映画『ベンジャミン・バトン』なんと90年間もお蔵入りだった!
ブラッド・ピット主演の映画『ベンジャミン・バトン-数奇な人生-』(2009年2月7日より全国公開)は 、生まれたときはシワくちゃの老人で、育つにつれて若返るという、自然の摂理に反した妖怪さながらの男が主人公の話だが、その斬新な切り口からごく最近の脚本かと思いきや、実は約90年も前に書かれた小説が基になっているというから驚きだ。
原作は、なんと1920年に書かれたF・スコット・フィッツジェラルドの短編小説。「もし、人が80歳で生まれ、ゆっくりと18歳に近付いていけた なら、人生は限りなく幸福なものになるだろうに」とぼやく知人の言葉に影響されたというのだ。物語性の強い作品ではあるが、あまりにも風変わりで空想的な作風のため、映画化は難しいと長い間思われていたそうだ。聞くところによるとプロジェクト自体、40年以上も宙に浮いていたというのに、なぜ廃棄されずに映画化されたのだろうか。
この小説の映画化には、何よりも脚本家や監督の熱い思いが込められいる。再三検討を重ねても、脚本の構想が固まらなかったために何十年も実現されなかったが、ぜったいに失脚することはなかったのだ。本来、映画化されなかった脚本は消えていくのだが、監督デビッドの元から離れることはなかったというからなんとも運命的である。これほど手をやかせた作品にもかかわらず、人を夢中にさせる魅力がこの小説には隠されているのだ。「1本の映画で、これほどさまざまな個人的な視点を引き出す作品はめったにない」(Production Notesより抜粋)と、プロデューサーのフランク・マーシャルが語るとおり、多彩に壮大に人間の心の奥深くをしっかりとらえる複雑な描写が、この作品にふれた者すべての心を魅了するのかもしれない。
はたしてこの映画には、数多の要素が含まれているので作品を簡潔にひと括りにして語るのは困難である。俳優のキャスティングはもちろん、ひとつひとつの細かい心情を描いた秀逸な脚本、そしてリアルな特殊メイクから戦後の臨場感あふれる映像の細部に至るまで、完璧なまでに満たされている映画なのだ。時代を超えて蘇る奇跡のお話を、ぜひともこの機会に堪能して頂きたい。
<作品詳細情報>
作品: ベンジャミン・バトン 数奇な人生
公開情報: 2009年2月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー!
配給: ワーナー・ブラザース映画
公式サイト: http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/
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