映画『死に損なった男』空気階段・水川かたまりインタビュー「コントと親和性が高い、めちゃくちゃ良い設定」

『メランコリック』にて長編映画デビューを果たし国内外で数々の賞を受賞した気鋭監督・ 田中征爾さんがメガホンを取り、キングオブコント優勝の経歴を持つ空気階段・水川かたまりが映画初主演に大抜擢された、 完全オリジナルストーリー映画『死に損なった男』が2月21日より公開となります。

<Story> 構成作家・関谷一平は、お笑いの道に憧れ、夢が叶った半ば、殺伐とした社会と報われない日々に疲弊していた。駅のホームから飛び降りることを決意するが、隣の駅で人身事故が発生。 タイミング悪く死に損なった一平の前に男の幽霊が現れ、とんでもない依頼をする。 「娘に付きまとっている男を殺してくれないか?」 男を殺すまで取り憑くという幽霊の脅迫に、一平がとった選択とは?

水川かたまりさんに撮影の思い出や今後の俳優業についてなど、お話を伺いました!

――本作とても楽しく拝見させていただきました!映画初主演のご報告はラジオでされていましたが、ファンの方や周りの反響はいかがでしたか?

「良かったね!」ってすごく言われました。芸人仲間からも「いつの間にそんなことになっていたの」と言われて。トムブラウンのみちおさんがすごく映画好きなので「『メランコリック』の監督の映画に出るんでしょ!すごいね」と喜んでくれて。(鈴木)もぐらはすごく考察が好きなんで、タイトルと公式サイトにある情報で、どういいうストーリーなのかを想像して楽しんでいました。

――オファーが来た時はどの様なお気持ちだったのですか?

確か、仕事のスケジュールがマネージャーから共有されるGoogleカレンダーがあって、「かたまり映画主演(仮)」っていうのを見たんです。この書き方って大体ドッキリなんですよ。でも、実際に会って話したら「すごくでかい話があります」と言われた、口調とテンションで本当なんだと思い始めて。クランクインしたら、明らかにちゃんとした映画の撮影現場だったので、本当に映画の主演をやるんだって実感しましたね。そこからはやったことの無いことなので、とにかく周りに迷惑をかけない様にということを心がけて頑張っていました。

――これまでもドラマや映画に出演されていると思いますが、雰囲気が違ったのでしょうか。

全然違いましたね。日数も違いましたし、毎日朝から晩まで撮影という経験が無かったので。ロケ弁も、その場で作ってくれるあたたかいご飯もあって、めっちゃ映画だなと思いました。

――関谷一平という構成作家を演じましたが、この役柄についてはどの様な印象を受けましたか?

芸人として構成作家の方にはよくお会いするので、周りにいる構成作家たちの色々な要素を自分なりに組み合わせながらやっていました。空気階段の初期からついてくれている平島さんという方がいるのですが、特に平島さんの要素が強いです。平島さんって、疲れると白目をむいたりするんですけど、その仕草は取り入れています。あと、僕は普段からすごく瞬きが多くて、お芝居をやっている時は我慢しているのですが、この役は瞬き多くていいなという感覚があったので我慢せずに瞬いています。

――完成した作品を観ていかがでしたか?客観視出来ない部分もあるかと思いますが。

撮っている時から変な感覚だったんですけど、自分がずっと映画に出ているというのが変な感覚で。映画の途中で正名さんが「これは全部嘘です」ってこちらに向かって言ってくるんじゃないか…そんな妄想に取り憑かれていました。まだドッキリなんじゃないかという…。今はさすがにドッキリだとは思っていないですけれど、純粋に作品に集中出来ていないと思うので、はやくもう一回観たいです。

――田中監督はとても面白い作品を作っている方だと思いますが、印象はいかがでしたか?

『メランコリック』も観させていただいて、今回の映画もそうなんですけど、コントと親和性が高いというかめちゃくちゃ良い設定を作る方だなと思いました。本作も役で自殺しようとしたら隣のホームで人身事故があって死ねなくて、そこに幽霊が出てくる…って、コントの設定として思いついたら「すごいの思いついた!」と喜びそうな気がします。

――コントも短いお芝居をしている様なもので、空気階段のネタは特にそうなのではないかと思うのですが、表現は全然違うものですか?

コントはお客さんに笑ってもらうという大きな目的があって演じているのですが、映画は笑わせるだけじゃなく様々な感情をお見せしないといけないのでその部分が違うと思います。

――本作での主演を経て、コントに影響はありそうですか?

映画撮り終わってからコントをやる時に、細かいところに気を配るようになった感じがあります。最終的には落として笑いに持っていく必要がありますけれど、それまでのしんみりしたり、怖かったりする、フリーの時間の演じ方が丁寧になったかなと。
あと、正名さんに「映画やドラマのセリフをどうやって覚えているんですか?」と聞いたら、役者さんは「自分以外のセリフをレコーダーで録音し、自分のセリフの部分を空けておき、それを聴きながら覚えている」人もいるということで、そこからめっちゃ実践しています。正名さんは奥さんにセリフを吹き込むのを手伝ってもらっているそうです。その後、空気階段の単独ライブがあって、結構なセリフ量を覚えなきゃいけない時に、その方法で早く覚えられました。

――今後はどんな役柄を演じてみたいですか?

銃撃ちたいんです。今回の映画にもアクションのシーンがあったんですけど、その時からすごく銃が撃ちたいなって思っていました。僕でもアクションシーンを演じることがあるのだったら、もしかしたら銃が打てるかもしれないなって。今後の人生に期待したいです。

――かたまりさん、殺し屋とかお似合いそうです!

お知り合いにそんな映画を撮りたい方がいたら、伝えておいてください。

――ぜひ記事を読んだ方でかたまりさんに銃を撃たせたい方はご連絡していただきたいですね。今日は楽しいお話をありがとうございました!

撮影:MOTOISHIDUKA

(C)2024 映画「死に損なった男」製作委員会

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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