Aターンって何? 人口減少を食い止める秋田県の取り組み
総務省が発表した「住民基本台帳に基づく人口動態調査」(2014年1月1日時点)で、人口減少率全国1位は秋田県であることがわかった。人口減少とともに、少子高齢化が深刻な問題となっているようだ。そこで、秋田県企画振興部総合政策課の橋本さんに、県として対策や施政などを伺った。まずは、若年層の減少について。「秋田県だけの問題ではないと思いますが、かつて昭和30年・40年代の集団就職で多くの若者が東京などに流出し、人口バランスが変化したことが原因の一つだと思います。現在では、秋田県内の就職先が少ないことも問題で、県としては、県内の企業を一堂に会した就職説明会を開催するなど、就職希望者のニーズに事細かに対応することを始めました」
続いて、少子化についてどう考えているのか聞いてみた。「2010年に『少子化対策局』という部署を設け、次の年に『あきた結婚支援センター』を立ち上げました。そこでは、若者の“出会いの場が少ない”という声などを受けて、そうした場をつくりだす支援をしたり、会員登録制のマッチング事業をしています。カップルが誕生し、成婚者の報告も受けていますが、まだ秋田県の人口減少に歯止めをかけるには至っていません。難しいところです……」
たしかに就職や結婚といったライフスタイルの変化は、人口にも影響がありそうだ。さらに秋田県では、2014年5月に『人口問題対策連絡会議』と『プロジェクトチーム』を設置し、人口減少の原因分析などに着手した。また、秋田への移住についてもPRを行っている。「UターンやIターンなどを総称した“Aターン”を推進しています。就職の相談はもちろん、体験移住プログラムの実施や、県内企業と協力して移住者へお米などの県産品を提供したり、さまざまな取り組みをしていますよ」
“Aターン”とは、秋田県へのUターン・Iターン・Jターンの総称。秋田出身の方もそれ以外の方も、秋田に来てほしいとの願いを込めて、オールターン(ALL Turn)の”A”と秋田(Akita)の”A”とをかけた言葉だそうだ。Aターンに興味があれば登録することができ、登録者には秋田県出身者はもちろん、旅行で秋田県が好きになったという方も多いとのこと。
最後に、働き盛りの方に伝えたい秋田県の魅力についてお伺いした。「今、秋田県には若者がチャレンジできる素地がたくさんあります。農業の6次産業化(生産、商品加工、流通・販売までを第一次産業従事者が一手に手掛けること)に取り組んでいる若者もいますし、都会では費用がかかる会社経営などのビジネスの起業に対する支援も厚い。また、農業に取り組みたい方には、豊富なメニューを用意して全力サポートしています。もちろん、豊かな自然や祭り、温泉の魅力は言うまでもありません」
加えて、老年人口が多いということは、子育ても多くの方のサポートが得られる可能性がある。秋田県の資源を有効に活かしたビジネスや、多くの人と関わりあいながらの生活に興味のある方は、Aターン登録をしてみてはいかがだろうか。
参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(平成26年1月1日現在)」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000062.html●取材協力
秋田県企画振興部総合政策課
“秋田暮らし”はじめの一歩
HP:http://www.furusato-teiju.jp/teijushien/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/09/18/69581/
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