ヤン提督の紅茶入りブランデーを紙コップで忠実に提供!?大阪・千日前の『銀河英雄伝説』コンセプトバーを訪ねてみた
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田中芳樹さん原作の傑作スペースオペラ『銀河英雄伝説』。ラインハルト・フォン・ローエングラム率いる銀河帝国とヤン・ウェンリー擁する自由惑星同盟との権謀術数や艦隊戦、個性豊かなキャラクターが100名以上登場するスケールの大きな物語は世代を超えた支持を獲得しており、累計で約1500万部以上を記録。マンガ・アニメ・舞台にもなり、2012年には宝塚歌劇団で上映されて話題になりました。
『銀英伝』では、帝国・同盟双方ともアルコールをこよなく愛しているキャラクターばかりなのはよく知られているところ。そんな戦場から帰還した彼らが集いそうなコンセプトのバーが大阪にあるというウワサを聞きつけたので、ひそかに訪ねてみました。
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『海鷲』(ゼーアドラー)と、帝国首都オーディンにある高級士官専用ラウンジにちなんだ名前が付けられたバーは、大阪市営地下鉄日本橋駅から歩いて5分ほど、千日前の雑居ビルの8Fで営業。ロゴがまた大人な雰囲気を醸しだしています。
ドアを開けると10名も入れば満席になるようなカウンターとソファー席といういかにも隠れ家という空間に、アニメ版の戦艦が写った額やポスターがあちこち飾られていました。
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ヤン・ウェンリーといえばコレということで、まずはブランデーの紅茶割り(850円)を注文。紙コップに入っているというのは、戦艦『ヒューベリオン』の司令官席でちびりちびりと飲むという原作通り! ここはお茶の風味は申し訳程度にして、ユリアンに怒られるというシチュエーションを想像しつつ飲むというのが正しいファンというものなのではないでしょうか?
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続いてラインハルトと腹心のキルヒアイスがまだ下級士官だった頃のエピソードがモチーフになっている「金髪さんと赤毛さんの下宿先のグリューワイン」(850円)。赤ワインとレモン、それにシナモンが加えられているホットドリンクです。
ほかにも「アンネローゼ様の大人のホットチョコレート」や「ユリアンのホットパンチ」といった、原作にも登場する飲み方が再現されているので、ファンならば頼んでみたいところ。
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「食うために軍人になった」と豪語する下級貴族出身で、鋭い攻勢を身の上とする提督、アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト。アニメ版では速水奨が演じており、渋い大人の魅力で人気の高いキャラクターですが、彼をイメージとしたカクテルもメニューにあります(1000円)。ヨーグルトドリンクをベースとして端正な銀髪を表現。「よろしい、本懐である」とつぶやきつつ飲んでみましょう。
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たまたま訪れた時には、デザートとして「銀英かき氷」が200円で提供されていました。双璧の片割れであるロイエンタールは、金銀妖瞳(ヘテロクロミア)にちなんでブルーハワイ。帝国軍のラウンジでかき氷が供されたという記録は残っていませんが、地球時代の珍味に舌鼓を打つのもまた一興ということにしておきましょう。
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バーには、田中さんや宝塚版に出演した凰稀かなめ・七海ひろきのサイン、アニメ版のポスターなどが飾られており、どれも『銀英伝』ファンならば必見のものばかりなので、これだけでも一度は訪れる価値ありといえそう。
「伊達と酔狂」というアッテンボローばりのノリで作ってしまった『海鷲』では、店長のさじ加減によりさまざまなイベントを開催。営業日などもホームページで告知されるとのことなので、ふらりと寄って閉まっていたというドジを踏まないように気をつけて下さい。
銀河英雄伝説ファンのバー – 海鷲
http://cafeseeadler.com/
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乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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