日本の昔話もアーティスティックに! 原画が間近で見れるチャンス「異郷の絵本作家展」開催中
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新宿にあるコニカミノルタプラザでは、2007年ごろから絵本に関係する展覧会を開催しています。7回目を迎える今回の展覧会では、日本で活動を展開するイタリア人作家フィリップ・ジョルダーノさんと、スロバキア在住の絵本作家 降矢奈々さんの絵本の原画を展示。生まれ育った国を離れ、異なる文化の中で自己のアイデンティティと向き合い、創作を続ける2人の作家の作品を紹介しています。
フィリップ・ジョルダーノ (作品:56点展示)
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「かぐやひめ」と題された、日本の「竹取物語」を題材にした作品は、フィリップさんがまだイタリアにいた頃に制作された作品。原画を全点展示しています。
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独特な世界観で描かれた“かぐや姫”。私たちが慣れ親しんできたイメージとは異なる作品世界で、とても面白いです。この作品が海外の賞を受賞したことをきっかけに来日となりました。
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そして日本に滞在し、「ももたろう」など日本の昔話や、日本の色や自然などからインスピレーションを受け作られた作品が並んでいます。
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フィリップさんは、あの3月11日に起こった大震災を経験。イタリアでは大きな自然災害はあまり起こることがないらしく、あのような人間がコントロールしきれないほどの自然の力を感じた体験は、自身の制作物にも強く影響がでたそう。日本という異文化の中で生活し、イタリアにいた頃に描いた「かぐやひめ」のときとはまた内面も変化したフィリップさん。日本に来たからこそ、描けた作品をみなさんに見て欲しい、と語っていました。
降矢奈々 (作品:60点+ラフスケッチ展示)
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デビュー作『めっきらもっきらどおんどん』やベストセラー『おれたち、ともだち』シリーズをはじめ、子どもから大人まで幅広い層の支持を得る、実力と人気を兼ね備えた絵本作家です。
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展示してあるのは絵本の原画と、自由に描いた作品。
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降矢さんがスロバキアに渡ったのは20年前。絵本の原画は、まだスロバキアに行く前の作品から、向こうに渡ったばかりの頃もの、最新作と、この約25年ほどの時間の流れの中でできた絵本作品の一部を見ることができます。色使いや描かれる模様などは、やはりどこか外国の雰囲気を感じるかも。
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降矢さんは、物語の文章を貰って絵本を作ることが多いとのこと。貰った物語の内容や、感じられる雰囲気を大事にしているため、意識していなくてもその物語ごとに、作風が自然と変わってしまうそうです。それぞれの物語によって絵が変わっている様子もみどころのひとつ。
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原画の他にラフスケッチも展示。
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そして、宮沢賢治の作品を絵本にした最新作「黄色のトマト」は、すべての原画が展示されています。降矢さんはスロバキアで生活している中で、だんだん色を重ね塗りする画風になってきたそう。印刷した絵本ではなかなか感じ取ることができない、多彩な色使いをぜひ原画で見てみてください。
【コニカミノルタプラザ特別企画展 ~「手から手へ展」関連企画~
「異郷の絵本作家たち 降矢奈々×フィリップ・ジョルダーノ」】
開催期間:2013 年11 月15 日(金)まで ※期間中無休 10:30 ~19:00 まで(最終日は15:00 まで)
入場料:無料
場所:コニカミノルタプラザ ギャラリーB&C
東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F (Tel: 03-3225-5001)
JR 新宿駅東口、地下鉄丸の内線「新宿駅」から徒歩1分
コニカミノルタプラザHP http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2013november/ehon/
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