職場の手助けなしにイクメンは生まれない? 仕事と育児の両立を支援する企業に“休む力”を学ぶ
“イクメン”という言葉が生まれてからはや数年。アラサー手前で未だ独身の筆者(男)ですが、ふと気付くと周りの友人は結婚・出産というライフステージをどんどんと駆け上がり、素敵なママ、パパをやっている姿に感慨にふけることもしばしば。むろん、焦ってはいないのですが。でも実際に結婚して子どもがいたら、きっとめちゃくちゃ構ってあげたいし、構ってほしいし……。もしイクメンを目指すのであれば、今のライフスタイル、特に働き方についてはきっと変化が多いのではないか、なんて考えもふと頭に浮かんだりしてしまうものです。焦ってはないけどね!
ベビー服メーカーのミキハウスでは、これからママ、パパになるプレママ、プレパパをメインの対象にした“出産準備サイト”を運営。はじめての妊娠・出産を控えるママ、パパたちの不安を少しでも取り除いてあげたいという思いのもと、独自に取材を行いながらプレママ、プレパパに役立つさまざまな情報を発信しています。
最近では、産休・育休に関する企業の“休む力”をテーマに、その分野でパイオニア的に成功している会社の事例を掲載。プレママ、プレパパだけでなく、すでに子どもを持つママ、パパたちにとってもぜひ参考にしたい制度を取り入れている企業を紹介しています。ガジェット通信は、編集長の記事に愛娘が登場するようなワークライフバランスがしっかり取れている(?)職場環境なのですが、それでもいろいろと目からウロコな取り組みがあったので紹介します。
六花亭製菓の場合
『マルセイバターサンド』などで有名な北海道の菓子メーカー六花亭製菓では、なんと25年連続で“有給休暇”取得率100%(※)を達成。「社員が心身ともに健康でなくては、おいしいお菓子はつくれない」をモットーにする同社は、今では有休4日分と休日を合わせ計7日間以上の休みを年に1回必ず取得する“長期休暇制度”を設けているそうです。
※社員全員が、1日以上有休を取得したという意味
さらに、2007年には社内保育園を設立、2011年からは“時間外労働0時間”を社員全員が続けているなど、継続した改革とその成果を示しており、夫の転勤などの特別な事情がある人を除くと、育児休暇取得者の全員が職場に復帰しているとのこと。1933年創業の老舗企業でありながら、積極的に“休む力”を発揮し、女性社員の出産、育児に対する不安を解消している事例と言えるでしょう。
日本生命保険の場合
一方で、夫婦のコミュニケーションを手助けするため、男性職員の育休取得率100%(※)を達成したのは、日本生命保険。「男性が育児に参加することで、男性が育児や家事を両立する女性の働き方を理解し、自分自身の働き方を変えることで、男女とも働きやすい職場がつくれる」という考えのもと、男性が育休をとる風土への意識改革を図ったそうです。その成果もあり、厚生労働省が今年10月に発表した“イクメン企業アワード2014”では、特別奨励賞を受賞しています。
※育児休業取得の対象となる男性社員が全員1日以上の育休を取得したという意味
さらに同社では、厚労省が社員の育児に理解のある上司“イクボス”を表彰する“イクボスアワード2014”でも特別奨励賞を受賞。受賞した支配人支社長が所属する職場では、育休取得にあたっても、早めに休暇計画を立てさせるなど、支社をあげてバックアップする体制を整備。育休取得後は、男性社員から「妻はのんびり子育てをしているものと思っていたが、実際にやってみたら息つく暇もなかった」「育児の大変さを知って、妻を尊敬し、感謝の思いが強くなった」など、夫婦間の理解が高まったという声が多く聞かれたようです。
日本レーザーの場合
従業員が60人ほどの規模でも、社員のライフスタイルに応じた働き方を認めている会社もあるようです。理科学用・産業用のレーザー機器を扱う輸入商社の日本レーザーでは、社員がペアを組み、ふだんから情報を共有しながら仕事を進めていく“ダブル・アサインメント”という取り組みを推奨。育児で時間に制約がある社員がいた場合などは、ペアを組んだ社員がバックアップ、フォローし合う体制を普段から整えているとのこと。
2011年の第1回“日本でいちばん大切にしたい会社”大賞や、今年度の“ワークライフバランス認定企業”(東京都)の選出など、さまざまな団体から表彰されている同社。「人を大切にする会社」をモットーにする代表取締役社長の近藤宣之氏は、「働く意欲のある人はやめる必要がない」と語ります。さらに、「子どもを育て、仕事もするということは、妻として、母として、社会人として3つの仕事をするということ。それはとても大変なことです。だけど、女性の生きがい、働きがいが満たされます。そして、その人たちの会社への感謝や忠誠心、会社に貢献しようという気持ちは、会社にとって無形の財産なんです」とコメント。出産、育児でやめる人を出さないことは、会社にとってさまざまなメリットがあることを説明しています。
会社として育児休暇を推奨しているような企業には、社員一人ひとりと向き合い、社会の変化にも適応していくホスピタリティとフレキシビリティを感じますね。出産・育児を控えるプレママや子どもを持つ女性はもちろん、イクメンを理想とする男性諸君、イクボスを目指す上司のみなさんは、“休む力”を持つ企業からその大切さを学んでみては?
“休む力”のある企業に学ぶ! (前編)安心して働ける環境が社内を活性化:
http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-2338.html
※画像はミキハウス“出産準備サイト”より引用
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