観光立国に向けて無料Wi-Fi整備の必要性

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国内で外資系ホテル増加、五輪開催を前に訪日客増加を期待

観光立国に向けて無料Wi-Fi整備の必要性

2014年2月7日、京都に新しいホテル「ザ・リッツ・カールトン」が誕生しました。ザ・リッツ・カールトンは、米マリオット・インターナショナルが世界規模で展開するブランドの一つで、国内では1997年大阪、2007年東京、2012年沖縄に次いで4軒目の開業です。主にターゲットは、富裕層の外国人。五輪開催や和食の無形文化遺産登録などで日本への関心が高まり、海外からの旅行者の長期的増加が期待されます。米マリオットの他、アマンリゾーツやフォーシーズンズホテル、ハイアットホテルアンドリゾーツなど、外資系ホテルの展開が今後も予定されています。

無料Wi-Fiを整備しないと消費・宣伝活動で大きな機会損失に

海外から日本を訪れる旅行者が不便を感じるのは、「言葉に関する問題」「交通に関する問題」「通信に関する問題」の3つ。「交通に関する問題」は、駅構内に英語案内表示や英語アナウンスが少ない、駅員に英語が通じないといった言葉の問題にもつながっています。この「言葉に関する問題」は、インターネット接続環境があれば解決できることもあります。

観光庁の調査によると、旅行者が訪日中に「困ったこと」として挙げたのが「Wi-Fiでインターネットに接続できない」ということでした。日本政府観光局の「平成24年度 ICT利用外国人旅行者 調査報告書」によると、90.8%が訪日中にインターネットを使う(使いたい)と回答。その多くが無料Wi-Fiでの接続を希望しています。しかし、観光時や買い物時に無料Wi-Fiを使えなかったという声が多数。これは消費・宣伝活動において大きな機会損失になると考えられています。

いつでも誰でも簡単無料のWi-Fi。これこそが、おもてなし

大都市だけでなく地方においても、無料Wi-Fi環境の整備は進んでいます。しかし、事前登録や専用カードが必要で回数や時間に制限があるなど、外国人旅行者にとっては不便と感じるサービスも多く、結局「使えなかった」という回答につながっているのではないでしょうか。天神地下街の「てんちかWi-Fi」や銀座の「G Free」など、いつでも誰でも簡単につながる無料Wi-Fiサービスが増えることを期待します。

「無料Wi-Fi提供」という商品機能は同じでも、「(条件付きで)使えます」と「使ってください」は、まったく違うサービスだと言えます。「おもてなし」と言えるサービスのかたちはどちらなのでしょうか。

利便性と引き換えに浮上するセキュリティ問題への対策も

いつでも誰でも簡単に利用できることと引き換えに、別の問題が浮上してきます。それはセキュリティ。暗号化されていない無料Wi-Fiの場合、通信内容を盗聴される危険性があります。暗号化されているサービスも、その方式によっては簡単に解読されてしまいます。無料Wi-Fiが安心できるものなのか事前に調べて使用するか、不明な場合、クレジットカード利用、ネットバンキングなど、重要な通信に利用しないなどの対策が必要です。

もう一つの対策として「VPNソフト」というものがあります。無料Wi-Fi接続時の盗聴防止や個人の匿名化などが可能になるといわれています。人気の高い「Hotspot Shield」は、世界190カ所で約1億7500万回もダウンロードされていて、日本でも「Wi-Fiセキュリティ」という名称で同ソフトが販売されています。

無料Wi-Fiの利便性と危険性に対するサービス提供者と利用者の共通理解が、訪日外国人旅行者の不満解消につながり、日本の素晴らしさを世界に伝えることができるとうれしいと思います。

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