ヘタリアだって「もっと評価されるべき」メディア芸術祭できいてみた
2010年2月3日より東京の国立新美術館で『第13回文化庁メディア芸術祭』が開催されている。日本最大級のアートイベントときいてやってきてみたが、会場内には『NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム』から『サマーウォーズ』『ヘタリア Axis Powers』と、なんだかなじみのある作品がずらずら。それもそのはず、このイベントは日本の優れたアニメ・ゲーム・漫画・映像・アート作品を集めたフェスティバルなのだ。
実際の作品に触れることを重視した展覧会で、会場にはWiiやPSP,DSで最新のゲームで遊ぶコーナーや、メディア芸術祭で選ばれた漫画の立ち読みコーナーもある。国を舞台にした擬人化漫画『ヘタリア Axis Powers』も多くの人に読まれていたようだ。
館内にはこうしたサブカルチャー的なものだけでなく、普段見たこともないような発想のアート作品も並んでいる。その一つ、ベルギーのアーティストLawrence MALSTAFの制作した『Nemo Observatorium』という作品を体験してみた。これは半径5メートル程度の水槽のような装置で、その中で嵐が巻き起こるというものだ。中に入り、風に巻き上げられた微粒子を中心から眺めることで、これまでにない視覚的な体験を得らるのだという。カメラを片手に早速中へと入ってみた。
アトラクションを思わせる椅子に座ると、筆者を取り囲む人の好奇の目に気がついた。動物園の動物になった気分で恥ずかしく思いながら、手元のスイッチをオン! そうすると掃除機のような轟音とともに、発砲スチロールの微粒子ぐるぐると嵐になって舞い上がった。ちょうど台風の目のように、自分のところは一切の無風の空間だ。まるでゲームの中にいるような不思議な気持ちになっていく……。打ち寄せる波や炎を眺めるように何時間でも眺めていられるおもしろさがあった。
漫画からアートまで色々あるこのフェスティバル、いったいどういう意図で開催されているのだろう?CG-ARTS協会の篠原たかこさんにお話をうかがってみた。
――様々な作品があるのですが、タイトルになっている「メディア芸術」って何でしょうか?
「デジタル表現や先端テクノロジーを用いたメディアアートだけでなく、エンターテイメント性のあるアニメーション、漫画、ゲームなどを含んだ日本発の柔軟な概念です。柔らかく、日本発の新しい表現、というかんじでしょうか」
――どうしてこうしたイベントを文化庁がやっているのでしょう?
「日本のこうしたものは『もっと評価されるべき』だとおもっています。メディア芸術祭には新しい、今の時代を切り取った作品が集まっています。こうしたものをもっと広めていき、次代に残していけたら、と願っています」
第13回文化庁メディア芸術祭
主 催:文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
会 期:2010年2月3日(水)~2月14日(日) ※2月9日(火)は休館
10:00~18:00(金は20:00まで)
会 場:国立新美術館(港区・六本木) 東京都港区六本木7-22-2
入場料:無料
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※この記事は「伊予柑([NKH]ニコ生企画放送局)」さんからの寄稿です。
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