【好きすぎて移住】フォロワー13万人が注目するメディア「おにわさん」編集者、日本庭園を2500カ所以上めぐり東京→京都移住したイトウマサトシさん
“推し”への愛が高じて、聖地やゆかりの地へ移住しちゃった人たちにインタビューする連載「好きすぎて移住 ~私の推し活~」。
今回は、日本庭園にハマりすぎて東京から京都へお引っ越ししたイトウマサトシさん(43)。日本庭園の情報をまるっとまとめた人気Webメディア「おにわさん」の編集者です。国内2500カ所以上の日本庭園を巡ったイトウさん。会社を辞めてまで移住を決めた理由って? 東京と京都、住んでみてどうだった? 気になるアレコレ、たっぷり語ってもらいました。
2500カ所以上の日本庭園を訪ねた。ときには自転車で70km走ることも
2019年に東京から京都の左京区へ移住したWebディレクターのイトウマサトシさん。日本庭園をこよなく愛するWebメディア「おにわさん」を起ち上げた庭園愛好家だ。
日本庭園情報ガイド「おにわさん」編集者のイトウマサトシさん(撮影/吉村智樹)
「おにわさん」は日本庭園を中心に47都道府県、2200カ所を超える庭園の基礎情報や交通アクセスの方法などが記述されている情報メディアだ(運営:カレンフジ株式会社)。掲載された画像はなんと4万枚を超える。
「おにわさん(日本庭園 Japanese Gardens) ―お庭をゆるく愛でる庭園情報サイト」(運営:カレンフジ株式会社)
「よく『2200カ所も行くなんてすごいですね』と驚かれるのですが、実はまだ載せられていない庭園がたくさんあるんです。あと300カ所くらいが掲載を待機している状態です」
なんですって! 個人で2200カ所を紹介しているだけでも膨大なのに、まだ300カ所近くの日本庭園がアップ待ちだとは……。訪問したものの「掲載不可」という日本庭園も少なからずあり、「実際に訪れた場所の数はさらに多い」というから凄まじい。
イトウさんは全国およそ2500カ所の日本庭園を訪れた(画像提供/イトウマサトシさん)
実は今回のインタビュー場所もイトウさんに選んでいただいた。京都の南禅寺エリアにひっそりとある桜鶴苑(おうかくえん)だ。大正4年創館の「旧山中邸」に広がる山水式庭園で、ウエディング、京懐石などの食事、カフェなどを利用すれば鑑賞できる穴場である。
桜鶴苑の日本庭園。 琵琶湖疎水の流れを汲み、京の山紫水明を体感できる場所(撮影/吉村智樹)
「七代目 小川治兵衛(おがわじへえ)という人気の作庭家が造ったお庭です。七代目は明治時代から昭和初期にかけての大スター庭師だったんですよ。1200坪のなかに自然と人の手による造形が調和していて、門や石橋など視覚的要素が多くて楽しいお庭です。市街地からさほど離れていない場所にこんなすごい日本庭園があるのが京都の奥深いところですね」
庭園に門が設えられている。このデザインは珍しいという(撮影/吉村智樹)
いやぁ、本当に素晴らしい庭園だ……! 筆者は京都に住んで15年になるが、桜鶴苑の存在をまったく知らなかった。このような極上の庭園を紹介していただきながらも、筆者はあえてイジワルな質問をしてみた。日本庭園の多くが石と水と植物によって構成される。どの庭もさほど違いはないのではないか。
「いいえ。一つとして同じ庭はないんです。所有者さんの美意識、植えられている樹や花の種類、庭師さんの作風、ぜんぜん違います。そこがあまり知られていないのがもどかしいです。庭だけではなく、周辺の風景、聞こえてくる音、すべてが異なる。同じ庭でも四季によって表情が変わりますし、そこがおもしろくて巡っていますね。もっともっとファンが増えていい文化だと思います」
こうして2500カ所以上の個性的な日本庭園と出会ってきたイトウさん。とはいえ範囲が全国となると、交通至便な場所ばかりではないだろう。いったいどのようにして庭園にアクセスしているのか。
「ペーパードライバーなので、通常は公共交通機関を利用しています。バス路線もない行きづらい場所だと、もっぱらレンタサイクルです。いいチャリだったら70kmくらいの距離はいつも走ります。ママチャリでも片道20 kmほどは平気です。“頼れるのは自分の足”という感じですね」
70kmといえば東京駅から神奈川県の大磯~小田原あたりまでの距離だ。日本庭園への「好きすぎる」強い愛情がなければペダルを漕げない距離である。
日本庭園に到達するために「チャリだったら70kmくらいの距離はいつも走ります」とのこと。すごい体力の持ち主なのだ(撮影/吉村智樹)
それに自転車で交通費を浮かせているとはいえ、遠距離になると日帰りは難しいだろう。旅費はどのように工面しているのか。
「普通に平日の仕事もしているので、基本的にはお給料の多くを注ぎこんでいます。あと、“おにわさん”のおかげで庭園のガイドをする依頼もあり、その謝礼を使っているんです」
庭園ガイドもイトウさんの大切な仕事の一つだ(画像提供/イトウマサトシさん)
報酬がそのまま日本庭園の推し活に費やされるとは、圧倒される。イトウさんの柔和な表情の向こうに、庭を愛でることは、すなわち生きることだという気迫を感じる。
日本に日本庭園のデータベースが存在しないことに課題を感じた
2016年11月にサイトがオープンし、今年2026年で10周年を迎える「おにわさん」。2026年8月現在、SNSの合計フォロワーは約13万人にのぼった。「おにわさんを見て日本庭園を訪ねるようになった」「旅先の選択肢に日本庭園を加えるようになった」というファンも多い。
イトウさんはそもそも、なぜ日本庭園を専門とするWebメディアを始めたのだろう。
「おにわさんを始めたのは、それまで、公開されている日本庭園のデータベースが存在しなかったことに課題を感じたからです。ネット上にはマジでぜんぜん情報がなかった。よく報じられる「海外の方による日本庭園ランキング」以上の情報が日本側にないんです。日本庭園はブルーオーシャンを通り越してブラックボックスと言って大げさではない領域でした。それで『京都や日本三名園以外にもこんなにいいお庭がたくさんあるのだから、知られていないのはもったいない』という気持ちが芽生えたんです。日本庭園がある場所を簡単に調べられて、魅力を伝えられるサイトがないのならば、自分でやるしかないと」
兼六園や金閣寺の庭園のように文部科学大臣が特別名勝(学術・芸術上の価値が極めて高い景観)に指定するほどの日本庭園ならば知名度がある。しかし、いくつかの名だたる庭園を除けば、観光のリストから弾かれ軽んじられる存在でもあったようだ。そういった国内に埋もれた美しい日本庭園を再評価(場所によっては初評価)したのが、おにわさんだった。
「最初はただの趣味でした。けれども400カ所ほど巡ったころ、危機感をおぼえはじめたんです。『入園者がいなくて庭が継続できない』『庭師さんが高齢化して閉業し始めている』という声を耳にするようになってきて。実際、場所によっては独占状態になる庭園もあります。静かでとても癒されるんですが、『さすがにこのままでは庭園がなくなってしまうぞ』と心配になってきました。それが、おにわさんを作った原動力でもありましたね」
「誰かが紹介しなかったら日本庭園がなくなってしまう」という危機感が、おにわさんを生んだ(撮影/吉村智樹)
その10年は実を結びつつあり、庭園を巡る趣味人が「おにわさん」と呼ばれているのを耳にしたり目にしたりする機会が増えた。
「振り返れば、日本庭園の魅力がどんどん広まって、もっと身近に感じてもらえて、日本のいろんな場所に“おにわさん”と呼ばれる人がたくさん誕生したらいいなと思ってサイト名を付けたんです。たぶん、お堅いサイト名だったら読者は増えなかったと思います」
鉄道ファンが「鉄ちゃん」と呼ばれて市民権を得たように、「おにわさん」も一般通称となる日も近そうだ。
ジュビロ磐田への応援がきっかけだった全国日本庭園巡り
日本庭園情報メディア「おにわさん」の編集者であるイトウマサトシさんは静岡県の浜松出身。初めて日本庭園の美しさに魅了されたのが2000年、高校2年生のとき。修学旅行で岡山県を訪れたのがきっかけだったという。
「修学旅行の行き先が岡山だと聞いたとき、申し訳ないですが正直に言って『なぜ静岡から、わざわざ岡山へ行くんだろう』と思ったんです。けれども国の特別名勝である岡山後楽園を訪れて、『すげえな!』と衝撃を受けました。期待していなかったからギャップがケタ違いで」
岡山市にある岡山後楽園は江戸時代を代表する大名庭園の一つ。広い芝生や池、築山、茶室などは園路や水路で結ばれ、歩くと景色が移り変わる回遊式庭園だ。園内をS字状に巡る全長約640mの水路「曲水」は圧巻である。
イトウさんが高校時代に訪れて衝撃を受けた岡山後楽園(Photo 庭園情報メディア『おにわさん』)
「人生で初めて見る景色でした。インパクトがデカかった。『なんだここ! 明らかに人に見せることを意識してるじゃん!』って。めちゃくちゃ広くて、芝生がすっごくきれいだったのが強く印象に残っています。もともとサッカーが大好きだったのもあり、芝生に惹かれたのかもしれない」
日本庭園に胸を打たれた原体験をもつイトウさんはその後、IT企業への就職のために静岡から上京。職場があった新橋から徒歩圏内に位置する「浜離宮恩賜庭園」へふらりと訪れ、再び感動した。そして「自分は庭園が好きだ」と自覚したという。
全国の日本庭園を巡りはじめる第1歩を踏んだのは2010年の冬だ。追いかけているJリーグの強豪チーム「ジュビロ磐田」の鹿児島キャンプを観に行くとき「せっかくなら九州のお庭を巡ろう」と考えたのだという。
「鹿児島にある仙厳園(せんがんえん)と熊本県の水前寺成趣園(すいぜんじじょうじゅえん)に立ち寄ったんです。どちらも当時の大名が開いた庭園で、贅を尽くした造り。僕の故郷である浜松も城下町ではあるんですが、工業都市として開発されているので古いものがあまり残っていないんですよ。それなので歴史の深さに息を飲みました」
そして、この歓喜(ジュビロ)の経験が日本庭園を巡る全国行脚へとつながるというのだから意外な展開だ。
「この日が自分にとって衝撃で。『いいお庭、もっとあるんじゃないか』と地方へ出向く引き金になりました。あれから16年が経った現在も地方で知らないお庭が見つかるんです。改めて日本庭園は底知れない世界だと思います」
こうして日本庭園ふしぎ発見の旅へと出ることになったイトウさん。そして地方行脚をしたからこそ体感できた、とてつもない庭園もあったのだそうだ。
「新潟県にある貞観園はハイパーいいです。新緑の時期になると一面が苔。視界に緑しかなくて異世界へ行った気になります。国の文化財になるだけある歴史もあり、日本の宝だと思います。車じゃないと行きにくいのもあって、訪れる人が多くはないんです。もっと知られて欲しいですね」
江戸時代中期に作庭された苔が美しい貞観園(Photo 庭園情報メディア『おにわさん』)
仕事に疲れ「日本庭園の本場・京都」への移住を考えた
そんなイトウさんが京都へ移住したのは2019年。コロナ禍が猛威を振るう寸前だった。
「30代の半ばでしたね。京都へ移住した理由は、やはり庭園です。当時、東京でやっていたSIer(エスアイヤー/企業のシステムづくりの計画、設計、開発、運用・保守までをまとめて引き受けるIT企業)の仕事がしんどくなって、転職を考えまして。おにわさんも軌道に乗り始めていたので、『いっそ日本庭園の本場である京都へ移住するか』、そういう気持ちでしたね」
イトウさんが語るように京都、特に京都市は「日本庭園の本場」と呼んでも過言ではない。国が指定する名勝の数は全国で433件(文化庁発表)。京都府内にある国指定の名勝の数は61件で、都道府県別で全国第1位だ。しかもそのうち京都市内には特別名勝が12件、名勝52件がひしめいている(京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課調べ)。まさに日本庭園の本場といえる。
「あと、京都は庭師さんの技術が集積していますね。全国に優れた庭師さんがいらっしゃいますが、修業先はやはり京都だった方が多いです。京都は剪定(せんてい/日当たりや風通しをよくして病気を防ぎ、生育や花・実のつきをよくするために、余分な枝や幹を切り取る作業のこと)などの基礎を学ぶ街なんでしょうね」
このように日本庭園という観点において、京都は確かに本場だ。庭園の好事家がそこに住みたいと考えるのもわかる。とはいえ住み慣れた関東から関西への移住に不安はなかったのだろうか。
「不安はなかったです。静岡から東京への移住を経験していたし、京都は庭園巡りで最低でも年に2回は訪れている好きな街でしたから。おにわさんを通じて関西の知人もいましたし」
「おにわさんを通じて関西の知人もいた」と語るイトウさん。そう、転職とともに東京を離れる決断をした背景には、おにわさんで知りあった造園関係者たちの声があったのだ。
「僕が『仕事で高い数字を求められるプレッシャーがキツいんです』という話をしたら、『じゃあ、京都に来たらええやん』と言ってくださって。『あ、その方法があるか』って目が覚めました」
「もしも庭園を好きになっていなかったらて、京都への移住はなかったかもしれない」と語る(撮影/吉村智樹)
そうして京都への移住を決心したイトウさん。住居選びにも妥協は許さなかった。
「せっかく京都へ移住するのだから『京都らしさ』は、かなり重視しました。転居先はSUUMOでも探しましたね。それで左京区の、ある寺院のそばにいい部屋を見つけたんです。毎日お寺のそばを通る環境は、とても気に入っています」
京都に移住したイトウさんは自由度が高い非正規社員となって、Webディレクションの仕事に就く。リモートで働きながら庭園へ足を運ぶ暮らしが始まったのだ。
「京都に移住して、西日本に対するハードルがグッと低くなり、西の庭園が巡りやすくなりました。山陰地方や中国地方など、これまでフライトでしか辿り着けなかった場所まで高速バスで行けるようになったのは京都に移住してよかった点です。東京にいた頃は和歌山がすごく遠かったですしね。半面、長野県、新潟県などは行きにくくなりましたが」
京都に拠点を移したことは、おにわさんに掲載する記事の取材において大きなメリットをもたらしたという。京都の、イトウさん視点での、おすすめの日本庭園を訊いてみた。
「京都にやってきて最初にインパクトを受けたのは、嵐山の天龍寺のお庭です。スケールがデカくて、歴史もあって、ザ・日本庭園っていう貫禄があります」
「古都京都の文化財」としてユネスコ世界遺産に登録されている天龍寺(Photo 庭園情報メディア『おにわさん』)
「東山の圓徳院の庭園は、めっちゃ好きです。北政所(ねね)ゆかりの美しい枯山水庭園で、建物のなかから眺められるところがいいです。紅葉の名所で秋はけっこう混むんですが、ほかの季節の眺めもバツグンです。“秋以外の圓徳院”は穴場だと思います」
桃山時代の枯山水の庭園を鑑賞できる圓徳院(Photo 庭園情報メディア『おにわさん』)
京都へ移住し、庭園探訪についてはいっそう充実したというイトウさん。では「京都で暮らす」という点においてはどうだろう。よかった点はあるのだろうか。
「電車が混んでいないのがいいですね。東京の満員電車の凄まじさを知っているから、京都は天国だなと思います。あと、市街地から自然が近いところ。京都はどこにいても山が見えるんです。山を眺めていると癒されます。東京も公園や街路樹は多いんですが、見ていた景色には山はなかったですから」
反対に京都移住のデメリットや障壁はなかったのだろうか。
「暑さと寒さ、ですね。夏と冬は東京よりも過酷で、心身ともにしんどいです。これだけは本当におすすめできない。気温が高く、38度を超えたらもう庭園巡りは無理です(笑)」
京都は平成の時代には猛暑日が年間で数日程度だった。近年は年間50日前後を記録する。地元民ですら悲鳴を上げる暑さだ。今後は京都への移住を考える人たちにとって、気温の高さは一つの大きなネックになってゆく可能性がある。
ではよくテレビなどで「閉鎖的だ」「本音に辿り着けない」「時計を褒められたら『早く帰れ』という意味」などとネタにされる人間関係についてはどうだろう。
「“京都のイケズ”みたいなの、僕はされたことはないし、言われた経験もないです。真に受けて気づいていないだけかもしれませんが(笑)。京都は移住者も増えてきているし、僕と同じように東京から移住してきた人たちともよく出会います。だから、あまりそのような苦労はしませんでしたね」
なにかにつけ「クセが強い」とされる京都だが、デフォルメされて伝わっている部分もあるのだろう。
日本庭園の魅力に気づくきっかけとなるメディアでありたい
ますます充実度を高めるおにわさん。しかしながら、日本庭園を取り巻く環境は決して明るくはない。人口減による入園客の減少、ナシ婚”や洋婚化による「婚礼(前撮りや式など)」の利用減、所有者の高齢化、承継者が見つからない、行政側に寄贈を受けいれられる予算がないなどの理由で、得難い景色を描く名庭園が閉園したり荒廃したりしてしまう悲劇が各地で起きている。そしてすべてがそうではないが、もっと入園者が増えれば救われたケースもあるのだ。
日本庭園が人々の生活から遠ざかっている背景を、イトウさんはこう考えている。
「日本庭園の鑑賞って“オトナのシブい趣味”というイメージがありました。でも、中学生や高校生がふらっと訪れても楽しい場所なんじゃないかと思います。デザインとか歴史的な背景とかワクワクする要素がたくさんある。東京でも150円で入れる庭園があります。ペットボトルのジュースよりも安いんですよ」
「日本庭園鑑賞は高尚な大人の趣味」、日本庭園の一般化には、このような誤解が壁となって立ちはだかっているようだ。半面、イトウさんは一筋の光も感じている。
「一方で、観光で日本庭園を訪れるインバウンドは、僕の肌感覚ではすごく増えています。それも大げさではなく、若い世代が次々とやってくるんです。なかには庭造りの修業をしに来る海外の若者も少なくありません。海外では『日本庭園はクールなアートだ』と非常に高く評価されていて、そうした明るい兆しもある。『明暗どちらもある』というのが日本庭園を取り巻くリアルなのだと思います」
日本の若者に日本庭園を楽しんでもらいたいし、海外からのお客様も日本庭園をエンジョイしてほしい。そういった想いから、「おにわさん」のデザインをポップにし、翻訳機能を実装している。
「Webメディアがやれることは限界があります。ただ一方で、『おにわさん』が知る人ぞ知る庭園をちゃんと紹介することで、足を運ぶ人が着実に増えた実感があるんです。日本庭園の衰退に対する抑止とまではいかないまでも、魅力に気づくきっかけでありたいですね。若い人が『うちの街に自慢できる庭があるんだ』とやる気を出してくれたり、『こんな素敵な庭がある街だったら住んでみようかな』と地方移住を考えたりしたら、すごくいいなと思うんです」
「自分の街にある庭園を誇りに思って、自信を持ってくれたら」と語る(撮影/吉村智樹)
移住してよかった。合わなければ戻ればいい
最後に「好きすぎて移住」を決断して7年が経ったイトウさんに、あとへ続く人々へのメッセージをいただいた。
「僕は移住してよかったなと思います。住んでみて合わなかったら戻ればいい。環境変えたいなと思ったら一回変えてみて、合わなかったらもう一回やり直せばいいんじゃないかな。やってみた結果、二拠点という選択肢も出るかもしれませんし。だからやってみたいと思ったらやるのがいいんじゃないかなと思います」
イトウマサトシ
「ゆるくお庭を愛でる」をモットーに、著名な名庭から知られざる隠れた庭まで等価に扱いながら日本庭園の魅力を発信するWebメディア『おにわさん』編集者。職業はWebディレクター。1983年、静岡県出身、京都在住。これまで足を運んだ庭園は2500カ所以上。
●関連リンク
おにわさん(日本庭園 Japanese Gardens) ―お庭をゆるく愛でる庭園情報サイト
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運営:カレンフジ株式会社
取材協力:桜鶴苑
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