映画『ダイアナ』監督が感じたイギリス王室、そしてダイアナ妃の魅力とは?

ダイアナ

36歳の若さで謎の多い死をとげた元英国皇太子妃ダイアナ、初の映画『ダイアナ』が、いよいよ10月18日に公開となります。ダイアナを演じたのは、『21グラム』『インポッシブル』など、アカデミー賞主演女優賞に2度ノミネートされているハリウッドの実力派、ナオミ・ワッツ。そのナオミ・ワッツの姿がそっくりすぎる! と話題を呼んでいます。

そんな『ダイアナ』の監督と務めたのが、カルト的な人気を誇るサスペンス作『es [エス]』で監督デビュー後、、独裁者アドルフ・ヒトラーの総統地下壕における最期の日々を描いた『ヒトラー 〜最期の12日間〜』で高い評価を得ているオリヴァー・ヒルシュビーゲル。ドイツ出身の監督からみたイギリス王室とは? ダイアナ妃を描くプレッシャーは? 色々とお話を聞いてきました。

――――本作の監督を務めるにあたって、最初は興味が沸かなかったそうですね。

オリヴァー・ヒルシュビーゲル:ダイアナをモチーフにしていると聞くとちょっと身構えてしまうんだけど、脚本を読んでとても良いラブストーリーだなと。すごく古風でありながら、普遍的な愛を描いているから素敵だなと思ったんだよね。ダイアナとハスナット・カーンの物語を“男性A”と“女性B”に置き換えても成立する話だからね。

――――史実を描くことについてプレッシャーは感じませんでしたか?

オリヴァー・ヒルシュビーゲル:「史実を描く」という事に関しては、正直そこまで意識はしていないよ。イギリスの方々にとってのダイアナ妃という存在はとても大きいので観る前から批判する気満々だな、という雰囲気は感じたけどね(笑)。

実は『ヒトラー 〜最期の12日間〜』が公開された時も「なぜ今映画にするんだ」という空気はあったんだよね。でも、ダイアナ妃については僕はそろそろ語っても良い頃だと思ったし、何より美しい物語だしね。スーパーヒーローや超人的な人物には興味が無くて、人間らしいキャラクターが大好きなんだ。

――――監督はドイツ出身ですが、他国の文化であるイギリス王室の物語を作ることは難しく感じませんでしたか?

ヒトラーを撮った後に『レクイエム』という作品を作って、アイルランドが舞台なんですが「アイルランド出身の監督では無いのに、ここまでアイルランドをリアルに描いた事がすごい!」と評された事が僕の自身になったんですね。

英国王室は歴史を紐解けば、愛人が山ほど出てきたりと日本の皇室に比べてアンタッチャブルな文化があるよね。王室が大きな変化を迎えたはチャールズ皇太子の不倫スキャンダルだったと思う。それまでは、タブーはひた隠しにして、絶対に触れてはいけないという文化だったけれど、彼の場合は長年の不倫が公になってしまったわけだから。

――――ダイアナ妃と聞くと、美しくて華やかで……というイメージを持つ人が多いと思いますが、本作では知られざる素顔も見ることが出来て、とても勉強になりました。

オリヴァー・ヒルシュビーゲル:ダイアナ妃っていうのは離婚した後に恋愛をはじめとした生活の中で脆い部分、人間らしい部分を見せてしまった。でも、それが結果的にはポジティブな結果になったと思う。プリンセスじゃなくて、あくまで1人の女性なんだっていう強さが出たからね。

ダイアナがパートナーのハスナットと“普通の生活”を望んだ様に、息子のウィリアムは一般の女性・キャサリンと普通の生活をしようとしている。そういった王室の変化をリアルタイムで見れるところは僕としても楽しいことのひとつなんだ。

――――どうもありがとうございました。

『ダイアナ』ストーリー

1997年8月31日、交通事故で36年の人生を閉じた、元英国皇太子妃ダイアナ。20歳のロイヤルウェディング、ふたりの王子の出産を経て、幸せの絶頂を迎えるはずが、夫の不倫、王室との確執、マスコミとの攻防に傷つき疲れ果て、離婚。シンデレラストーリーは終わりを告げた。絶望を抱えた日々―そんな時出逢ったのが人の命を救うことに全てを捧げる心臓外科医のハスナット・カーンだった。彼に支えられ初めて自分の人生を歩み始めるのだが……。

監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル (『ヒトラー ~最期の12日間~』)
出演:ナオミ・ワッツ (『インポッシブル』『21グラム』)、ナヴィーン・アンドリュース (『イングリッシュ・ペイシェント』「LOST」)
配給:ギャガ

http://diana.gaga.ne.jp/

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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