「ジブリが帰ってきた」鈴木Pが語る『思い出のマーニー』の魅力とは? 映画の世界観に入れる巨大セットも登場[オタ女]
夏と言えばジブリ映画! いよいよ7月19日より公開となるスタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』。イギリスの同名児童文学「思い出のマーニー」を原作に、美しく広がる北海道の湿地を舞台にしたファンタジーです。
本作の監督を務めるのは『借りぐらしのアリエッティ』で監督デビューを果たした米林宏昌さん(『千と千尋の神隠し』のカオナシのモデル!)。前作に続きみずみずしい映像美で少女の葛藤や成長を描きます。声の出演には女優の高月彩良さんと有村架純さんら豪華キャストが起用されている点も注目。
ジブリと言えば、キャラクター・物語はもちろん、音楽・主題歌、食事シーン、キャッチコピーの数々が毎回話題となります。そして何と言っても美術。『となりのトトロ』のサツキとメイの家(やーいおまえんちお化け屋敷ー!)、『ハウルの動く城』の動く城、『耳をすませば』の月島家の生活感……などどれも印象的で目を閉じればすぐに思い出せるほど。ジブリ最新作『思い出のマーニー』にも非常に魅力的な建物が登場します。
7日、東京・東宝スタジオにてKDDIが主催する、au loves ジブリ「思い出のマーニー×種田陽平展」のキャンペーン発表会が開催され、スタジオジブリ 鈴木敏夫 代表取締役プロデューサー、KDDI株式会社 代表取締役執行役員専務 髙橋誠さんが登壇しました。
『思い出のマーニー』ってどんな映画なの?
『思い出のマーニー』ストーリー
札幌に暮らす12歳の内気な少女・杏奈は、悪化するぜん息の療養のため、夏の間、田舎の海辺の村に暮らす親戚の家で生活することになる。しかし、過去のある出来事から心を閉ざしている杏奈は、村の同世代の子どもたちともうまくなじむことができない。そんなある日、村の人々が「湿っ地屋敷」と呼び、長らく誰も住んでいないという湿原の古い洋風のお屋敷で、杏奈は金髪の不思議な少女マーニーと出会い、秘密の友だちになるが……。
(C)2014 GNDHDDTK
心を閉ざした少女・杏奈と不思議な少女・マーニーの物語。予告編を観るとこの2人の少女の出会いと少しずつ親しくなっていく過程を観る事が出来ます。そしてキャッチコピーが「あなたのことが大すき。」その映像があまりにも美しいので筆者は「百合!? これ百合なの!?」と思ってしまったわけですが(ゲスですみません……)、『思い出のマーニー』はどんなお話なのでしょうか? そして、なぜ今映画化なのか。鈴木プロデューサーのコメントをご紹介します。
Q:『思い出のマーニー』映画化と、米林監督起用の理由。
鈴木P:もともと原作が大好きだった。一人の少女の通過儀礼の物語で、心の中を描く物語だから映画化は難しいと思っていた。米林監督は『借りぐらしのアリエッティ』でもそうですが、女の子を描くのが上手。監督から「アリエッティでやり残した事があるのでもう一本映画を撮りたい」と相談された時にすぐに『思い出のマーニー』が思い浮かんで。女の子が2人も出てるんだからピッタリだとお願いしました(笑)。
Q:2人の少女が主人公という、これまでのジブリにない物語であることについて。
鈴木P:宮崎駿は引退してると言ってるけど毎日出社してて、はやくいなくなって欲しいんだけど(笑)。宮さんはいつも「俺は他の人の映画に口出さないよ」って言うけど、出さなかったことはない。口も手も足も出してくる。でも、宮さんが口を出してくるのは男女の物語であって、これは女同士の作品だったので口出してこないだろうと思ったのは僕の計算です(笑)。
Q:宮崎駿監督や高畑勲監督が『思い出のマーニー』を絶賛している事について。
鈴木P:僕がこういう事いうと色々と影響もあるんだけど、久しぶりにジブリが帰ってきたと思った。宮崎駿といい、高畑勲といいどうしても身構えてしまう部分があるけど、もともとジブリ作品には皆の手の届く等身大な部分があった。試写会での皆さんの感想を見ていると、まろ(米林監督)の手によってそのジブリらしさが戻ってきたんだなと思います。
Q:「あなたのことが大すき。」という印象的なキャッチコピーについて。
鈴木P:コピーは悩みました。「二人だけの禁じられた遊び」とか、「二人だけのいけないこと」とか。でもシンプルなメッセージにしようと思い最終的には「あなたのことが大すき。」となった。
Q:本作の美術には日本映画美術を代表する美術監督の一人、種田陽平さんが起用されていますが、美術へのこだわりについて。
鈴木P:映画というのはアニメーションであろうが実写であろうが、キャラクターの後ろにある世界、“美術”が一番大切。種田さんには舞台となる北海道の湿原に似合う洋館をデザインしてもらった。種田さんは過去作品を検証して、これまでジブリに出てきたことの無い建物を作ってくれたので、ジブリファンの方にも満足してもらえると思っています。
「思い出のマーニー×種田陽平展」は種田さんが企画者。2Dをやりながら、3Dにも憧れがあったので、こうして立体物を展示出来る事が嬉しい。ウォルトディズニーもたくさん映画を作ってきたけど、一番頑張ったのはディズニーランドだった様に、我々も楽しみにしています。
マーニーの部屋初公開! 種田陽平さんによる立体作品
この日は「思い出のマーニー×種田陽平展」にて展示する、映画の世界を細部まで再現した巨大アート空間の一部が先行初公開。圧倒的スケールでありながら細かな装飾までこだわり、実写映画のセットさながらに作り上げられた「マーニーのいる世界」に入る事が出来ました。
マーニーのお家、通称“湿っ気屋敷”は実際に人が暮らせるサイズ感で、マーニーが寝ているベッドも。
杏奈がマーニーを初めて見かける窓辺も再現。
日記帳や文房具が並ぶデスクにはマーニーと思われる少女の写真も飾ってあります。美しい建物、インテリアでありながら、本当にマーニーという少女がそこに暮らしているかの様な息づかいを感じる暖かい空間でした。この感覚は実際に入ってみないと分からない感覚ですので、ぜひ7月27日から江戸東京博物館にて開催される「思い出のマーニー×種田陽平展」に訪れていただきたいッ!
激カワトトロのLINEスタンプが配信スタート! 「au loves ジブリ」キャンペーン
『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコから』『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』に続き、本作で5作目となる「au loves ジブリ」キャンペーンでは、ジブリファンに嬉しい様々なキャンペーンを展開。「au スマートパス」会員限定サービスであるスタジオジブリ公式読み物サイト「ジブリの森」(https://ghibli.auone.jp/)では、トトロとこだまがキュートなLINEスタンプをダウンロードする事が出来ます。こちらはau スマートパス会員で無くても使えるので今すぐチェックです。
このスタンプについてKDDI株式会社 代表取締役執行役員専務 髙橋誠さんは「鈴木さんがよくLINEスタンプを使っている事が分かる、使いやすいスタンプのセレクト」とコメント。鈴木プロデューサーは「これまではよく分からなかったのだけど、LINEを実際に使って研究しました。トトロに見えないトトロを入れた所がポイントです。こだまはリクエストが多かったので入れました」とデザイン秘話を明かしました。
「au loves ジブリ」キャンペーンではその他にも、スマートパス会員限定で展示がいち早く見られるプレオープン、種田さんが案内してくれるナイトミュージアム、ジブリが主催するイベントなどへの招待プレゼントも。映画公開を前に盛り上がる、ジブリ最新作『思い出のマーニー』を色々なコンテンツから楽しんでみてはいかがでしょうか?
「思い出のマーニー×種田陽平展」
会場:江戸東京博物館 1階展示室
会期:2014年7月27日(日)〜9月15日(月・祝)
開館時間9時30分〜17時30分(休館日8月4日、9月1日)
同時開催/ジブリの立体建造物展
http://www.marnietaneda.jp
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