視力をサポートするスマートメガネ 障害物を表示するビデオカメラ搭載
目の不自由な人にとって、毎日が障害物との闘いだろう。“American Foundation for the Blind”によると、アメリカ人のうち10%近くが、メガネやコンタクトレンズを装着していたとしても“見えない”、あるいは視力に大きな問題を抱えているという。視力をサポートするツールや技術が登場してはいるものの、視力がない人を手助けするオプションはまだまだ数が少ない。
ビデオカメラ搭載の視力サポートメガネ、対象の輪郭を抽出
オックスフォード大学のNuffield Department of Clinical Neurosciencesに所属するStephen Hicks氏は、あるウェアラブルテクノロジーの研究をおこなっている。視力をサポートする“スマートグラス”で、ビデオカメラが搭載されており、映された画像データは小さなCPUに送信される。
映された画像は、目の不自由な人にも検知しやすいよう、アウトラインが強調された視覚イメージに、特別仕様のコンピュータープログラムが変換処理をおこなう。そしてウェアラブルメガネのレンズに、その処理されたイメージが映し出されるという仕組みだ。
対象がより近くにあればあるほど、輪郭がより明るく表示される。また、直接人の顔を見たときには、ある程度の顔の特徴も見分けられるという。
今後の課題はスケールダウン、イヤフォンなどの追加機能も
現在はまだ開発途中であり、デバイスの形状は大きくて見た目も良くないが、Royal Societyの支援を受けた後には、普通のメガネと同じサイズまでスケールダウンできるよう、改良を進めていくという。
さらに開発チームとしては、音声サポートをするイヤフォンや、顔、対象、テキストを識別する機能を追加したい意向だ。
また、市場価格はスマートフォンと同程度を実現したいという。もちろんこのツールは、失われた視力を完全に取り戻せるものではないが、目の不自由な人の日常活動を大きくサポートしてくれるツールになることだろう。
Oxford University
ウェブサイト: https://techable.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。