リフォーム減税と補助金を国交省に徹底取材!「減税額は実費ではなく国の基準額で決まる」など知らないと損する条件とは?
家をリフォームしたいけど、工事費が上がっているみたいだし、なかなか踏み切れない――そんな人にオススメしたいのが「リフォーム減税」だ。自宅をリフォームすると工事内容に応じて減税が受けられるこの制度。さらに補助金も受ければダブルでおトクになるケースも少なくない。どのくらいおトクなのか、知っておきたいポイントなどを国土交通省に聞いた。
記事の目次
耐震リフォームや省エネリフォームなどで減税が受けられる
減税+補助金で大きなコストメリットが受けられる
国土交通省に聞いた!「リフォーム減税・補助金を賢く利用するためのアドバイス」
「リフォーム促進税制」と「住宅ローン減税」どちらが使える?
正しい条件を知って、おトクな制度を見逃さないようにしよう
まとめ
耐震リフォームや省エネリフォームなどで減税が受けられる
自宅をリフォームすると減税が受けられる制度があることをご存知だろうか。リフォームを対象とした減税としては「リフォーム促進税制」があり、さらにこの制度には所得税の減税と固定資産税の減税がある。また、住宅ローンなどを利用してリフォームした人向けの制度が「住宅ローン減税」だ。
【リフォーム促進税制】リフォーム工事に応じて所得税から控除
リフォーム促進税制とは、リフォーム工事の内容に応じた額を所得税から控除する制度。所得税が給与から天引きされている場合は、確定申告することで納めた税金が戻ってくる。
リフォーム促進税制では工事費に応じた額が所得税から控除される(イラスト作成/杉崎アチャ)
所得税額から控除額が減税される(イラスト作成/杉崎アチャ)
減税には耐震やバリアフリー、省エネなど6つのメニューがあり、それぞれ対象となる人や工事内容、減税額の上限が定められている。
なお、この所得税控除の適用期間は、令和10年(2028年)12月31日までとなっている。
期限までに工事を終え、その家に住んでいる(居住の用に供している)ことが要件だ。住みながらリフォームをする場合は、期限内に工事が完了し、引き続き居住していれば対象となる。
リフォーム促進税制(所得税)のメニュー
工事の種類主な対象者最大控除額(目安)耐震リフォーム旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)の住宅所有者最大62.5万円バリアフリーリフォーム50歳以上 or 要介護者等と同居している人最大60万円省エネリフォーム窓断熱工事を含むリフォームを行う人最大62.5万円※1三世代同居対応リフォーム三世代同居のためのリフォームを行う人最大62.5万円長期優良住宅化リフォーム耐震or省エネ+耐久性向上リフォームを行う人最大62.5~75万円※2子育て対応リフォーム19歳未満の子がいる世帯 or いずれかが40歳未満の夫婦最大62.5万円※1 太陽光発電を設置する場合は最大67.5万円
※2 太陽光発電を設置する場合は最大67.5万円~80万円
【リフォーム促進税制】翌年の固定資産税を減額
リフォーム促進税制には、固定資産税を減額する制度もある。
リフォーム促進税制には固定資産税が軽減されるメニューもある(イラスト作成/杉崎アチャ)
固定資産税額から一定額が減額される(イラスト作成/杉崎アチャ)
工事の種類に応じて、翌年の建物分の税額から1/3~2/3が減額されるというものだ。
令和9年(2027年)中に工事が完了した場合は令和10年度分(翌年度分)の固定資産税が軽減対象となる。さらに、工事完了後3ヶ月以内に市区町村へ申告しなければ減税が受けられないため、工事が終わったら速やかに手続きを行おう。
リフォーム促進税制(固定資産税)のメニュー
工事の種類減額割合主な要件耐震リフォーム翌年分の1/2昭和57年1月1日以前から所在する住宅バリアフリーリフォーム翌年分の1/365歳以上・要介護者等が居住、築10年以上省エネリフォーム翌年分の1/3平成26年4月1日以前から所在する住宅長期優良住宅化リフォーム翌年分の2/3増改築による長期優良住宅認定を取得
【住宅ローン減税】ローンを利用した人向けの減税
10年以上の返済期間がある住宅ローンやリフォームローンを利用して自宅をリフォームした場合は、「住宅ローン減税」が受けられる。最大10年間にわたり、年末時点のローン残高の0.7%に相当する額を所得税から控除するという制度だ。対象となるローン残高の上限は2000万円となっており、10年間で最大140万円の所得税が戻ってくる。
住宅ローン減税ではローン残高に応じた額が所得税から10年間控除される(イラスト作成/杉崎アチャ)
なお、住宅ローン減税(リフォーム)の適用期限は、令和12年(2030年)12月31日だ。
期限までに工事を完了させた上で、居住を開始(居住の用に供)することが要件とされる。
併用できる制度とできない制度がある
これらのリフォーム減税のうち、リフォーム促進税制の所得税控除と固定資産税減額は併用できるが、リフォーム促進税制の所得税控除と住宅ローン減税は耐震リフォームを除いて併用できないので注意が必要だ。
また、リフォーム促進税制の所得税控除では複数のメニューを併用できるが、長期優良住宅化リフォームについては耐震リフォーム・省エネリフォームとは併用できない。固定資産税減税についてはバリアフリーリフォームと省エネリフォームの組合せのみ併用可能となっている。
所得税の減税制度の併用(●:併用可、×:併用不可)
引用:国土交通省固定資産税の減税制度の併用(●:併用可、×:併用不可)
引用:国土交通省
リフォーム減税には子育てや三世代同居向けなど複数のメニューが用意されている(画像/PIXTA)
【リフォーム補助金】国が実施している3つの省エネ補助金
リフォームすると補助金がもらえるケースもある。国では住宅の省エネ性能向上を目指して「住宅省エネ2026キャンペーン」を実施中。持ち家向けの補助金としては「みらいエコ住宅2026事業」「先進的窓リノベ2026事業」「給湯省エネ2026事業」の3つがある。
いずれも省エネ性能の高い窓や給湯器などを設置すると補助金がもらえるというもの。みらいエコ住宅2026事業では、省エネリフォームと併せて行う子育て対応リフォームなども補助金の対象になる。
国の補助金メニュー(住宅省エネ2026キャンペーン)
工事内容事業名補助対象補助額省エネリフォーム先進的窓リノベ2026事業省エネ性能の高い窓の設置リフォーム工事内容に応じて定める額
上限100万円/戸給湯省エネ2026事業高効率給湯器などの設置7万円~17万円/台みらいエコ住宅2026事業住宅の省エネ性能向上を目的としたリフォーム工事内容・改修前の住宅の性能に応じて上限40万円~100万円その他リフォーム工事(省エネリフォームと併せて行う工事)みらいエコ住宅2026事業子育て対応リフォームなど(図作成/SUUMO編集部)
自治体が補助金を実施している場合もある
自宅のリフォームを対象とした補助金は、自治体が独自に実施しているケースもある。メニューは耐震リフォームや省エネリフォーム、バリアフリーリフォームなどさまざまだ。対象となる工事の要件や補助金額、実施期間などは自治体により異なるので、詳しくは居住地の自治体に確認してほしい。
住宅リフォーム支援制度検索サイト(住宅リフォーム推進協議会ホームページ)
減税+補助金で大きなコストメリットが受けられる
工事費の3割以上をカバーできるケースも
リフォーム減税は補助金と併せて利用することができる。減税と補助金を併用することで、大きなコストメリットを受けられるのだ。
例えば省エネリフォームと子育て対応リフォームを実施した下記のケースでは、実際にかかった工事費が320万円なのに対し、減税と補助金とで合計120万円余りのコストメリットを受けられている。工事費の実に3割以上をカバーできた計算だ。
(図作成/SUUMO編集部)
国土交通省に聞いた!「リフォーム減税・補助金を賢く利用するためのアドバイス」
工事費は「国の標準工事費」で計算される
リフォーム促進税制による所得税の控除額は以下のAとBの合計額となり、6種類の性能向上工事(耐震リフォーム、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、三世代同居対応リフォーム、長期優良住宅化リフォーム、子育て対応リフォーム)それぞれの上限額までとなっている。複数の性能向上工事を組み合わせた場合の最大控除額は130万円だ。
A(必須工事):(性能向上工事の費用の対象工事限度額−補助金等)×控除率10%
B(必須工事の対象工事限度額超過分+その他リフォーム):(1000万円−Aの対象工事限度額−補助金等)×控除率5%
なお、性能向上工事の費用は実際の工事費用ではなく、国土交通大臣がリフォームの工事内容ごとに定めた「標準的な工事費用相当額」で計算されるので注意しよう。
戻る税金には上限額がある
リフォーム促進税制の所得税控除や住宅ローン減税を利用すると天引きされた所得税が戻ってくるが、戻ってくる額は「控除を受ける前の所得税額」が上限となる。
控除率から計算した控除額が大きくても、控除前の所得税額以上には戻らないので注意が必要だ。
補助金の受付には期限がある
リフォームの補助金には受付期限があり、制度によって異なるので確認が必要だ。国が実施する住宅省エネ2026キャンペーンでは各事業の予算上限に達した時点で受付を終了し、遅くとも2026年12月31日までとなっている。それぞれの事業の予算に対する申請額の割合は下記のサイトで確認してほしい。
住宅省エネ2026キャンペーン公式ホームページ
減税や補助金は利用者側からリフォーム会社に相談を
減税を受けるための手続には、リフォーム会社や建築士などのサポートが欠かせない。さらに国の補助金は利用者自身では手続ができず、リフォーム会社などが申請することになる。そのため、リフォームの依頼先を探す段階から「減税や補助金で使えるものはありませんか?」と確認してみよう。
特に税金については税理士の専門領域とされており、資格のない事業者が具体的な減税額などをアドバイスすることが難しい。リフォーム会社から減税の利用を提案してくることは期待しづらいので、利用者側から積極的に質問・相談することが大切だ。
(イラスト作成/杉崎アチャ)
「リフォーム促進税制」と「住宅ローン減税」どちらが使える?
ローンを組まない場合はリフォーム促進税制
リフォームで受けられる減税のうちリフォーム促進税制の所得税控除と住宅ローン減税は併用できないケースが多いので、どちらを使うべきか迷う人もいるだろう。
まずポイントとなるのは、「住宅ローン減税は10年以上のローン利用が前提」となる点だ。つまり、ローンを利用せず現金のみでリフォームする場合は、リフォーム促進税制の一択となる。
10年以上の返済期間でリフォームローンを組むなら住宅ローン減税!?
住宅ローン減税で受けられる減税額の上限は10年間で140万円。
一方、リフォーム促進税制では1年間で最大130万円の減税が受けられる。
トータルの減税額で比較して、130万円以上の減税が受けられる場合は住宅ローン減税がおトクだ。
住宅ローン減税で受けられる減税額はローンの借入額や金利、返済期間によって変わるが、おおむね2500万円以上のローンを組むと130万円以上の減税が受けられる可能性がある。
ただし、実際の減税額は年収や家族構成、リフォーム促進税制の場合は工事の内容によっても異なるので、下記のサイトで確認してほしい。
国土交通省のシミュレーションサイト
耐震リフォームは併用できる場合がある
リフォーム促進税制の所得税控除と住宅ローン減税は基本的には併用できないが、例外的に耐震リフォームだけは併用可能だ。
例えば築年の古い旧耐震の住宅を購入し、同時に耐震リフォームを行う場合、購入に利用した住宅ローンについて住宅ローン減税を受け、リフォーム工事についてはリフォーム促進税制の減税を受けることもできる。
とはいえ、いずれも所得税からの控除になるため、納めた税額以上に所得税が戻ってくるわけではない。住宅ローン減税だけで所得税額がゼロになる場合は、リフォーム促進税制による所得税控除は受けられないので注意が必要だ(※)。
(※)住宅ローン減税額が所得税額を上回る場合、翌年の住民税からも控除が受けられる。また、住宅ローン減税で所得税額がゼロになっても、リフォーム促進税制による固定資産税の軽減は受けられる。
正しい条件を知って、おトクな制度を見逃さないようにしよう
リフォーム促進税制や住宅ローン減税、みらいエコ住宅2026事業を利用すると、それぞれ最大で100万円前後のコストメリットを得ることができる。利用するには人や住宅、工事内容などの条件を満たす必要があるので、下記のサイトも参考に条件を確認し、おトクな制度を確実に利用できるようにしよう。
リフォーム促進減税や住宅ローン減税について
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)について
まとめ
耐震リフォームや省エネリフォームなど自宅をリフォームするとリフォーム減税で所得税や固定資産税の減税を受けられる場合がある
一定の省エネリフォームをすると国の補助金が受けられるほか、各種リフォームで自治体の補助金を受けられるケースもある
減税や補助金を利用したい場合はリフォーム会社に相談することが大切
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