小林聖太郎監督が挑んだ、障がいのある兄と妹の物語 徹底したリサーチに大阪・堺でのシナリオハンティング…『平行と垂直』が生まれるまでの舞台裏に迫る
安田章大が“作品のメッセージを届けたい”と初めて企画から参加し、のんとW主演を務め、『かぞくのひけつ』(06)で鮮烈なデビューを飾って以来、着実にキャリアを積み重ねる小林聖太郎監督がメガホンをとった『平行と垂直』が、8 月28 日(金)に新宿バルト9 ほかにて全国公開となります。
本作は、⾃閉スペクトラム症の兄の大貴(安田章大)と、兄を幼い頃から⽀えてきた妹の希(のん)の兄妹が、希の結婚話をきっかけに、お互いのこれからとこれまでに向き合うことになる心あたたまるヒューマンドラマ。
安田章大が、劇団ふくふくやを主宰し女優としても活躍する山野海のオリジナル脚本に感銘を受けて、旧知の佐藤現プロデューサーに「これを映画化できないだろうか?」と持ち込んだことから企画が始動。そこに企画に共鳴した小林聖太郎監督も加わり、⾃閉スペクトラム症(ASD)の専門家の方々に監修を仰ぎながら約2年をかけて脚本を練り、企画の実現にこぎつけた。また安田はASDの役を演じるにあたり、幾度となく専門家のレクチャーを受け、ASD などの特性をもつ方々が通う教育機関を訪れて生徒の方々と交流を持つなどして理解を深め、真摯に役作りに向き合っています。
一方、カウンセラーとして働きながら兄を⽀える妹・希役を演じるのんも、本作の脚本に感銘を受けて、希役のオファーを快諾。実際に障がいのあるきょうだいを持つカウンセラーの方々から話を聞く機会を持つなど、こちらも誠実に役作りに取り組んでいます。
「障がいのある方を描く以上、センシティブに扱いたい」「ステレオタイプな表面だけを描いたものにはしたくない」小林聖太郎監督が『平行と垂直』で描く、兄妹の物語とは―
安田章大が企画から参加し、のんとW 主演を務める映画『平行と垂直』。⾃閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴(安田章大)と、妹・希(のん)の兄妹を主人公に、希の結婚をきっかけに少しずつ変化していく二人の関係と、“これから”を描く。大阪・堺を舞台に、家族だからこそ生まれる葛藤や、人と人が⽀え合うことの難しさと温かさを見つめたヒューマンドラマだ。
監督を務めるのは、『毎日かあさん』や『マエストロ!』など、家族や人と人とのつながりを温かな眼差しで描いてきた小林聖太郎。デビュー作『かぞくのひけつ』では第47 回日本映画監督協会新人賞、新藤兼人賞を受賞。その後も、日常の中にある可笑しさや愛おしさをすくい上げながら、登場人物それぞれの人生を丁寧に描いてきた。そんな監督に本作のオファーが寄せられたのは、ASD 当事者や家族が抱える葛藤に向き合いながら、その中にある人間の愛すべき部分をユーモラスに描けること、そして大阪の土地や空気感を熟知していることからだった。本作でも、兄妹それぞれの思いや葛藤、そして二人を取り巻く人々との関係性を丁寧に映し出している。
脚本を読んだ監督は、本作でASD のある人物を描くことについて真摯に向き合い、表面的な描写にとどまらず、当事者や家族が抱える葛藤や生きづらさまで描くことが必要だと考えたという。こうした思いをもとに、脚本の山野海氏と安田、プロデューサーらと脚本を何度もブラッシュアップしながら、作品をともに作り上げていった。さらに、ASD や障がいのあるきょうだいを持つ人々についての文献・映像資料を研究。洋邦を問わず障がいのある方を扱った作品を⾃らリスト化してスタッフと共有するなど、徹底したリサーチを重ねた。
舞台についても、当初「大阪のある町」とされていた場所を大阪・堺へ変更。堺フィルムオフィスの協力のもと、監督らスタッフが⾃転車で市内を巡るシナリオハンティングを行い、団地や商店街、阪堺電車、公園などを実際に訪れながら、大貴と希が暮らす町の風景を作り上げていった。
そして、結婚を控える妹・希役にはのんを起用。天性の大らかさや優しさ、その内に秘めた芯の強さを表現できる存在としてオファーした。実は監督は、のんがデビューした当時から「いつか一緒に仕事をしたい」と願っていたという。今回、その想いを直接伝えるべく、のんへ手紙を送り、そこに込められた熱い想いにのんも心を動かされた。こうして、二人の初タッグが実現した。徹底したリサーチとロケーションへのこだわり、そしてキャストとの対話を重ねながら、一つひとつを積み上げて完成した『平行と垂直』。小林聖太郎監督だからこそ描き出すことのできた、大貴と希、それぞれの人生と、二人を取り巻く人々の温かな日常に、ぜひ注目して。
(C)2026「平行と垂直」製作委員会
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