅貨を発行し、支配地域内で流通させようとしている。

公開された図案によると、貨幣の単位は、金貨が「ディナール」、銀貨が「ディルハム」、銅貨が「ファルス」となっており、イスラム帝国の伝統に則った単位を採用することで、『イスラム国』の正統性を印象づけようとする狙いがあるものとみられる。

しかし、『イスラム国』は世界中の国から過激派組織としか見られていない以上、貨幣価値は金・銀・銅自体の価値に依存せざるを得ない。ある意味、金本位制に逆戻りすることを宣言したと言えるだろう。

金・銀・銅それぞれの含有量がいかほどになるのかは不明だが、アラブ圏メディアのジャーナリスト・Zaid Benjamin氏の『Twitter』アカウント(@zaidbenjamin)によると、金貨は重さと図柄の異なる2種類、銀貨は3種類が作られるということだ。最も重い21.25gのディナール金貨は、8万円近い価値を持つことになる。製造中のディナール金貨らしき画像(ただの模型?)もアップされているが、プレスの歪みがひどく、素材も金には見えない粗悪な代物だ。

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https://twitter.com/zaidbenjamin/status/532978452090355712 [リンク]

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https://twitter.com/zaidbenjamin/status/533099599624675328 [リンク]

こんな偽造が容易なコインに頼った通貨制度は早晩破綻すると思うのだが、ネットの反応を見ると、「レアコインになりそうだ」と欲しがる人も多い。中には「ビットコインとどっちが信用あるかな?」「次はビットコインだ」と、仮想通貨のビットコインを連想した人もいるようだ。そしてなぜか発表直前の12日からビットコイン相場は急激に値上がりしている。まさかとは思うけれど、今回の独自通貨の発表は、『イスラム国』がこの胡散臭い金貨を世界中のコイン収集家に売りつけ、同時に手持ちのビットコインを高値で売り抜けるための壮大な“釣り”だった、なんてことはないよね?

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画像引用:
・『イスラム国』の声明
https://ia802609.us.archive.org/21/items/bayan_201411/bayan.pdf [リンク]

・Zaid Benjamin氏の公式『Twitter』アカウント
https://twitter.com/zaidbenjamin [リンク]

・bitcoinwisdom.com [リンク]

※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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