忘れらんねえよ、渋谷で最高の夜間飛行! 赤坂BLITZ“有観客ライヴ”も発表―OTOTOYライヴレポ
忘れらんねえよが、7月25日(金)に渋谷クラブクアトロでのワンマン公演〈対バン全然決まらんからもうヤケクソでワンマンにしたる「ヤケ伝」〉を開催し、満員の観客の前で〈ツレ伝〉の続行と来年1月25日(日)赤坂BLITZでの有観客ライヴ開催を発表した。
今年はここまで〈ツレ伝ツアー〉でさまざまなロック・バンド(ツレ)と共に日本全国のライヴ・ハウス行脚をしてきた忘れらんねえよ。この日のクアトロでのライヴもツレを探していたものの、結局相手が見つからずに、ヤケになったことからワンマン・ライヴ〈ヤケ伝〉として開催となった。チケットはソールド・アウト、猛暑の中集まった観客の熱気で会場はさらに温度が上昇しているようだ。
19時過ぎに暗転すると、いつものSEが流れてくるかと思いきや、「世の中を……ガエダイッ!!」いきなり野々村元兵庫県議員のあの号泣が会場中に流れ出す! 意表を突かれた観客が笑いと戸惑いに包まれていると、「後ろから失礼させて頂きます!」と、スーツ姿の柴田が会場後方から登場! 謝罪しながら客席を通ってステージへ。ステージにたどりつき「オイ! オイ!」と煽りお客さんが応えると、耳に手を置き記者会見の野々村ポーズ(笑)。お客さんを惹きつけるために躊躇なく時事ネタを放り込んでくるあたりがさすがだ。
ワイシャツ姿になると「野々村!」「竜太郎!」というタチの悪いコール&レスポンスから「上出来です! 爆発するぞ~!!」といつも通り「僕らチェンジザワールド」からライヴがスタート。観客はいきなりクライマックスを迎えたような爆発ぶりだ。「ジャンプ! もっと高く!」と煽る柴田。今日はドラムの酒田が左手に、ベースの梅津は真ん中に座り演奏している。この理由は後ほどわかるのだが、ライヴはそのまま進行。「戦う時はひとりだ」 から「久しぶりの曲やります!」と続けて「だんだんどんどん」、印象的なギター・リフに乗せてしょうもないことを歌う初期忘れらんねえよの迷曲「俺を守りたい」をプレイ。
「こんばんはSMAPです!」との柴田のMCにすかさず観客から「ふざけんな!」の声。「だってベースに梅津“拓也”がいるだろうが!」と逆ギレする柴田。ちなみに梅津はバンドのやり過ぎで腰を痛めてしまったとのことで、今日は椅子に座っての演奏になるとのこと。そのためいつものフライングVベースでは座って弾くことが難しく、緑色のSGタイプを使用していた。
「この高鳴りをなんと呼ぶ」では自然に起こった手拍子に、「手拍子本当嬉しいよ!ありがとう!」と笑顔を見せる柴田。「中年かまってちゃん」では「今、フジロックやってんだろ!?オシャレな格好してイチャつきやがって!」と柴田らしいやっかみ発言に拍手喝采。「青年かまってちゃん」では重たいベースのリフと酒田のリムショットが静まり返った会場に深々と響き、リバーブをかけた柴田のギターがサイケな雰囲気を作り出した。3ピース・バンドの忘れらんねえよだが、冴えわたるアレンジがライヴを飽きさせないものにしている。
「ツレが見つからなくてワンマンになったとかいうけど、最初から決まってたんだろ!? とか思ってんだろ!? 本当なんだ! N’夙川BOYSと赤い公園に断られたんだ! スケジュールが合わなくて!」とぶちまける柴田。それはそれで凄く見たい。
「夜間飛行」の元歌「Happybirthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない」を弾き語り、「せっかくだから本物聴きたいですよね!?」と言うや否や、酒田が機関銃のようにトライバルなスネアのビートを畳み掛け「夜間飛行」へ。これが素晴らしかった。今のライヴ・シーンでは4つ打ちナンバーを導入して惹き付けないと、今までの忘れらんねえよの曲も刺さらないんだ、と話していた柴田。しかしこの日の「夜間飛行」は凄まじいビートに曲が持つメロディの良さが映え、爆発的に盛り上がった。特に2番に入った時の観客との一体感は感動的ですらあった。この日の「夜間飛行」はBPMを相当上げて演奏していたとのこと。いかにして観客に突き刺さるように曲を届けるか常に研究しているのだ。
「いやあ、バンド今日調子いい!」とご機嫌な柴田。しかしそんな矢先「そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか」の様子が変。明らかに音を外してる。1番が終わると「ちょっと待って! 俺今めちゃくちゃ音痴じゃない!?」と演奏ストップ。チューニングが狂っていたらしい。音を合わせながら「俺明日で33歳なんだけど」と言うと観客からハッピーバースデー!が自然発生。照れ隠しのためかギターを置いて背中から客席に入って頭上を運ばれる柴田。それを座ったまま「何やってんだよ~(笑)」と見つめる梅津。さっきまでの感動とこの脱力感の同居こそが忘れらんねえよ。
〈ツレ伝〉のツレを務めた爆弾ジョニーのりょーめーが客席に来ており、爆弾ジョニーの「なあ~んにも」を歌う柴田。りょーめーもステージ上がって盛り上がる。そして追加のツレ伝が決まったことを発表。2015年1月25日に赤坂ブリッツでの有観客ライヴを発表!「チャッ○モ○チーとやれたらいいよね!」と求愛(?)する柴田。まだ先のこととはいえ果たしてどうなるのか楽しみだ。
ライヴは後半、「この街には君がいない」から、梅津がファンキーなベースを弾きだすと「スペシャル・ゲストです!」と呼びこまれ、Wiennersの玉屋2060%とMAXが登場! 曲は当然、「体内ラブ」! クアトロの天井に設置されたミラーボールが回る中、レコーディングでも参加してる2人を加えて盛り上がりは最高潮に。正直メモを取り忘れるほど盛り上がってしまった。もともと『あの娘のメルアド予想する』でも人気の高いこの曲、玉屋2060%のギター・ソロも超絶のカッコ良さで、最高潮の盛り上がりだった。
「バンドやろうぜ」の最中ギターの弦が切れ、セッティングしてる間に、コールに応えドラムソロを披露する酒田。酒田コールで何度も求める観客たち。ここまでミュージシャンにムチャぶりをするのは忘れらんねえよのファンくらいだし、それに応えるのは忘れらんねえよくらいだ。ツレ伝ツアーで友達になったというKEYTALKの「パラレル」~キュウソネコカミの「ビビった」をメドレーで披露。そのままの流れでもはやスタンダードの「CからはじまるABC」、「僕らパンクロックで生きていくんだ」。
「あと2曲、最高の熱量で盛り上がってもらえますか!?」と「北極星」、「ばかばっか」へ。機材トラブルがあったらしく一旦中断したものの再開してからも熱気は少しも衰えず。そして柴田がギターを置いてハンドマイクを手に客席を割って真ん中に入り、左右から観客がぶつかるウォール・オブ・デス。さらに柴田を観客がリフトしてクアトロのバーカウンターまで運んでもらい「すいません、缶ビールひとつください」とビールを購入。そこから再度ステージまで運ばれステージで缶ビールを一気飲み! ギターを手にすると「最後のサビ、行くぞ~!」と演奏再開。「せーの!」で観客と一緒にジャンプして一旦ステージを降りた。
アンコールではなぜかスイムパンツとスイムキャップでまたしても客席後方から登場の柴田「後ろから失礼します! 北島康介です!」とB’zの「ultra soul」に乗ってステージに上がり、半ケツの出た体勢でセッティング。「なんで俺はこんな色モノキャラになったんだよ(笑)」と自虐的に笑いながら、意外にも久しぶりに演奏するという「バンドワゴン」を上半身裸で歌う柴田。最後のサビメロで大合唱が起こり柴田がマイクから離れる。アンコールラストは「忘れらんねえよ」。歌い出しからずっと観客の腕が左右に振られるシーンはいつ見ても壮観だ。ステージにゲストの3人も登場して盛り上がる。ラストは左右に振っていた腕を止めてサビに合わせてヘドバン! そしてエンディングは柴田とゲストが客席を2つに割りながら(「モーゼの「十戒」のようだった」(柴田・談))ハイタッチして客席後方を出て去って行った。〈ツレ伝ツアー〉を経てライヴの演出もパワーアップしており、そのことでさらに忘れらんねえよ本来の楽曲の良さが際立ったワンマン・ライヴだった。来年の赤坂BLITZ有観客ライヴまで、さらに大きなバンドになっているはずだ。(岡本貴之)
写真:名和真紀子
〈対バン全然決まらんからもうヤケクソでワンマンにしたる「ヤケ伝」〉
7月25日(金)渋谷クラブクアトロ
〈セットリスト〉
1. 僕らチェンジザワールド
2. 戦う時はひとりだ
3. だんだんどんどん
4. 俺を守りたい
5. この高鳴りをなんと呼ぶ
6. 中年かまってちゃん
7. 青年かまってちゃん
8. ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
9. あんたなんだ
10. Happybirthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない
11. 夜間飛行
12. 運動ができない君へ
13. そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか
14. タイトルコールを見てた
15. この街には君がいない
16. 体内ラブ
17. バンドやろうぜ
18. ツレ伝メドレー(KEYTALK「パラレル」~キュウソネコカミ「ビビった」)
19. CからはじまるABC
20. 僕らパンクロックで生きていくんだ
21. 北極星
22. ばかばっか
アンコール
23. バンドワゴン
24. 忘れらんねえよ
〈忘れらんねえよ主催 ツレ伝ツアー ツレ伝ツアーファイナル~そして伝説へ~」〉(全箇所2マン形式予定)
2014年10月25日(土)函館 club COCOA
出演:忘れらんねえよ/フラワーカンパニーズ
チケット一般発売日:8月30日(土)
2014年10月26日(日)札幌 PENNY LANE 24
出演:忘れらんねえよ/フラワーカンパニーズ
チケット一般発売日:8月30日(土)
2014年11月17日(月) 北浦和 KYARA
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:8/1(金)~http://eplus.jp/wasure14/ チケット一般発売日:9月13日(土)
2014年11月19日(水) 新潟 CLUB RIVERST
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:8/1(金)~http://eplus.jp/wasure14/ チケット一般発売日:9月13日(土)
2014年11月22日(土)水戸SONIC
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:7/25(土)~http://eplus.jp/wasurelegend-hp/チケット一般発売日:9月13日(土)
2014年11月23日(日)仙台 HOOK
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:7/25(土)~http://eplus.jp/wasurelegend-hp/チケット一般発売日:9月13日(土)
2014年12月12日(金)広島 NAMIKI JUNCTION
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:7/25(土)~http://eplus.jp/wasurelegend-hp/チケット一般発売日:9月13日(土)
2014年12月13日(土) 岡山PEPPER LAND
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:7/25(土)~http://eplus.jp/wasurelegend-hp/チケット一般発売日:9月13日(土)
2015年1月17日(土) 名古屋CLUB QUATTRO
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:7/25(土)~http://eplus.jp/wasurelegend-hp/チケット一般発売日:11月15日(土)
2015年1月25日(日)赤坂 BLITZ
出演:忘れらんねえよ and more
HP先行:7/25(土)~http://eplus.jp/wasurelegend-hp/ チケット一般発売日:11月15日(土)
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