個性豊かなコンビニビールに注目　新しい2製品を含む『グランドキリン』4種を飲み比べてみた

24時間開いてて便利なコンビニですが、最近はコーヒーやスイーツなど“こだわりの品”をラインアップしていて、お目当ての品をコンビニ指名で買いに行く、という機会も多くなりましたよね。ビールの棚に目を移すと、メーカーとコンビニの共同開発品やプライベートブランドなど、実はコンビニでしか買えないビールが増えてきています。キリンビールはコンビニ限定ビールとして『グランドキリン』を展開。7月29日と8月5日には新たに2製品をラインアップに加え、全4製品が販売されています。この全4製品をそろえて飲み比べをしてみました。

2012年6月にセブン-イレブン先行で発売し、現在は全国のコンビニで販売されているシリーズの元祖、『グランドキリン』。重厚感のある飲みごたえで1本でも満足できるビールとしてセブン-イレブンと共同開発され、シリーズ共通で使われているキリン独自の「ディップホップ」製法が『グランドキリン』のために生み出されたようです。“ディップホップ製法”は、ひと手間かけたホップを発酵中に漬け込み、複雑な香味を引き出す製法のこと。原材料は麦芽・ホップ。アルコール分は6％。まずはこの『グランドキリン』から飲んでみて、4製品の味の基準にしてみようと思います。

ウム。「重厚」の一言。どっしりとした麦の旨味にホップの苦味がアクセントとなり、“大人のビール”という印象を強く持ちます。ビールが苦手な人はちょっとビックリするかもしれませんが、苦味の味わい深さを知る大人にはチビチビ飲むのがうれしいビール。おつまみがなくてもずっと楽しめるビールではありますが、あえて合わせるならビターなチョコレートでしょうか。1本でも十分満足感が得られると思います。

2013年11月に発売され、セブン-イレブン限定で販売されているのが『グランドキリン ジ・アロマ』。フルーティーさが特徴の米国産“ブラボーホップ”をキリンで初めて使用、上面発酵酵母による華やかな香りと、小麦麦芽による滑らかな口あたりが特徴の製品。原材料は麦芽（大麦麦芽・小麦麦芽）・ホップ・糖類（乳糖）。アルコール分は5.5％。

スーッ（鼻から息を吐く音）。口から鼻に抜ける華やかな香りが楽しいビール。『グランドキリン』と比べると苦味は穏やか、甘みとコクが「エールっぽいな？」と思ったら、エールビールで使用する上面発酵酵母を使っているそうです。香りの楽しさに「ほう！　ほほう！」とハイペースで飲み進めてしまうので、ビール好きは飲み過ぎないように注意。おつまみは、ビネガーをたっぷりかけたフィッシュ＆チップスなんかが合いそう。

7月29日にサークルK、サンクスで数量限定で先行発売されたのが『グランドキリン ブラウニー』。香ばしい麦芽のコクとホップの引き締まった苦味が特徴の製品。原材料は麦芽・ホップ。アルコール分はシリーズの中では高めの6.5％。

グビグビグビッ！　麦芽の香ばしさやホップの苦味とさわやかさが存分に味わえるビール。しっかりとしたコクはあるのですが『グランドキリン』よりも後味が飲みやすいのが不思議。6.5％というアルコール度数の高さが逆に飲みやすさを実現しているのでは。粒マスタードをつけたソーセージをかじりながら、口の中の油をこれでさわやかに流していくのがオススメ。

8月5日にローソングループで数量限定で先行発売されたのは『グランドキリン マイルドリッチ』。パッションフルーツを感じさせる希少な“ギャラクシーホップ”を採用。小麦麦芽を使用し、その柔らかさとホップの芳しい香りが特徴の製品。原材料は麦芽（大麦麦芽・小麦麦芽）・ホップ。アルコール分は5.5％。

うーん、軽やか。苦味を抑えて香りを引き立てたホップの存在感と、スムーズなベルギービールのような味わいは、『グランドキリン』と比べるとかなり対照的に感じるかもしれません。ほかの『グランドキリン』シリーズがどちらかというと“食事を済ませて夜、じっくり楽しむビール”とするなら、こちらは食事と合わせて楽しめるビールに仕上がっています。特に魚介類の料理に合いそう。これを飲みながら、ムール貝をバケツでバクバク食べたいです。

4種のビールを飲み比べるのはぜいたくなレビューでしたが、それぞれ“キャラが立ってる”というのが飲み比べた印象。一緒に何を食べるか、1人もしくは誰と一緒に飲むか、何を観ながら飲むかなど、シチュエーションに合わせて4種類を飲み分けてみるのも楽しいのでは。まずはいつものコンビニから、次は足を伸ばして、4種類を制覇してみることをオススメします。

グランドキリン
http://www.kirin.co.jp/products/beer/grandkirin/