5年ぶりコラボのredjuice×kz(livetune)特別対談 科学とクリエイティブの未来
左がredjuiceさん、右がkz(livetune)さん
フィギュア・小説・マンガと様々なメディアで展開される『BEATLESS』プロジェクト。SF作家・長谷敏司さんが執筆した長編小説は、2014年には日本SF大賞の最終候補まで選ばれている。
その魅力を余すところなく収録した画集とCD同梱の限定セット『BEATLESS“Tool for the Outsourcers”』が発売されたことを記念して、対談を敢行。登場するのは、『BEATLESS』のイラストをつとめるredjuiceさんと、限定版に収録されるコンピレーションCD『BEATLESS – Give Me the Beat -』のプロデュースをつとめたkz(livetune)さん。
livetuneの『Re:Package』と『Re:MIKUS』のジャケットを手がけたredjuiceさんとkzさんという盟友同士が、5年ぶりに再びのコラボを果たし、『BEATLESS』に留まらない、最前線で活躍するトップクリエイターとして過去・現在・未来を語る。
※『BEATLESS』画像はすべて(C)長谷敏司・monochrom
redjuiceとlivetune、5年ぶりのコラボ! livetuneはNIRGILISと初の合作
──お二人が作品単位でコラボされるのは、5年ぶりのことですよね?
kz 『Re:MIKUS』が2009年4月なので、ちょうど5年ぶりですね。
red 『Re:MIKUS』のジャケを描かせてもらって以来ですよね。それで今回、『BEATLESS』限定セットを発売するにあたって、kzさんにイメージアルバムをプロデュースしてもらえることになったので、久しぶりのコラボでした。
kz だから気合いを入れて、僕が今考えうる限りの最高のクリエイターを集めましたよ!
red めっちゃかっこ良かったです。サントラとはまた違った、このCD単体で成り立つレベルの楽曲でした。曲はどうやってつくってもらったんですか?
kz 彼らがそれぞれどういう役割を果たしてくれるか、僕には何となくイメージできていたんです。基本的にいつもそうですが、僕が「こういう曲をつくってください」と頼んだら、わざわざ他の人を呼んでいる意味を消してしまうと思うので、あれこれ言うよりも一任しようということで、特定のシーンを指定せずに『BEATLESS』というSF作品をテーマにまずは自由につくってくださいとお願いしました。最終的に、すごくメロウな曲もあればダンサブルな曲もあって、バランスがとれたと思っています。
BEATLESS – Give Me the Beat – Produced by kz(livetune)
red 曲名がそれぞれ『BEATLESS』に登場する固有名詞になっているものもありますよね。
kz そうですね。みんなそれぞれ『BEATLESS』に触れた上で、自分の音楽のどこを表現したらいいのかを感じ、それを音づくりで発揮してくれました。
──kzさんご自身は今回、NIRGILISと初の合作をされていますが、どのように進行されたんですか?
kz 僕がNIRGILISの「SHINY SHINY」をリミックスしたことがあって、その時のイメージって結構強いと思うので、それは壊さないように意識しました。
元々NIRGILISは、(岩田)アッチュさんの歌詞もそうだけど、『エウレカセブン』の作品に関わっていたこともあって、どこかSF感があるので、『BEATLESS』にはピッタリでした。
今回の「Dreaming Shout」という曲は、まず僕がピアノとベースとドラムだけのシンプルなオケをつくって、これに乗せてくださいという形で投げて。メロはお互い持ち寄ったりしながら、最終的に僕が全部ひとまとめにしました。メロだけで7、8回くらい、かなり密にやりとりしました。お互い仲がいいからこそできたんですけど、手間はかかりましたね(笑)。
red いつも公言しているように、僕は普段からlivetuneの曲を相当聴いていますが、確かに今回は、いつものコード進行と違うと思うところがありました。
kz NIRGILISっぽさも意識しているし、フレーズにしても僕のものもあればアッチュさんのものもあって、どうしてもいつもと違う感じに聴こえる部分がある。それがかえって面白いなと思っています。
あり得るかもしれない未来を描いた『BEATLESS』
──『BEATLESS』は、フィギュアがあって小説があってマンガがあって、今回音楽にもなって、と様々なメディアで展開されていますが、まずキャラクターデザインから始まったんですよね?
red そうですね。一番最初、『BEATLESS』の原形は、2009年頃に士郎正宗さんも関わられていた企画だったんです。キャラクターデザイン自体はその時から存在していました。
その後、2011年に『BEATLESS』として再始動し、グッスマ(グッドスマイルカンパニー)さんから発売された女性型hIE(作中に登場する人型ロボット/インターフェイス)・レイシアのフィギュアに始まり、長谷さんが入って全体のプロットができていき、メインキャラクターの具体的な性格やバックグラウンドができて、ビジュアルを完成させていった感じです。
小説版に関しては、長谷さんと密にやりとりしながら進めていきました。今、スピンオフとして3種類のコミカライズがされていますが、僕はそこにはタッチせず、それぞれがオムニバスというイメージですね。
──長谷さんとやりとりされながら進めていかれたとのことですが、初めて完成した物語を読んだ感想は覚えていますか?
red SFにも色んな作品がありますが、僕が好きなSF感というものがあって、『BEATLESS』にはそれが詰まっていると思いました。例えば、あるアイデアに対して、技術的な背景がまったく語られない/設定されていないSF作品がありますが、僕は、理論が先に存在して、技術的な積み重ねがあった上で成り立っているSFが好きなんです。
──いわゆる「SF考証」がなされている作品という意味ですよね?
red そうです。『BEATLESS』では、現代の科学技術を土台に、さらにそれが抱えている問題にも切り込んでいます。
──hIEにしても、人型クローンが日常的にありふれたものになっている世界をロジカルに描かれていますよね。hIEが重宝される陰で泣いている人や憤っている人の姿もきちんと物語に組み込まれている。
red かつて僕らが子供のころに思い描いていたのは、不思議な装飾や外観の建物だったり、空中のチューブの中の車が走っているような、いかにも未来的な21世紀像でしたが、今は、みんなのSF感がシフトしてきていると思うんですよ。と言うよりも、その夢が破れちゃったんですよね。僕らの夢は現実では実現しなかったので。
kz 21世紀になっても車は空を飛ばないし、みんなやはり、そこで敗北感を味わっているんですよね。けど、見た目はみんなが思い描いていた未来とは違うけれど、ひょっとしたら僕らは、空飛ぶ車なんかよりも全然未来的な暮らしをしてるはずなんですよ。そんな実感はないけど、iPhoneなんて、もし昔に持っていたら、周りはもう大パニックですからね(笑)。その点、このまま技術が進歩していけば、インターフェイスが人型化する未来はあり得る話かもしれませんね。
red 『BEATLESS』は、現在の先にあり得る技術──例えば拡張現実だったり、クラウドコンピューティングだったり、この先50年の間には実現すると言われている、手に届くところにあるSF的世界観なんです。それでいてちゃんとエンターテインメント性があって、ラノベ的なボーイミーツガールというテーマもある。『BEATLESS』も、空から女の子が降ってくる系ですからね(笑)。
「シンギュラリティ」は来る?
──科学の世界では、コンピューターが人間の英知を超える瞬間を“シンギュラリティ(技術的特異点)”と呼びますが、近い将来、その瞬間は訪れてようとしているという議論があります。お二人が、そのような未来をどう捉えていますか?
kz 僕、子どもの頃に観た『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』をすっごい覚えてて。科学の発展の結果、人間が楽をしすぎてダメになった星の話が刷り込まれているんですよ。
『BEATLESS』では、インターフェイスが接客まで担っていますが、僕はそこまでは賛成できないなと思ったんです。例えば医療とかで、人間の手ではどうにもできない精密な動作が必要とされるような分野では機械に任せるというのはいい発想だと思いますけど、ただでさえみんな仕事がないのに、人間でやれることまで任せてしまって雇用を減らす必要があるのか、と。
red でも、働かなくてもいいってことですよね(笑)。その時、人間の出来ることがどれだけ残されるか、です。どんどん機械化していって人間のすることがなくなるかと言えば、なくならないと思います。結局人間って働く生き物なので、働くということはなくならない、逆に言えば、なくなったら人としての文明は終わりです。
──作中には、「そのうち異性とじゃれあうくらいしかやることがなくなる」というようなセリフもあります。
kz もしもそんな未来が実現されたらゾッとするなーと思っちゃうんですよね。その状態って、ほとんどコンピューターに管理されているのと同じじゃないですか。
──ただ『BEATLESS』では、人型ロボットのhIEも、自律する人工知能ではなくて、外部のクラウドネットワークに接続されたインターフェイスでしかない。あくまで人間の意志や欲望を“自動化”する役割を果たす存在として描かれていて、外的要因ではないと定義されています。
kz でも、意識もしない自分の意志を勝手に自動化されてしまっていて、結局は管理されているようにしか見えないというのはシニカルでもあると思っています。
red 『BEATLESS』は、人とモノとの関係を描いていますが、解答までは出していないんですよね。この先も延々といろんな人が議論しながら、その時が来るまで答えは出ない気がします。
ただ、SF作家の藤井太洋さんが言っていたのが、Google Chromeのソースコードは、「最適化遺伝的アルゴリズム」というものを採用していて、もう人が解読できないらしいんです。それは、無数のシミュレートをして、その中から良い結果を出したものを取捨択一するということを繰り返して自動的に進化させる、というものです。実際、もうシンギュラリティがプログラミングの世界では訪れているんじゃないかというお話が印象に残っています。
想像力が先か、技術が先か
──クリエイターとしてのお二人は、大ざっぱな“科学技術”よりも、ツールの進化などにより直接的な恩恵を受けるものだと思います。イラスト・デザインではAdobeのIllustratorやPhotoshop、SAI、音楽ではAbleton Liveなど、様々なソフトの登場・進化が、制作の工程を変化させる、例えばどこかの作業を自動化してくれるということはあるものなのでしょうか?
kz 音楽の場合は、単純にスペックの問題で今まで実現できていなかったところをようやく補塡してくれている、という感覚に近いんですよね。
red それは僕もすごい思う。ソフトに使用されているのは最先端の技術ですが、それでも感性に対してツールが追い付いてきていないですよね。
kz ツールの進化によって何かが簡略化されるというよりも、想像力に機能が追いついてきている状態なんです。
red 工数、自分が手を動かしている時間は変わらないですからね。そこをソフトには担ってもらえない。
kz 僕らがやっていることって意外とシンプルで、しる(redjuiceのこと)さんだったら手を動かしてペンタブで線を描くということがすべてだろうし、僕だったらマウスをクリックして音符を打って譜面を書くことがすべてですよね。だから、そこで簡略化できる作業って実はほとんどない。
red 例えば3DCGや映像制作の場合、いつまで経っても長いレンダリングの時間はなくならないですからね。
kz 3DCGの人は気の毒ですよね……だから、多分ソフトとかツールのスペックっていつまで経っても追い付かない。追い付いた頃には、その人たちの想像力はもっと先をいっているはずで、永遠のいたちごっこをしているようなものだと思うんです。
僕らがやっていることは、どんなにツールが進化しても、自動化できない部分なんです。全く同じものをつくるならそれこそ機械で自動化すればいいけど、僕らはいつも、これまでよりも良いものをつくらないといけないから。
red 本当に、心が壊れかけになるまで追い詰められるわけですからね。機械だったら心の心配はいらないかもしれないですね(笑)。
kz ハートだけ機械にしたいですよね(笑)。折れない心、鋼鉄のハートが欲しいですね。
クリエイターも格差社会に突入?
red イラストやデザインのソフトも、5年ぐらい前にはもう形が出来ていて、機能的な進化はあっても、あまり先進的な機能は使っていない。ずーっと枯れた技術を使い続けている。それまでいろんなツールで培われたものが、地道にフィードバックされていっている感じ。ユーザーの意見を聞いて更新し続けるのは結局のところ人の手によるので、そこにSFはないんですよね。
kz ただ、イラストとの比較で言えば、どちらかと言うと音楽は技術が追い付いてきている方で、やれることがほとんど完結してきちゃっていますね。もっと突き詰めて、例えばAとBのイコライザーがあった時、たしかにそれぞれ違うものはできるんですけど、ただ、その違いを何人がわかるのか。これ以上はもう自己満足でしかない、というところまではきていると思います。
ツール自体はすごく進化してるんですけど、それを感じられる人たちがそんなにいなかったら、それはひょっとしたら進化とかではなくて、単純に更新し続けなきゃいけないものであるという義務感になってしまう。それは意味がないと思うんです。
red 僕が思うのは、細かいフィーリングの部分でなかなか技術者・開発者と共有できないところがあって。クリエイターの考えていることと技術者の考えていることって違うから、そこのズレは生まれてしまいますよね。
kz 進化よりも、同調や同期させるチューニングの方が重要かもしれないですね。クリエイターが今何を欲しているのか、何をストレスとして感じているのかをリアルタイムにフィードバックして更新し続けるソフトウェアになっていったら、それはもう完璧でしょうね。
でも、Wiiやキネクトが登場した時に、クリエイターがみんなハックして自分の創作に活かそうとするように、技術者との認識のズレが面白いことを生む場合ももちろんあります。
red 最近だと、3DCG自体は昔からあった技術ですが、立体プリンターで出力する技術が確立されたことで、フィギュア業界にとってはパラダイムシフトが起こってるかもしれないですね。最近は「ワンフェス」(ワンダーフェスティバル)に出ている個人でも、立体出力を使っている人が増えています。
kz 3Dプリンターって完全におとぎ話上のアイテムみたいなものだから、後はそれをどう利用するか、ですね。新しい技術が生まれた時に、持て余すか持て余さないか。その人の想像力が追い付いているかどうか、個人個人の問題ですよね。
red 3DCGが普及して、今イラストやデザインの学校でも授業に取り入れるようになっていて、どんどんアカデミックの領域になっている気はするんですよね。そこで学んだ人は技術的なベースが上がっていくだろうけど、環境を利用できる技術や知識を持っているかどうかという点で、ますますクリエイター間の格差は広がっていきそうな気がしています。
kz 僕も所属していたのでわかるんですが、最近、音楽でも、大学でポップミュージック科やロック科みたいなものが沢山できていますが、そこでのお勉強で満足してしまう人と、こんなんじゃあ全然ダメだと思える人との差ってものすごく広くなってきている。何もなかった時はそれぞれ努力していたけれど、レールが用意された途端に、これに乗っていればいいんだと思って止まってしまう人が出てくる。
だから、しるさんの言ったように、格差は広がっていくだろうけど、それが健全なんだと思います。各分野にレジェンドはいっぱいいますが、ぶっ倒すまでいかなくても、やっぱり爪痕を残したいじゃないですか。「俺はあいつより下だから見返してやろう」というハングリーな意識から生まれるクリエイティブってあると思うんですよ。
プラットフォームの進化がジャンルの裾野を広げる
──もう一つ、ツールの進化や普及は、裾野を広げる、つまりクリエイターの数を増やす要因になっているということが挙げられると思います。
kz それまでのエンドユーザーがクリエイターになっている状況はあると思います。今の時代、何の専門知識がなくても、それっぽい曲はすぐにつくれてしまいます。音もすごいよくなっている。いい意味で捉えることもできるんですけど、音楽がわからない人にとっては、プロの音楽と素人の音楽の違いに気付けなくて、「だったら素人の音楽でもいいじゃん」と満足してしまうのが、すごくもったいないと思う時があります。
元々音楽の良し悪しに基準なんてないけど、最低限の技術的な評価さえなくなって、音楽自体の裾野が広がってことで、基準が全くわからなくなってしまったという側面はあります。
red イラストはどうなんだろう…結局は紙に描けるかどうか、手先のスキルが問われるものなので、ソフトウェアが進化したところでそこまで変化はないような気がします。
kz 実は僕も、絵を描いてみようかと思ったことがあるんですよ。
red えっ、そうなんですか!?
kz ペンタブって速度センサーとかも付いているので、ペンタブをエフェクターにできないかと思って購入してみたことがあって。せっかくなら絵を描いてみようかと思ったんですけど、やっぱりどんなにソフトとツールが揃っていても、デッサンもできない人間が絵を描くのは無理だと気付いたんです。音楽の場合、マウスで地道にポチポチ、理屈通りに音を置いていけば、本当に誰にでも同じものがつくれるんです。
red ピアノを弾けなくてもつくれるものなんですか?
kz 最低限、ドレミをわかっていれば、一応音楽っぽいものがつくれる。だから、ひょっとしたらイラストより間口は広いでしょうね。そう考えると、聴く側が判断基準を持っているかを逆に問われるようになっていくのかもしれません。
red でも、イラストレーター人口自体は増えたと思いますよ。SAIが登場して、とにかく安くて使いやすかったので、爆発的に増加した。あとは、やっぱりpixivの存在が大きいですね。ソーシャルネットワークの発達がイラストレーターの増加を支えています。
kz たしかに、今、これだけ音楽やイラスト人口が増えたのも、pixivやニコニコ動画、Twitter、SoundCloudといったSNSがとにかく増えたからですよね。見てくれる人がいて、良いでも悪いでも何かしら意見を言ってくれないと、創作ってつまらないですからね。それと関係して、2007年頃から、みんな“クリエイター”という言葉を使い始めた。ツールよりも環境の進化の方が大きいのかもしれませんね。
2人の故郷に錦を飾る
──では最後に、今回5年ぶりにコラボされたわけですが、当時を振り返って、お互いの変化などを感じられることはありましたか?
red kzさんが投稿した「Packaged」を聴いてからずっとヤバい人だと思っていましたが、「Tell Your World」でGoogle Chromeのテーマ曲をやったり、ファレル(ウィリアムス)とコラボしたり、世界にもどんどん飛び出していますよね。kzさんのヤバさがますます増しているというのは思いますね。僕、一番聞いてるアーティストってlivetuneなんですよね。
kz 昔からずっと言ってくれますよね(笑)。
red これ、今日言おうかどうか迷ったんですけど、対談にあたって、livetuneを今までどれくらい聴いているかなと思ってiTunesの再生回数を調べてみたら、3万回でした(笑)。
kz まじで!? それはちょっと聴きすぎですね、大変嬉しいですけど(笑)。
red 作業中ずーっと音楽をかけているんですよ。僕が聴き始めたのはそれこそkzさんがニコニコ動画に投稿を始めて同人CDを出した2007年からだったので、7年間365日で割ると、だいたい1日1時間くらい聞いている計算になる(笑)。中毒性があるんですよ、livetuneの曲って。
kz その情熱は、コミケで初めて同人CDとして『Re:Package』を出した時に、僕の「ストロボナイツ」という曲にイラストを描き下ろしてブースに届けてくれた時から変わっていませんよね。ちょうど僕が席を外していて、戻ってきたらとんでもないイラストが置かれていて、すごいビックリした。
red 家のプリンターでプリントアウトして持っていったんですよね。
kz それでHPを見て、これはすごい人だと思って。それからずっと、事あるごとにlivetuneが好きだと言ってくれる。あの時の嬉しさは、よく覚えています。しるさんとはこれからも、ちょくちょく何かやりたいと思っています。
red ようやく5年越しの再コラボですもんね。
kz しるさんの作品は、アニメの『ギルティクラウン』だったり、見る機会がめちゃくちゃ増えた。僕の中では、しるさんのテイストは、ストロボのもうちょっと後ぐらいのところで完成されているイメージなんです。もちろん、音楽で言うところのミックスみたいな、細かいブラッシュアップはすごく感じるんですが、大枠はゆるがない気がする。だから逆に5年越しにやっても何の違和感もないと言うか、ぴったりはまっている感じがしています。
──同人的な出会いを果たされたお二人が、今回、あらゆるメディアを巻き込んだ大きなプロジェクトでご一緒されていることが、それぞれの立場の変化も象徴されていますね。
kz そうですね。歳も違いますしキャリアも全然違いますけど、僕にとってしるさんはコミケのブースにイラストを届けてくれた人で、僕も単にネットで遊んでた音楽屋です。その僕が、今ではこんな最高な面子を集めて、しるさんとまたコラボしているという状況が、故郷に錦を飾るじゃないですけど(笑)、すげぇヤツら連れてきたんで見てくださいよっていうのが正直な気持ちですね。
red 『Re:MIKUS』の頃と比べると、それぞれ色んなプロジェクトに関わる中で、お互いに知名度は上がっていると思います。それに対する反響も、あの頃よりもすごい多くもらえるようになっているのは、成長したと考えていいのかなと思っています。
kz 5年も経って、もしかしたら僕らが一緒にやっていたっていうことを知らない人が増えているかもしれない。だから改めて知ってほしいですし、僕らを知っている人には、久しぶりだなって思ってもらえたらすごく嬉しいですね。
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