わが家にも設置可能? 室内用ハンモックのある生活
ハンモックといえば、キャンプ場などで使う太いロープを編んだネットのようなものばかりと思っていたのだが、細い綿糸で編まれた目の細かいものもあるらしい。そんなハンモックにはなじみの薄い筆者が、ハンモックを使っているお宅にお邪魔して、その設置方法や寝心地などを確かめてきた。まずは屋外用のハンモックがお出迎え
室内用ハンモックの存在を確かめにやってきたのは、神奈川県平塚市の荒川さん宅。その庭先には、さっそくハンモックが吊るされていた。ハンモックというよりは、魚を獲るための網のようだ。
筆者のイメージするハンモックよりも目が細かいこのタイプは、メキシカンハンモックと呼ばれるもので、マヤ文明から受け継がれてきた伝統工芸品であり、メキシコの一部地域では今でもベッドよりも使われている実用品なのだとか。
【画像1】ブランとぶら下がったハンモック(写真撮影:玉置豊)
早速寝転がってみると、これが想像以上にしっくりとくるのに驚いた。網目がとても細かいので、体に食い込んでくるという感じは一切なく、全身が優しく包みこまれるような安心感がある。
荒川さんの話では、これはあくまで屋外用のものなので、ナイロンで編まれているのだが、部屋の中にあるハンモックは綿の糸で編まれているため、寝心地がこれよりも格段に良いらしい。それにしても、屋内にハンモックを設置するというのは、一体どういうことなのだろう。ハンモックの設置方法
外にあるハンモックの存在ですでに大興奮してしまったのだが、今回の本命は屋内にあるハンモックである。家の中にお邪魔すると、本当に部屋の中にハンモックが張られていた!しかも2つ!
【画像2】まさかのダブルハンモック!(写真撮影:玉置豊)
このハンモックがどのように設置されているのかを確認してみると、壁の柱に固定された金具に、エクステンションと呼ばれるカラフルな紐がつなげられており、そこにハンモックが結ばれていた。
ハンモックをぶら下げるためには、むき出しになっている柱や梁でもなければ無理だと思っていたのだが、どうやら壁にある普通の柱でも大丈夫のようだ。
築50年くらいは経っているという和風の家に、派手なカラーのメキシコ製ハンモックがしっかりマッチしているのがおもしろい。
【画像3】壁の中に柱がある場所であればハンモック専用の金具で設置可能(写真撮影:玉置豊)
ハンモックをぶら下げるための金具を取り付ける場所は、建物の構造を支えている強度のある柱であれば、見えている柱だけでなく壁の中に隠れているものでもよく、その様子は壁に直接ハンモックがぶら下がっているようで、なんとも不思議な感じがする。屋内用ハンモックの寝心地は最高だった!
荒川さんが愛してやまない、綿でできたメキシカンハンモックの寝心地を確かめてみるべく、ごろりと横にならせていただこう。足から乗ると危ないので、まずお尻を乗せるのがコツとのこと。
このハンモックはメキシカンハンモックの中でも大きめだそうで、想像以上に幅が広く、脚や手でネットを広げて、自分好みの寝床をつくるのが何とも楽しい。適度な張りがあるため、腰が沈みすぎることもなく、まるで海にでも浮いているような独特の浮遊感を味わうことができる。これは素晴らしい!
ちょっと寝心地を確かめるだけのはずだったのだが、思わず本当に寝てしまった自分に驚いた。ハンモックは普通の布団やベッドよりも、早く眠りに付ける寝具なのかもしれない。ちょっとした昼寝をするには最高のツールだろう。荒川さんは仕事が終わって疲れて家に帰ると、とりあえずハンモックへと直行するそうだ。
【画像4】寝るつもりはなかったのだが、うっかり熟睡してしまった(写真撮影:玉置豊)ハンモックはソファーやブランコにもなるし、収納も簡単!
人を呼ぶことが好きな荒川さんの家は来客が多いため、なるべくモノを床に置かない主義。少人数であればハンモックをソファー代わりに使い、大人数であればハンモックを片付けてゴザを敷く。ベッドやソファーのように場所を占有することのないハンモックは、まさに荒川さんにうってつけのフレキシブルな家具なのである。
【画像5】片側を結べば背もたれができるので、座り心地抜群のソファーや子ども用のブランコに早変わり(写真撮影:玉置豊)
【画像6】邪魔になりそうなイメージのハンモックだが、畳んでしまえばこの通りコンパクトに収納可能(写真撮影:玉置豊)友人宅のメキシカンハンモックに一目ぼれ
さて荒川さんと室内用ハンモックの出会いは?
アウトドア派でもともとキャンプのときに使うようなハンモックは持っていたという荒川さんだが、家に常設するという考え方はまったくなかったそうだ。それが友人宅に吊るされていたメキシカンハンモックに衝撃を受けて、この家に引越してきた昨年春に購入したとのこと。
【画像7】こちらが友人宅のメキシカンハンモック(写真撮影:玉置豊)
【画像8】複雑に織られた柄がとてもきれい!(写真撮影:玉置豊)
確かに綿糸で織られた室内用のハンモックに一度でも寝転がれば、自宅に欲しくなっても不思議ではない。もちろん私も欲しくなっている。この取材をしながら、もし自宅に設置するとしたらどの場所にしようか、どんな柄のハンモックにしようか、ぶら下げるエクステンションの色も考えないと、そんな妄想をずっとしていた。
【画像9】投網を担いだメキシコの漁師ではなく、ハンモックを持ったご友人。布団よりも断然軽いので、家にフックを何カ所か設置しておけば、ハンモックを移動させることも可能なのだ。(写真撮影:玉置豊)
【画像10】二階へと移動してきたハンモック。六畳間でも対角線上なら設置が可能。これなら我が家にも置ける!(写真撮影:玉置豊)取り付けからおすすめのサイズまで、気になる点を専門店にきいてみた
これはもう夏が終わるまでに買うべきかもしれない。そこで荒川さんたちがハンモックを購入したというメキシカンハンモック専門店「the Hammock」の黒石さんに、設置するにあたっての気になる部分を伺ってみた。
――室内に取り付ける場合、柱の目安はどれくらいですか?
「木造住宅の場合は大体90mm~100mmの太さの柱であれば大丈夫です。コンクリート造(マンションを除く)であればアンカーボルトを打てば可能ですが、軽量鉄骨の場合は建てる際に考慮しておかないと難しいです」
――汚れたら洗えますか?また寿命はどれくらいでしょう。
「洗濯ネットに入れていただければ洗濯機で洗えます。寿命は丁寧に使えば5年10年は大丈夫です!」
――おすすめのサイズと値段を教えてください。
「サイズの表記はメーカーによって異なりますが、弊社はベッド部の幅が100cmのsmall(7500円)から、幅400cmのjumbo(1万5500円)まで5サイズがあります。全長はどれも同じですが、幅が広いほうが気持ち良いので、おすすめは大人二人が横になれるx-large(1万4500円~) もしくは jumbo サイズです」
――ハンモックを設置するのに必要な幅はどれくらいですか?
「幅は3m以上あればつけられます。ロープやエクステンションで延長ができますので、長い分には4mでも5mでも大丈夫です」
どうやら設置に必要な条件も、肝心のハンモックの値段も、それほどハードルは高くないようである。これなら部屋の模様替えさえすれば、我が家にも設置ができそうだ。
冬場などハンモックよりもコタツが似合うシーズンは、押入れにでも仕舞っておいて、柱に残ったフックはコートでも掛けておけばいいかなと、ハンモックを設置した後のことまで考えだしてしまった。たぶん近い将来、本当に買うことになる気がする。●メキシカンハンモック専門店 the Hammock
HP:http://www.the-hammock.com/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/08/18/67511/
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