【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.130「現代に疲れたら、あすなろ白昼夢の秘密基地へ」

【連載コラム】遊津場の関西アーティスト週報vol.130「現代に疲れたら、あすなろ白昼夢の秘密基地へ」

こんにちは。神戸在住の音楽キュレーター、遊津場(ゆつば)です。普段は邦ロック系インディーズアーティスト情報をSNS、メディア寄稿、自主イベント開催など、様々な手法で発信する活動をしています。

そして今回、OTOTOYで私のメインの活動地域である関西エリアで活躍する若手アーティストの様々なトピックを発信する機会をいただきました。これを読めば、関西邦ロックシーンの最前線が分かります。どうぞ、ご贔屓に。

「現代に疲れたら、あすなろ白昼夢の秘密基地へ」

白昼夢のように揺らめく言葉と衝動的な鳴らすロックサウンドで、儚さと熱量を同時に鳴らすバンド・あすなろ白昼夢が自身初の東阪ワンマンライヴ「1時16分、秘密基地の茶異夢」を開催します。11月12日に東京・下北沢SHELTER、20日大阪・心斎橋Pangeaにて開催されます。彼らは今年2月に新体制を発表後、5月に初全国流通盤1st Full Album「魔法少女図鑑」をリリースし、全国ツアーを開催して、ライヴバンドとしての存在感が増した1年となりました。このワンマンライヴは今年の1つの集大成にもなりそうです。

「魔法少女図鑑」を聴くと、その儚さと熱量は平成のサブカルチャーの空気感やリスペクトから生まれていると感じます。まだ何でも手軽に機械に記録できなかった時代の記憶に焼き付けるしかなかった時の眼力や、まだ今よりルールが緩かった時代だからこそ生まれたミステリアスさやバイオレンスさの生々しい魅力を現代に蘇らせてくれます。なんでも規制されて、逆になんでも否定されなくて、何がメインで何がサブなのかも分からなくなった現代をブン殴ってくれるので、SNSに疲れていたり、後輩を無駄に優しく接しなきゃいけないことに疲れている人には、非常に痛快に聴こえる作品だと思います。それでいて11曲目の「Helter Skelter」を聴けば、寂しい時は寂しいって言っていいと優しく包み込んでくれるのがロマンチックです。最後を飾る「人類の賛美歌」の〈あなたが思っているよりもやることやってんの〉という歌詞にも、あすなろ白昼夢が歌うからこそ救われる人は多いのではないでしょうか。

そして鍛え上げてきたライヴも当然衝撃を与えてくれるものとなっています。坂口呼吸(Gt.Vo)のカリスマ性とピュアさを兼ね備えた衝動的なボーカルは体を突き動かせるものだけでなく、深層心理を掴んで離さなくて逆にジッと見入ってしまうものがあります。ただこの前久しぶりにライヴを見た時はヨッピー(Gt)のステージングがすごかったです。儚くて、柔らかくて、それでも脳裏に刺すものがあって、バンドの世界に没入しきった浮世離れ感のあるプレイでした。この秘密基地に駆け込んで、それを体感してほしいです。

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