壇蜜がミエたのは狙い通り!?制作陣が明かした電脳レース番組『BLOODY TUBE』の舞台裏
2013年6月15日にBSジャパン(テレビ東京系BSデジタル7ch)で生放送された電脳レース番組『BLOODY TUBE』。抜群のプロポーションで色香を振りまくタレント・壇蜜の身体を舞台にレースを開催。スタジオの水道橋博士・小籔千豊・May J.・山里亮太らとともにスマートフォンを持った視聴者がゲームに参加するというインタラクティブ型のエンタテインメントとして注目されました。
その『BLOODY TUBE』で使われたのが、立体に映像を投影するプロジェクションマッピング。壇蜜自身のモデリングを含めた番組のメイキングをテーマに2013年8月3日にデジタルハリウッド東京本校の公開講座が開催。バスキュールの原のぶおさん・荒木千穂さん、神風動画の水崎淳平さん・桟敷大祐さん、ピクスの加島貴彦さんが登壇し、製作の舞台裏を披露しました。
スクリーンに映像を映すことからさらに進んで、立体の対象物に合わせてさまざまな表現を可能にするプロジェクションマッピングですが、完全に静止することのない人体を使うのは新しいチャレンジ。
まず、スタジオで壇蜜を実際にポージングさせて、そのままスキャン。2台でのプロジェクションを行うなどの使用機材もこの時点で決定しています。
多忙を極める壇蜜のスケジュールはなかなか押さえられないということで、1/1スケールのモデルを製作。投射テストなどはこちらで行われました。気になるこのモデルの行方ですが、原さんによると「バスキュールの社内でひなたぼっこしています」とのこと。
生放送でも壇蜜が悩ましいポーズを取り続ける姿へ映像が投影されることで、「放送中も微調整が必要だった」とプロジェクションマッピングを担当したピクスの加島さん。
投影するコスチュームは、神風動画のデザイナーが担当しています。
中には、骸骨をイメージさせるような映像も。壇蜜の身体の魅力をフルに生かしたデザインが見どころです。
番組でも話題になった、ドキリとさせられるような映像。「ハダカになっちゃったけれども映像だから放送できるでしょ、というのを狙いたかった。”見えた!”とかツイートされていて、しめしめと思いました」と水崎さんは笑います。
体内でレースをするというコンセプトから、実際にアニメーションを製作していったのも神風動画のスタッフ。カプセルやスポンサーの表示などがラフの段階でしっかりと描き込まれています。
桟敷さんがデザインしたレースの合間に登場する体内モチーフのキャラクターたち。「疲れてくると動物を描きたくなる」という落書き付きのラフ画もありましたが、その精緻でかっこいい線が世界観に奥行きを出していることは間違いないところでしょう。
血液型別に分かれてスピードを競うゲームで、出演者や視聴者が操作することになるマシン。当初の”戦艦”というイメージから紆余曲折があり”カプセル”になったといい、スタッフが同じ血液型のものをデザインすることになりました。
桟敷さんが担当したA型はすっきりとした生真面目さが垣間見える機体。「やはり性格が出ますね」というのは代表の水島さん。
また、桟敷さんが「好きに描いていいよ」ということで描いたという『BLOODY TUBE』のエンディングのマンガも披露。ただし、「あまりにも哲学的すぎる」(水島さん)、「最初に見て心を射抜かれたんですが、いかんせんどう料理していいものかと」(原さん)ということで使われず、苦肉の策として番組中のムービーの演出の中に入れ込まれることで落ち着きました。
「これはこれで、別の話を作った方がいい。ぜひスピンオフしましょう」というバスキュールサイドの口ぶりから、また新しい展開があるのかも?
「テレビを舞台にして、映画『サマーウォーズ』のオズシステムのように、視聴者がインタラクティブに参加できるソーシャルな企画に挑戦した」(原さん)というように、リアルタイムで番組の流れが変わっていくことになるため、刻一刻と指示が飛ぶ現場だった模様。見学した神風動画のスタッフのイラストからも臨場感が伝わってきました。
視聴者がスマートフォンでリアルタイムに番組と繋がることで、一歩進んだエンターテイメントの可能性を感じさせた『BLOODY TUBE』。
インターネットとテレビ、そしてプロジェクションマッピングを合わせることで、テクノロジーの魅力も知ることが出来るコンテンツにもなりました。さまざまなクリエイターの活躍の舞台が広がるヒントも随所に見られるだけに、各トップランナーの次なる仕事にも期待が高まることになりそうです。
BLOODY TUBE(ブラッディーチューブ):テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/bloodytube/introduction.html
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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