僕がFacebookをやらない理由
今回は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。
僕がFacebookをやらない理由
8月の土曜日。今日は暑いのか涼しいのかよくわからない日だ。天気は雨がふるのか、ふらないのか、これまたどっちともとれない空模様だ。僕はいつものように、近所のカフェで、ノートPCに向かっている。僕は『週刊金融日記』*1というメルマガを毎週書いていて、そこで読者から送られてくる恋愛相談なんかに答えているのだ。相談を読んでいると、Facebookで昔の彼女(彼氏)と何年ぶりかに連絡を取って、再開した、なんて話がとても多い。それで不倫したりとかも、けっこうあるみたいだ。
*1:「週刊金融日記 第71号 月曜日の夜に配信しました。」 2013年08月19日 『金融日記』
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51977783.html
そういう相談を読んでいると、僕もFacebookをやってみようかな、とちょっぴり思ったりする。僕は、ブログとかメルマガとか、インターネット時代の物書きでもあるので、流行りモノはいちおうチェックしておかないといけないと思って、Facebookページ*2は作ってみたけど、これははっきりいって、出来の悪いブログと一緒で、実名でやるSNSのFacebookとは似て非なるものだ。たまに出版社なんかから、本を書いて下さい、というメッセージが届くぐらいで、結局、全く更新せずに放置してある。それで、SNSのほうの個人のFacebookもやってみようかな、と思った次第だ。昔、付き合ってた女性(ひと)とかが、いま何してるのか、わかるのかな、なんてぼんやりと思った。
*2:「藤沢数希」 『facebook』
https://www.facebook.com/kinyuunikki
学生のときに付き合ってた、すごく綺麗だった〇〇ちゃんは元気かな。何やってるのかな? 留学してたときに付き合ってたすごく可愛かったあの子は。そういえば、一度、勢いで寝てしまった、□□ちゃんは。憧れだった、あの女子(ひと)は? こうやって、昔好きだった女の人たちを思い出すと、Facebookをやりたくなってくる。当時は、いろいろあって別れてしまったけど、いま思い出すと、キラキラと輝く、素敵な思い出ばかりだ。
僕がこのブログを書き始めたのは、もう8年も前で、ブログを書きはじめる前も、書きはじめたときにも、いろいろと思い出がある。昔、付き合っていたある女性(ひと)が、いちいち僕がとっていた写真を見つけてきて、そこにたまたま写っている女に嫉妬してケンカをふっかけてくるので、僕は、めんどくさくなって持ってる写真を全部捨ててしまった。だから、僕が過去に付き合っていた女(ひと)たちの記録は、僕の胸のなかの記憶だけということになる。携帯の番号も数年前に変わってるから、LINEでつながることもない。そんな彼女たちがいまなにしてるのか、Facebookでわかるのかな、と思った。ちょっと、気になるな。
でも待てよ。僕も、キャリアとともに歳を重ねてきたし、昔は年上の彼女が多かったから、いま彼女たちは、僕の年齢+うん歳になってるのか。そう思うと、やっぱり彼女たちには、僕の胸のなかで、ずっと美しいままで生きていてほしい、と思った。あのときのままの君でいて。そんな自分勝手なことを思った。
だから、僕はFacebookをやらない。
執筆: この記事は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年09月02日時点のものです。
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