ワコムが『Intuos 4』技術を採用した液晶ペンタブレット『Cintiq 21UX Evolution』を発表

ワコムは液晶ペンタブレット『Cintiq 21UX』の後継機種となる新製品『Cintiq 21UX Evolution』を発表しました。2009年4月に発売した高性能ペンタブレット『Intuos4』の技術を液晶ペンタブレットに採用。プロ向けのグラフィックス用途に対応するハイエンド商品としてラインアップされました。3月26日に発売し、価格はオープン。同社の直販サイト『ワコムストア』で22万8000円で販売されます。

・『Intuos4』技術でパワーアップ
本体には21.3型UXGA（1600×1200ピクセル）の液晶モニタを搭載。表示色は1677万色で、視野角は水平、垂直ともに170°。モニタの左右両サイドにはトラックパッド機能を持つ切り替えボタンが1個ずつとファンクションキーが8個ずつ、背面の両サイドにはトラックパッドが1個ずつ配置されています。スタンドはチルト角度が調節でき、回転も可能。

ファンクションキーには任意の機能を割り当てることができ、ペンを持つ手とは反対の手で紙や画板を持つようにしながら操作ができます。

背面のトラックパッドにはズームや回転の操作を割り当てられ、画面の縦方向に指を滑らせるようにして操作します。

『Intuos4』技術の採用により、ペンとタブレットの接触を1g荷重で認識する『1gON荷重』、筆圧が2048レベル、±60レベルの傾き検出といった細かな描き味を実現する機能が利用できるようになりました。

・redjuice氏が実演

2月25日には東京・渋谷のLA FABRIQUEで製品発表会が開催され、製品紹介とイラストレーターのredjuice氏によるデモが実演されました。

redjuice氏は、サークル“supercell”のメンバーとして、ヴォーカロイド『初音ミク』を使った楽曲『ワールドイズマイン』のイラストを手がけて注目を集め、kz氏による楽曲『Last Night, Good Night』ではアニメーションPVを制作した人気クリエーター。液晶タブレットの上に、専用台を使ってキーボードを配置するふだんの制作環境を再現して、線画のラフスケッチと背景の合成作業を『Cintiq 21UX Evolution』で実演しました。

背面に新設されたタッチパッドは、専用台でタブレットの上にキーボードを配置するredjuice氏のスタイルではキーボードを打つ邪魔にならなくてよいとのこと。線画のラフスケッチ工程については、筆圧を抑えているため、従来は紙とシャープペンシルで描いていたものが、『1gON荷重』によりタブレットに直接描けるようになったとコメント。より紙に近い感触で描けることを証明していました。

背景の合成では、建物の3Dレンダリング画像にテクスチャや骨組のレンダリング画像を重ね、フィルタによる変形や穴あけなどの操作で背景を仕上げていく工程を実演していました。

実演されたサンプルのイラスト制作は単行本『Let’s Make ★ Character CGイラストテクニック vol.3』（ビー・エヌ・エヌ新社）で解説されているとのこと。制作の詳細な工程が気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

『Cintiq 21UX Evolution』主な仕様
画面サイズ：21.3型
解像度：1600×1200ピクセル
表示色：1677万色
輝度：200cd/㎡
コントラスト比：550：1
視野角：水平170°、垂直170°
応答速度：26ms
保護パネル：強化ガラス、AG処理（エッチング）
読み取り分解能：0.005mm
読み取り精度：±0.5mm
筆圧レベル：2048レベル
傾き検出レベル：±60レベル
インタフェース：DVI-I、USB
ファンクションキー：8個×2（両サイド前面）
トラックパッド機能切り替えボタン：1個×2（両サイド前面）
トラックパッド：1個×2（両サイド背面）
本体サイズ：561×421×47.8mm
重量：8.7kg（本体）、1.7kg（スタンド）

※仕様追記
対応OS：Windows 7/Vista/XP（SP3以降） 64bit版を含む、MacOS X 10.4以降

■関連記事
【写真付き】ワコムが『Intuos 4』技術を採用した液晶ペンタブレット『Cintiq 21UX Evolution』を発表
すべてはここから始まる。ワコムより待望の最高級ペンタブレット最新版『Intuos4』が発売
1台で完結するDJ機器『nextbeat』製品レビュー