THE GROOVERS×武藤&ウエノ×スクービーが熱演! 〈Otonano/Oto〉レポ

 

 

タワーレコードが、11月14日に東京・O-EASTで開催した新たなライヴ・イヴェント〈TOWER RECORDS presents Otonano/Oto〉。その模様をレポートします! 

 

SCOOBIE DO (photo by 後藤壮太郎)

 

〈Otonano/Oto〉は、〈the luxury of adults~大人であることの贅沢~〉をコンセプトに、さまざまな経験を積んだ洗練された魅力を持つアーティストのステージが体験できるイヴェント。その記念すべき第1回のトップを飾ったのは、ソウルフルでファンキーな4人組バンド、SCOOBIE DO。アート・ブレイキー・アンド・ジャズ・メッセンジャーズの“A Chant For Bu”が艶っぽくムードを盛り立てるなか、大きな歓声に迎えられて入場した彼らは、黒くてホットなインスト・ナンバー“Mary Had A Little Lamb”でライヴの幕を切って落とします。フロントマンのコヤマシュウが吹くブルース・ハープを含め各メンバーが巧みなソロ回しで魅了すると、「SCOOBIE DOです! よろしく!」という短い挨拶を挟んでシャ-プなカッティングから“Funky Way”へ突入。粘っこいグルーヴがアダルトな“The Chance”“Everything Gonna Be Alright”と一気に駆け抜けます。

 

SCOOBIE DO(photo by 後藤壮太郎)

 

「今日は飲んでる率高いね!」とお客さんに語りかけると、この日のセットリストが〈Otonano/Oto〉のコンセプトに合わせて〈スクービー史上無かったようなもの〉であることを明かし、「踊れる!?」との問いかけからヘヴィーなファンク・ナンバー“Don’t Stop The Music”を演奏。一転してタイトにキメた“秘密の果実”の次に、なんと近藤真彦“スニーカーぶる~す”をラグジュアリーなジャズ・ファンク調のアレンジでカヴァー! コヤマの「俺はこの曲を世界で2番目に上手く歌える!」との自画自賛(?)も納得の出来栄えでした。ライヴは、ロマンティックなディスコ・チューン“セツナ”から、“Private Lover”“December Song”とダンサブルに続きフィニッシュ。「この後もみんな飲んでいけよ~!」というメッセージに沢山の祝杯が挙がっていました。

 

武藤昭平 with ウエノコウジ(photo by 後藤壮太郎)

 

キャレキシコのエキゾチックなナンバー“Minas De Cobre”に乗って現れたのは、黒スーツをルードに着こなした武藤昭平とウエノコウジの2人。アコースティック・ギターとベースを手に椅子に腰かけた彼らは、まず乾杯からスタート(!)。ウエノが「いま近くの居酒屋で飲んできた」と語るように、すでにいい感じにお酒が入っている様子です。そんなリラックスしたムードながら、ジプシー音楽のような熱いパッションが立ち昇る“キリンの首”、ギターのボディをパーカッションに見立てて叩く武藤に、ウエノが思わず間奏で「この人、ドラマーだったんですよ」とこぼした“パラダイス・ダンス”と続く頃には、客席の視線はステージに釘付けに。

 

武藤昭平 with ウエノコウジ(photo by 後藤壮太郎)

 

早くも「お酒のおかわりください!」とのコールが飛び出るも(笑)、歌謡ブルースを思わせるメロディーに武藤のスモーキーなヴォーカルが映える“ダララ”や、彼が気持ち良さそうに歌う姿が印象的だった新曲“ワルチング・マルチダ”、語りかけるような唄が徐々に熱を帯びていく“スウィート・タウン”と展開する独特の世界は圧巻。お酒の入ったMCも絶好調です(笑)。「年をとるのも悪くないね」という説得力抜群のオトナ発言の後にボブ・マーリーのカヴァー曲“リデンプション・ソング”を披露し、オーディエンスのハンドクラップとのコラボレーションが生まれた“ブエナ・ビスタ”が歌われると、いよいよライヴはラスト・ナンバー“アミーガ・アミーゴ”に。またもギターを打楽器のように使いながらステージを練り歩く武藤と、一心不乱にベースをかき鳴らすウエノが紡ぐドライヴィンなグルーヴは絶品でした!

 

THE GROOVERS(photo by 後藤壮太郎)

 

そしてイヴェントのトリを務めたのは、ジョージィ・フェイムによるブッカー・T.& ザ・MG’sの名曲“Green Onions”のカヴァーというモッドなSEで颯爽とステージに現れたTHE GROOVERS。ロックンロールの何たるかを知り尽くしたかのような“放浪の運命”“今を行け”をプレイしたかと思えば、ジャジーなリズム隊の上で藤井一彦(ヴォーカル/ギター)のスポークンワード風の言葉が躍る“スマイル”、広大な景色が目に浮かんだミドル・チューン“存在理由”と百戦錬磨のアンサンブルを見せつけます。「まだ音源になってない曲を」と紹介したソリッドな新曲“無条件シンパシー”、藤井のギター・カッティングによるリフのキレが凄まじい“ロザリー”、唸らずにはいられない各メンバーのソロとシンガロングのサビに客席が大いに沸いた“グット・モーニング・シャングリラ”と疾走し、幻想的なジャム・セッションから突入したバラード“奇跡のバラッド”で空気を一変させます。この曲の藤井のギター・ソロは、ただでさえ冴え渡っていたこの日のソロのなかでも特にエモーショナルで最高でした!

 

THE GROOVERS (photo by 後藤壮太郎)

 

本編のラストは、ピート・タウンゼントのウィンドミル奏法のように腕をブンブンと振り回す藤井のダイナミックなストロークも飛び出したロックンロール・ナンバー“最後の煙草に火を点ける”でシメ。興奮冷めやらぬなかメンバーはステージを後にするものの、当然のようにアンコールが発生します。それに応えて再登場した彼らは「まだいたの!?」とトボけつつ、「残業手当出る!? それだったら…紹介しますマツキタイジロウ!」「酒抜けたかな…武藤昭平!!」とSCOOBIE DOのマツキ(ギター)と武藤をサプライズ・ゲストとしてステージへ招待。そして「天国のルー・リードに捧げます!」という宣言の後に、今年10月に逝去したばかりのルーが在籍したヴェルヴェット・アンダーグラウンドの名曲“Sweet Jane”の日本語カヴァーが炸裂! ルーの導きも手伝い、ロックな大人たちが一丸となってのパフォーマンスによってイヴェントは見事な大団円を迎えました。

★TOWER RECORDS LIVE INFORMATIONはこちらから

 

〈TOWER RECORDS presents Otonano/Oto〉@東京・Shibuya O-EAST 2013.11.14
【SCOOBIE DO】
1. Mary Had A Little Lamb
2. Funky Way
3. The Chance
4. Everything Gonna Be Alright
5. Don’t Stop The Music
6. 秘密の果実
7. スニーカーぶる~す
8. セツナ
9. Private Lover
10. December Song

【武藤昭平 with ウエノコウジ】
1. キリンの首
2. パラダイス・ダンス
3. ダララ
4. ワルチング・マルチダ
5. スウィート・タウン
6. リデンプション・ソング
7. ブエナ・ビスタ
8. アミーガ・アミーゴ

【THE GROOVERS】
1. 放浪の運命
2. 今を行け
3. スマイル
4. 存在理由
5. 無条件シンパシー
6. ロザリー
7. グット・モーニング・シャングリラ
8. 奇跡のバラッド
9. 最後の煙草に火を点ける
(アンコール)
1. Sweet Jane

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