毎日のランチ代、以前より高くなったと感じていませんか?
そんな働く人にとって、実は2026年に大きく変わった制度があります。
企業が従業員に支給する食事補助について、一定の要件を満たした場合の所得税非課税限度額が、月額3,500円から7,500円へ引き上げられました。
改正は1984年以来、実に42年ぶりです。
月額7,500円なら、年間では最大9万円。毎日の「食」に関わるだけに、働く人にとって身近な福利厚生といえそうです。そして今回の制度改正をきっかけに、企業の食事補助にも実際に変化が起き始めています。
食事補助を増やしたら、月12回→19.5回利用
どれくらい使われているのかを見てみると、なかなか興味深い数字が出ています。
食事補助サービス「チケットレストラン」を展開するエデンレッドジャパンが、同サービスの決済データを分析したところ、制度改正から3カ月で、改正前から利用していたユーザー企業の32.6%、約3社に1社が食事補助額を増額していました。
そして増額企業では、1回あたりの平均利用金額が587円から760円へ29.5%増加。
さらに、月平均の利用回数は、12回から19.5回と62.5%増加しました。月20営業日と仮定すると、ほぼ毎営業日に利用される水準です。
「福利厚生はあるけれど、ほとんど使ったことがない」という制度もありますが、毎日の食事に使えるとなると、利用頻度はかなり高いようです。
「食事補助が増えてよかった」は企業だけじゃない?
利用回数だけでなく、従業員の評価にも違いが見られました。
現在の食事補助額に「満足している」と回答した割合は、増額企業では61.1%だったのに対し、未増額企業では39.5%。さらに「会社は従業員のことを考えてくれている」と感じる割合も、増額企業67.2%、未増額企業58.4%と、増額企業の方が高い結果となっています。
食事補助の増額だけがこうした評価の差を生んだとは言い切れませんが、「毎日のランチ」という身近なところで会社からのサポートを感じられることは、働く人にとって意外と大きいのかもしれません。
そして、企業側の反応もかなりポジティブ。
食事補助を増額した企業の管理者の97.8%が「増額してよかった」と回答。85.1%が投資対効果を「非常に良い・やや良い」と評価しています。
そもそも「社員食堂がない会社」でも使える?
「食事補助」と聞くと、大企業の社員食堂を思い浮かべる人もいるかもしれません。
でも、いまは会社の中に食堂がなくても利用できる食事補助サービスがあります。
例えば「チケットレストラン」は、カード型の食事補助で、飲食店やコンビニなどを社員食堂のように利用できる仕組み。つまり、食事補助は必ずしも「会社に食堂がある人だけ」の福利厚生ではありません。実際、制度改正直後の2026年4月には、同サービスの新規契約数が前年同月比約1.7倍に増加。新規契約企業の82%は従業員100名以下の企業でした。
食の福利厚生が、会社の規模を問わず広がっていく可能性もありそうです。
食事補助を「あたりまえ」の福利厚生に
こうした動きの中、9月10日には、食事補助サービスを展開するエデンレッドジャパン、Gigi、ネオマルスの3社が一般社団法人「食事補助推進協会(MBAJ)」を設立しました。
協会が目指すのは、食事補助を一部の企業だけの福利厚生ではなく、企業が人に投資するための「あたりまえの仕組み」にしていくこと。食事補助の認知を広げるだけでなく、適正利用に向けたガイドラインの公開や政府・関係省庁への政策提言なども進めていくようです。
給与アップはもちろんうれしいもの。
でも、毎日必ず発生する「食事」という支出を会社がサポートしてくれることも、働く人にとっては実感しやすい福利厚生のひとつです。
42年ぶりに制度が変わった今、「そういえば、うちの会社に食事補助ってある?」と、一度自社の福利厚生をチェックしてみてもよさそうです。