機械が発達しても仕事はなくならない
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
機械が発達しても仕事はなくならない
最近下火になってきたかな。「このまま機械が発達していくと、人間の仕事はなくなってしまう」という話が流行りだった。いろいろなものが流行る。高齢者によって日本の富が独占されているから不況なんだとか。これはアベノミクスが成果を上げつつあるので、あまり主張されなくなった。就活の悲惨さもブームは過ぎたのだろうか。
まあ機械が人間の仕事を奪うというのは、産業革命からずっと繰り返し言われていること。でも実際はそうならない。なぜか?時代とともに要求されるものが変わるからだ。家内制手工業の時代、大量生産は画期的だった。しかしひとたび大量生産が定着してしまうと、こんどは多品種少量生産に価値が置かれるようになった。大量生産では対応できないものに価値が生まれたわけだ。
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プログラミングとかも、むかしから「プログラミング不要」のシステムとかアピールされたものだ。ソード社が出していたPIPSとか。「PIPS革命」みたいなタイトルの本が当時あったと思う。いわゆる簡易言語ですな。確かにプログラミングは楽になっている。アセンブラでプログラムを書いていた時代からすれば、格段の進歩。
システムも堅牢になっている。むかしはメモリ保護機構とかなかったから、全然別なプログラムが他のプログラムを破壊することとか普通にあったんだよね。そんな誰が作ったのかわからないプログラムのバグなんて知らんがな(苦笑)。でもユーザーからは俺が作ったプログラムが誤動作しているように見える。MS-DOSとかの頃まではそうだった。現在のOSは他のアプリが別なアプリを破壊できないように監視している。
でもじゃあプログラマの仕事がむかしに比べて楽になったかといえば、そうではないと思うんだよね。その分、要求されるものが複雑になっている。
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むかしのソフトウェアというのはユーザにとって使いにくかったと思う。プログラムを作る側の都合で設計されていたから。いいかえればとにかく機能を実現するのに精一杯で、使いやすさなんて気を配っている余裕がなかった。
いまはそれでは競争に勝てない。機能が実現できているのは当たり前で、その上で素人のユーザーが違和感なく使えるかが重要。さらにユーザーの細かな要望にも対処してくれる開発元が支持される。
よくネットで「なんでこんなことすぐ対応してくれないんだ」とか文句をよく見るけど、むかしは使いにくいソフトをユーザーが工夫して使っていたものだけどね。だからこそ「○○使いこなしテクニック」みたいなものが流行ったわけだし。
大量生産と多品種少量生産と同じで、いまやユーザーからの要望に迅速に対処できないとユーザーから支持されない。結局そうなると作業量は減らないんだよね。つまり仕事は減らない。よかったね(笑)。
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思うに、機械が発達すると人間の仕事がなくなるといってる人たちは、評論家とか研究者とか、いささか浮世離れした人たちなのではなかろうか。現場で働いている人は「だったら、俺の仕事がこんなに大変なのはなんでだ?!」と思うと思うんだよね(苦笑)。
社会が求めるものが18世紀と変わらないなら、現在、人間の仕事はほとんどないだろう。でもそうはならなかった。人間は常に希少なものに価値を求める。希少なものというのは、常にその時代の技術では簡単に実現できないものだ。
仕事がなくなるというのは、現状が変わらないことを前提としている。ユーザーが求めるものが21世紀も、アセンブラで8bitパソコンのプログラムを作っていた頃と変わらないはず、という前提。
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年01月16日時点のものです。
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