ビリー・ジョエル、脳疾患の診断を下した医師に“ライブが脳の神経にダメージを与えていた”と告げられたと明かす

 昨年、正常圧水頭症の診断を下されたビリー・ジョエルだが、自身のコンサートが脳に及ぼしていた予想外のダメージについて、ついに口を開いた。

 現地時間2026年9月9日、自身のSiriusXMチャンネルでのインタビューで、77歳の“ピアノ・マン”は、まるで“船に乗っているような”感覚のバランス障害に悩まされ、医師の診察を受けた経緯を語った。診断を受けた後、神経内科医からは、脳内の圧力を軽減するためにシャントを埋め込む手術を勧められたそうだ。「それでシャントの手術に同意したんだ」とジョエルは振り返った。当初は、頭蓋骨に穴を開けてシャントを埋め込むという手術内容を聞き、“パスする”と答えていたことも明かした。それは、進行性のこの病状がこれ以上悪化するのを止めるための処置だった。

 「でも、その後いろいろ調べてみて、バランスや記憶力の改善に役立つ可能性があるって分かった。ほら、俺だってボケたくはないからね」とジョエルは語り、「それが加齢のせいなのか、病気のせいなのか、見分けがつきにくくてね。それでシャントの手術に同意して、手術を受けた。脳にシャントを埋め込んでもらって、実際に状態は良くなったよ」と続けた。

 手術後、記憶力もバランスも、体を動かす能力全般も改善したというジョエルだが、悪い知らせもあった。医師たちからライブ活動そのものを中止するように助言されたのだ。大音量のロック・ショーを演奏することによる身体的な負荷が、さらなるダメージにつながりかねないというのがその理由だった。「気づいたんだ。医師たちにも言われたことだけど、俺の仕事、つまり大音量でロックンロールを演奏するという仕事が、ショーをやるたびに、脳震盪のようなものを引き起こしていたんだって」とジョエルは語った。「それが脳の神経にダメージを与えていて、公演を重ねるほど脳細胞を失っていた可能性がある。それに気づいたとき、今はこれをやるべきじゃないんだと分かったんだ」と明かした。

 そして、診断とその後の療養に向けて、ジョエルは2025年に予定されていたツアー日程を中止した。正常圧水頭症は、脳脊髄液が頭蓋骨内に蓄積し、脳を圧迫することで発症する病気で、クリーブランド・クリニックによれば、“思考力や集中力、記憶力、運動機能”など、さまざまな能力に影響を及ぼす可能性がある。

 医師から脳を休ませるよう指示されたジョエルは、ツアー活動からしばらく離れる決断をした。「良くならなきゃいけない。あまりストレスをかけたくないって医師たちも言ってる」と彼は述べた。現在は理学療法に取り組み、「とにかく医師たちに言われたことは何でもやる。失いたくないからね」と話した。加えて、常に「自分自身をテストし続けている」と明かし、自身の病状を耳にしたファンに対しては、心配しないでほしいと呼びかけた。「みんなに知っておいてほしいのは、俺の心配はしないでくれってこと」と彼は語り、「俺はどこにも行かないよ。ここにいる。まだ、ここにいるんだ」と続けた。

 ライブ活動休止前、ジョエルにとって最後のフル・コンサートとなったのは、2025年2月22日の米コネチカット州アンカスビルのモヒガン・サン・アリーナでの公演だった。セットの終盤、「It’s Still Rock and Roll to Me」の演奏中にマイクスタンドを回した際に転倒し、これが診断につながるきっかけとなった。ジョエルは予定されていた残りの公演をすべて中止し、この病状をファンに明かしたのは、その3か月後のことだった。

 診断と手術以降、ジョエルが公の場で演奏したのは一度だけだ。現地時間1月2日、米フロリダ州ウェリントンでのショーで、自身のトリビュート・バンド“ターンスタイルズ”のステージに飛び入りし、「We Didn’t Start the Fire」と「Big Shot」を共演した。また3月には、米ニューヨークのカーネギー・ホールで行われたチャリティ公演にも姿を見せている。ルーファス・ウェインライト、マッチボックス・トゥエンティのロブ・トーマス、マット・ネイサンソン、トレインのパット・モナハン、ワイクリフ・ジョン、メアリー・チェイピン・カーペンターらが出演したこのトリビュート公演は、音楽教育支援のために22万5000ドル超(約3,500万円)を集めた。

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