集合住宅なのに注文住宅!? コーポラティブハウスって何? 事例編
前回はコーポラティブハウスとはどんな仕組みなのかをご紹介した(http://suumo.jp/journal/2014/06/12/64133/)。今回は、実際にコーポラティブハウスに住んでいる人の体験談を紹介しよう。
きっかけは「家賃がもったいなくなったから」
都内で会社員として働く33歳のAさん(女性)がコーポラティブハウスを知ったきっかけは、引越しを考えたときだったと振り返る。「当時、31歳で都内にある29m2の1DKに住んでいました。もっと広いところに住みたいと考えたとき、一人で何万円も家賃を払い続けるのがもったいないかなって」とAさん。すでにこの当時は賃貸歴9年目。これ以上家賃を払うのはムダに感じていたという。そこで、住宅購入をするため新築や中古マンションを探していたときに、コーポラティブハウスを知ったと話す。
「偶然、インターネットで発見したんです。コプラスという会社に説明を聞きに行ったんですが、即決ができずに一度持ち帰りました」と話すAさん。立地は理想的だったが、多忙を極める仕事に就いているため、どこまで住まいづくりに参加できるか不安だったと振り返る。しかし同じ立地で新築マンションを購入しようとすると、予算を軽くオーバーしてしまう。中古マンションをリフォームするにしても、最適な物件がなかった。
それにコーポラティブハウスの仕組みを見ると、戸建の注文住宅のように自由設計できるだけでなく、サポートも手厚いことを知って不安要素がなくなっていったという。
その後、友人に予算や住居の場所、自由設計ができるという条件を伝えて相談すると、ひとこと「コーポラティブハウスの条件が一番、あなたの希望と近いよね」と言われ、それが後押しとなって購入を決断したという。
Aさんが決断した時点ではすでに土地購入などは終わっており、建設組合へは途中から参加することになった。
プロセスは多かったけど、プロのサポートでスムーズに
Aさんが購入することにしたのは目白駅から徒歩10分の場所にある総戸数20戸の『MEJIRO HOUSE』。
11戸の住人が基本プランをアレンジしていく設計コースを選択し、Aさんを含めて9戸の住人が自由設計コースを選んだという。
「お風呂の浴槽を標準よりも広いもの、それに壁一面に本棚をつくるのが夢でした。お風呂のバスタブは標準よりも大きなサイズに変更し、フロアの床材は床暖房用のムク材をセレクト。キッチンのタイルはインテリア雑誌を参考に取り寄せてもらってつくりました」と満足げに話すAさん。
もともとインテリアや建築が大好きだというAさんだが、いろいろ選ぶのに迷いはなかったのか。
「もちろん迷いはありました。でもつくり始めたら、壁の素材選びを迷うことでさえも楽しくなってきて建築系の雑誌を読みあさって自分で取り寄せるうちに、なんだかあっという間に終わってしまいました」(Aさん)
約半年間を経て、自由設計の部分を決めていった。
「場所、予算、自由に設計できる。住まいのコンセプトや立地、建設組合の雰囲気を事前に確認して希望が合えば、コーポラティブハウスはいい仕組みだと思いますよ」とAさん。
家をつくり上げる喜びを味わえるだけでなく、似た価値観の人が集まることが多いため、「住んでいる人たちがいい」という声も数多く聞かれるという。
住まいを買うのではなく、つくるがゆえの特性を十分理解した上であれば、コーポラティブハウスは理想の住まいを手に入れる一つの選択肢となるだろう。
●取材協力
株式会社コプラス
HP:http://www.co-plus.co.jp/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/06/26/64761/
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