どうなる“ネット選挙”? 山田太郎候補者は『ニコ生』『USTREAM』を活用

参院比例代表候補の山田太郎氏

公職選挙法の改正により、選挙運動中にウェブサイトとブログの更新を認める動きから注目を集める“ネット選挙”。ところが、鳩山首相の辞任に伴う民主党代表選などの影響で国会審議が進まず、改正案の成立が難しい状況となっています。今夏に予定されている参議院議員選挙をめぐり、候補者はどのようにネットを活用していくのでしょうか。『ニコニコ生放送』や『USTREAM』による生放送を活用して選挙戦に臨む、山田太郎氏の立候補会見を取材しました。

記者会見を『ニコ生』と『USTREAM』で生放送

山田太郎(本名)氏は、みんなの党公認の参院比例代表候補。6月1日に行われた立候補を発表する記者会見は、『ニコニコ生放送』と『USTREAM』で同時に放送されました。同氏は自身のユニークな政治活動として、こうしたネットの活用を挙げています。ひとつは戦略会議の生放送。選挙事務所で政策を議論する戦略会議を、同様に『ニコニコ生放送』と『USTREAM』で毎日22時から生放送しています。ユーザーを交えた議論の結果を政策へ反映させていくそうです。もうひとつは、ネットを使った“政治とカネ”の検証。政治活動にかかる日々の収支を、リアルタイムでホームページ上で公開しています。

『USTREAM』では『Twitter』からユーザーの質問が

会見の質疑応答では、『ニコニコ生放送』で流れるユーザーからのコメントや『USTREAM』上に表示される『Twitter』の書き込みにその場で回答。「中小企業に対する支援策は、どのような事を考えていますか?」「消費税の引き上げには賛成ですか?反対ですか?」などの質問に答えていました。平日の夕方ということもあり、生放送へのユーザーの参加人数はそれほど多くなかったものの、政治に関心を持つネットユーザーと候補者が直接対話できる“ネット選挙”の可能性が感じられる会見となりました。

「ネットを使っても効果ないよ」「見てるだけで選挙に行くか分からない」など、同氏の取り組みに対しては疑問を持つ声もあるそうですが、「手段としてはこれから重要と理解している」と同氏。政治活動でのネット活用について「徹底的にやった人がいないので、やるなら徹底的にやる。次回の統一選ではそれが当たり前の姿になるのでは」と意欲を見せていました。

公職選挙法の改正案が成立しなかった場合、ホームページやブログの更新は選挙運動中にできなくなります。そもそも改正案の時点で、電子メールは“禁止”、『Twitter』は“自粛”、動画の配信については“グレー”と、今回の参院選は本格的な“ネット選挙”とはほど遠いものになりそうですが、ネットを使った有権者の政治への参加は間違いなく進んでいくでしょう。ガジェット通信では、今回の参院選でネットを活用する候補者の事例を募集します。情報提供はこちらまで。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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