ゼスプリ「栄養花火-もうひとつのハザードマップ」を公開! 47都道府県の栄養状況を花火で可視化

ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社は、日本の食事・栄養課題に取り組む「ゼスプリ栄養改革プロジェクト」の一環として、全国47都道府県の栄養状況を可視化したWebコンテンツ「栄養花火-もうひとつのハザードマップ(以下、『栄養花火』)」を8月31日(月)に公開。これに伴い、2026年9月2日(水)、「栄養花火-もうひとつのハザードマップ」発表会を「コニカミノルタプラネタリアTOKYO(有楽町)」にて開催した。

47都道府県の栄養状況を可視化させた『栄養花火』を制作

ゼスプリは、災害への備えとしてハザードマップが活用されているように、栄養不良についても現状を可視化することが重要であると考え、全国約1万人以上を対象に調査を実施。BMIをはじめ、食環境、経済環境、情報環境、個人的要因、接種栄養など89項目のデータをもとに、都道府県ごとの栄養状況を、大きさや色で表現したインフォグラフィックとして可視化できる『栄養花火』を制作した。栄養不良を「見えない災害」と捉え、地域や個人が栄養について考え、行動するきっかけをつくることを目指している。

発表会の冒頭、ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社 代表取締役社長の安斉一朗氏が登壇し、『栄養花火』開発の背景や今後の展望を語った。

日本人の3人に1人が「栄養不良」、気づきにくい“隠れ栄養不良”

ゼスプリは2024年、「日本の栄養不良を改善し、より多くの人が健康的な食事をとれる社会をつくる」ことを目的に「栄養改革プロジェクト」を立ち上げた。同社によると、日本では食生活が多様化する一方、栄養バランスの偏りや果物摂取量の不足などが課題となっている。成人の3人に1人が栄養不良の状態にあるとされる一方、栄養不良の人の52.1%が「自分は栄養不良ではない」と認識しているという。ゼスプリは、こうした「自覚しにくい栄養不良」を“見えない災害”と表現。災害への備えとしてハザードマップが活用されていることから、栄養状況も可視化することで問題への気づきを促す考えだ。

安斉氏は、「栄養も見えれば変えられる。その発想から生まれたのが栄養版のハザードマップという考え方です」と、『栄養花火』の意義を述べた。ゼスプリは今後、“キウイフルーツを売る会社”から、“栄養をラクにおいしくする会社”へ、という方向性を掲げ、行政、企業、地域と連携しながら、啓発にとどまらず実際の行動変容につながる取り組みを展開していくという。

47都道府県の栄養環境を「花火」で表現

『栄養花火』は、一般的なハザードマップとは異なり、より多くの人に興味を持ってもらうため、「花火」をモチーフにした。花火は、かつて疫病退散への願いを込めて打ち上げられたともいわれる。今回のプロジェクトでは、その歴史になぞらえ、栄養不良のない未来への願いを込めて、47都道府県それぞれの栄養状況を異なる花火として表現した。

花火は、地域の栄養状況を直感的に把握できるようデザインされており、花火が大きいほど、また緑色が多いほど栄養状況が良好であることを示す。データは、食行動に影響する要因を捉える「エコロジカルモデル」に沿って収集・分類。スーパーなどへのアクセスを含む食環境、経済的環境、生活習慣などの個人的要因、実際に摂取した栄養素など、複数の観点から地域の栄養状況を分析した。サイトはベータ版として公開され、今後もデータを継続的にアップデートする予定。また、集計データはオープンデータとして公開し、誰でもダウンロードして活用できるようにしている。

会場では『栄養花火』の特別投影を実施

発表会では、会場である「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」のスクリーンにて「栄養花火」の特別上映が行われた。次々に打ち上げられる色とりどりの花火に魅了されるとともに、各都道府県で違いがあることが印象的だった。

栄養問題は「個人の努力」だけでは解決できない

次に、公益社団法人日本栄養士会 代表理事会長の中村丁次氏が登壇。現在の栄養問題を「栄養不良の二重負荷」と説明し、食べ過ぎによる肥満や生活習慣病と、食べられないことによる低栄養や成長への影響が、国や地域、家庭を問わず共存、または混在していると指摘した。そのうえで、個人が栄養について学び、意識を高めるだけではなく、健康的な食事を選びやすい「食環境」を整備することが重要だと強調した。

地域によって異なる栄養課題、東京は「やせ」に注意

続いて、ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社 Asia Pacific マーケティング本部長の猪股可奈子氏より、『栄養花火』の調査データについて説明が行われた。

調査では、過体重と低体重の傾向が都道府県によって大きく異なることも明らかになった。例えば、過体重は東北や九州の一部で比較的多く見られる一方、低体重は都市圏や中国地方で目立つ傾向が見られた。

また、食料品店へのアクセスのしやすさや、物価高による負担感などにも地域差が見られた。同じ地方に属する都道府県でも、それぞれが抱える栄養課題は異なるという。

東京都については、適正体重の割合が65.6%と全国的に高く、肥満側の課題は比較的少ない一方、やせ側には注意が必要という特徴が示された。さらに、過度な食事制限や孤食率の高さなど、食習慣に改善の余地があることも紹介された。

「子どもの頃の食環境」や「家庭に果物があること」とも関連

今回の調査では、栄養状態だけでなく、その背景にある食環境についても分析した。例えば、子どもの頃に家族と食事する頻度が多い地域では、バランスの取れた食事を実践している割合も高い傾向が見られた。また、五大栄養素の認知率が高い地域では、家族がバランスの取れた食事を実践している割合も高かったという。さらに、「家庭にいつも果物がある」と回答した人の割合が高い地域では、健康的な食事を判断する力や、バランスの取れた食事の実践率も高い結果となった。

毎日の生活でできる「365日の栄養防災」

発表会では、栄養不良への備えとして日常生活に取り入れる「365日の栄養防災」を紹介。
栄養不良は突然起こるものではなく、毎日の食事や生活の積み重ねによって少しずつ進行する。そこで、日頃から自分の食生活を振り返り、リスクを知ることに加え、忙しい日でも食べ方や食品の選び方を工夫することを推奨している。具体的には、主食・主菜・副菜を組み合わせやすい食品を普段から少し多めに備える方法を紹介した。例えば、主食にはパックご飯、主菜には納豆や魚の缶詰、副菜には冷凍野菜や海藻、さらに食事を整える食品として果物などをストック。普段から食べ慣れた食品を少し多めに購入し、使った分を買い足す「ローリングストック」の考え方を栄養管理にも取り入れる。いざという時のためだけではなく、日常的に栄養バランスを整えるための仕組みとして活用することを提案した。

『栄養花火』をきっかけに、地域の食環境を考える

発表会後半には、ゼスプリの猪俣氏に加え、データ監修を務めた日本栄養大学 教授・副学長の武見ゆかり氏、麻布大学 生命・環境科学部特任助教の五味達之祐氏によるトークセッションが行われ、日本の栄養課題や食環境を整えることの重要性について議論した。

武見氏は、近年の健康政策では、個人の行動変容だけでなく「自然に健康になれる環境づくり」が重視されていると説明。「分かっていてもできない」「健康的な食事を選びたくても経済的な理由で難しい」といった人に対しては、健康的な食品を入手しやすく、選びやすい環境を地域や社会全体で整える必要があるとした。

五味氏は、何を食べるかという選択は、本人の意思だけで決まるものではないと指摘。食品を作る人、買い物をする場所、自宅周辺の店舗など、本人が意識していない環境からも食行動は影響を受けていると説明した。

今回の『栄養花火』は、単に都道府県の栄養状態をランキング化することを目的としたものではない。五味氏は、地域ごとの数値の違いを見て終わるのではなく、「なぜこの地域ではこうした傾向があるのか」という背景を考えることが重要だと強調。地域の文化やこれまでの歩み、政策、食育など、数字だけでは見えない要因について、住民や自治体、企業などが一緒に考えることに期待を示した。武見氏も、花火という親しみやすい入り口から多くの人がデータに関心を持ち、そこから地域や家庭の食生活について話し合うことに意義があると述べた。

△会場には各都道府県の『栄養花火』のパネルも展示された

栄養を「見えない問題」のままにせず、花火という親しみのある形で可視化した「栄養花火」。自分の住む地域がどのような花火か見てみることで、日々の食生活や地域の食環境を見直す第一歩になりそうだ。

■「栄養花火-もうひとつのハザードマップ」
URL:https://www.zespri-jp.com/lp/nutrition-hazard-map/

※画像提供:ゼスプリ「栄養花火-もうひとつのハザードマップ」発表会

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