【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

2026年7月14日、山本彩が自身初となる日本武道館単独公演〈山本彩 LIVE at 武道館〉を開催した。この日はソロデビュー10周年イヤー真っ只中、そして33歳の誕生日当日。NMB48のメンバーとして人気を集めた時代を経て、シンガーソングライターとして歩み続けてきた10年間の集大成となる一夜だった。そこには、ソロアーティストとして歩み始めた山本彩が、仲間やスタッフ、そしてファンとの絆を積み重ね、「一人ではなかった」と確信するまでの物語が確かにそこにあった。

開演とともにライブは「Bring it on」でスタート。気合いとエネルギッシュなサウンドに、武道館は早くも熱気に包まれる。続く「木天蓼」では実験的なサウンドで現在の山本彩の音楽性を提示し、「TRUE BLUE」では伸びやかな歌声で真っ直ぐな想いを届ける。ソロ活動を通して磨き続けてきたボーカルとギター、そしてバンドとの一体感が、武道館という大舞台で力強く鳴り響いた。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

序盤のMCでは、会場を埋め尽くした観客から大歓声が巻き起こっており、山本は「みんな元気すぎる! 少し様子を見ようと思ったのに、聞く必要もないぐらい」と笑い、「私もちょっとペース配分をしようかなと思ったのに、もうペース狂いましたわ」と早くも会場の熱気に圧倒された様子を見せていた。

「KIRAKUモンスター」では遊び心あふれるステージングで笑顔を引き出し、新曲「ラズベリーサマー」では夏らしい爽快感を演出。「剎夏」が描き出す儚い情景へとつなげていく。さらにライブ中盤には「unreachable」「feel the night」「Nocturnal」と、夜をテーマにしたブロックを展開。ダンサー陣とともに「踊る山本彩」の魅力を全開に。なかでも「feel the night」でリムレスの眼鏡をかけて登場した際には、悲鳴にも似た喜びの歓声が響き渡っていた。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

その後、スクリーンにはNMB48時代からこれまでの歩みを振り返るVTRが映し出される。一歩ずつ積み重ねてきた軌跡を映像でたどったあと披露されたのは、「365日の紙飛行機」。山本のNMB48時代を代表するこの楽曲は、ソロとして歩み続けた10年を経た今だからこそ、未来へ向かう希望の歌として新たな意味を帯びて響いた。

ライブはその後、ソロアーティスト・山本彩の象徴ともいえる「イチリンソウ」を披露。「いつか枯れるとしても咲き続けたい」という意志を歌う楽曲は、武道館という夢の舞台でより強い説得力を持っていた。さらに「バタフライエフェクト」では華やかなパフォーマンスで会場を沸かせ、小さな一歩が大きな未来につながるというメッセージを印象づけた。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

ライブ中盤のMCでは、観客へ「楽しんでいただけていますか?」と呼びかけると、「私も年明けから本当にこの日が楽しみすぎて、もう声が飛び始めていますけど(笑)。今日は最後までそのつもりで、声が飛んでもいいやという気持ちで来たので、このまま走り抜けたいと思います」と笑顔を見せる。

またこの日はソロ活動10周年を記念したライブということもあり、「10年分ということで、久しぶりに踊ってみたりして、見事に今バテていますけど(笑)」とユーモアを交えながら振り返ると、33歳の誕生日を迎えたことにも触れた。「30歳を超えると、うれしいけどちょっと複雑なところもありますね(笑)。年齢非公表にするにはまだ早いかなと思っていますけど、そのうち非公表にするかもしれません」と会場の笑いを誘った。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

山本彩は、ギターを手にした瞬間のロックスター然とした佇まいや、ダンスチューンで放つ圧倒的なオーラなど、アーティストとして多彩な魅力を持っている。しかし、この武道館公演を観て改めて感じたのは、そのスター性とは対照的な「親しみやすさ」こそが、彼女の最大の魅力なのではないかということだ。

それは、「等身大であり続ける強さ」と言い換えられるかもしれない。MCでは、武道館公演への不安や葛藤を包み隠さず打ち明けながら、それさえもユーモアへと変え、会場を笑顔で包み込む。その飾らない姿は、スターでありながら決して遠い存在ではなく、一人の人間として観客と同じ目線に立とうとする彼女らしさを映し出していた。だからこそ、多くの人が山本彩というアーティストだけでなく、一人の人間としての山本彩に惹かれていくのだろう。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

ライブ後半はアコースティック編成で「夢の声」「ブルースター」をパフォーマンス。武道館の広い空間を包み込むような温かな歌声が響き渡っていた。そして山本は「もう1曲、大事な曲を歌いたいと思います」と切り出すと、「曲作りをしていると、最初は『誰かの少しでも力になればいいな』『誰かの助けになればいいな』と思いながら書くことが多いんです」と、ソングライティングに向き合う姿勢を説明した。一方で、歌い続けるなかで楽曲の意味が変化していったことにも触れ、「そうやって作った曲も、歌い続けて時間がたった時に、『誰かのためだけじゃなくて、あの時の自分が言ってほしかった言葉だったのかもしれない』『自分のための歌だったのかもしれない』と思うようになりました」と心境を明かす。

そして、「ここにいる皆さん一人ひとり、そして今の私にも歌いたいと思います」と語りかけ、「サードマン」をアカペラからスタート。静寂のなかで響く一声が観客を引き込み、そこへバンドサウンドが重なるドラマチックな展開で、シンガーとしての表現力を改めて証明。自身の歩みと重なるメッセージを、武道館に集まったファン一人ひとりへ、そして現在の自分自身へ向けて丁寧に届けていた。

彼女の楽曲は誰かを励ます応援歌でありながら、その言葉は、自分自身を支えるために生まれている。リスナーは「頑張れ」と背中を押されるのではなく、「一緒に頑張ろう」と隣を歩いてもらえる感覚になる。それこそが、多くの人が彼女の音楽に救われる理由なのだろう。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

クライマックスは一気に熱量を上げる。「JOKER」「喝采」「劣等感」と、自身の内面を映し出してきた楽曲を立て続けに披露。葛藤も弱さも包み隠さず歌にしてきたからこそ、多くの人の心を動かしてきた彼女の歩みが凝縮された時間となった。

そして「Let’s go crazy」「Are you ready?」では武道館全体が熱狂の渦に包まれる。山本はファンを「応援してくれる人」としてではなく、「一緒にライブを作る人」として見ている。ステージの上と客席を分けるのではなく、同じ景色を見てきた仲間として向き合っていることが伝わってきた。山本の呼びかけに、ファンは大歓声で応え、この日最大級の一体感が生まれた。

アンコールでは、33歳の誕生日を迎えた山本彩へ、会場全体からバースデーサプライズが贈られた。突然「Happy Birthday to You」の大合唱が始まると、山本は「聞いてないよ!」と驚きながらも満面の笑み。ステージにはスタッフとバンドメンバーからバースデーケーキと花束が運ばれ、33本のレインボーローズや、バンドメンバーからの寄せ書きもプレゼントされた。

思いがけない祝福を受けた山本は、「人間って、あまりにも幸せだと言葉にならないんですね」と感極まった表情を浮かべ、「今日7月14日は私にとっては誕生日ですけど、ほとんどの人にとっては何でもない一年の一日。その中で、いろんな選択肢があるのに、こんなにも同じ気持ち、同じ熱量でライブを作ってくれるみんなが来てくれたことが本当に幸せです」と、集まったファンへの感謝を何度も伝えた。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

続けて、約1年前に武道館公演が決定してから抱えてきた葛藤も打ち明ける。「ずっとアリーナでライブをやりたいと言い続けてきたけど、いざ手が届くところまで来たら、すごく怖くなりました。本当に自分にできるんだろうか、見に来てくれる人がいるんだろうかという不安と、楽しみな気持ちがずっと入り混じっていました」と率直な胸の内を明かした。

しかし、この日、武道館を埋め尽くした観客の歓声を前に、その不安は確信へと変わったという。「みんなの声や、この景色は、きっと走馬灯で見るだろうなって思うくらい。本当に忘れられない景色です」と語り、「二十代のうちにアリーナへ、という目標は少し過ぎてしまいましたけど、それを乗り越えて今日このステージに立てたことが本当にうれしいです」と笑顔を見せた。

さらに、ソロデビュー当時を振り返り、「10年前、シンガーソングライターとして歩き始めた時は、それまでいたグループを離れて、これからは全部一人でやっていくんだと思っていました。すごく心細くて孤独でした」と当時の心境を告白。一方で、「でも10年経って思います。一人じゃないわって」と言葉を続けると、「かけがえのないバンドメンバーがいて、一緒に未来を考えてくれる『チーム山本彩』のスタッフさんがいて、そしてこうしてライブに駆けつけて愛をたくさん届けてくれるみんながいる。今はまったく寂しくありません。みんながいることが何より心強いし、これからも一生、心の支えでいてほしいと思います。もちろん私も、みんなにとってそんな存在でありたいです」と、仲間とファンへの思いを語った。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

最後には、「周りと比べて、自分には何もない、小さい人間だなと思う日もあります。でも、ここまでやってきたからこそ今この景色があります。だから過去の自分も今の自分も否定せず、これからも私らしく、みんなと11年、20年と走っていきたいと思います。まだまだこれからもよろしくお願いします」と未来への決意を表明。そして、満面の笑顔を浮かべた山本は、感謝の気持ちを何度も伝えながら「共鳴」を披露。ステージと客席が文字どおり心を響き合わせる時間となった。

ラストを飾ったのは、ソロデビューアルバム『Rainbow』に収録された「レインボーローズ」。ソロ活動の原点ともいえる楽曲を、10年という歳月を経てファンのシンガロングとともに歌う姿に、大きな感動が生まれていた。デビュー当時に抱いた夢は現実となり、その先にはまだ見ぬ未来が広がっている。そんな希望を感じさせるエンディングだった。

自ら作詞作曲を重ね、ライブハウスから一歩ずつキャリアを積み重ねてきた山本彩。その努力の結晶が、日本武道館という舞台で大きく花開いた。10年間分の想いを糧に、彼女の物語はまたここから、始まるのだ。そんな決意が随所から伝わる、山本彩史上最高の一夜となった。

【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

取材&文 : ニシダケン
Photo by 半田安政

セットリスト

山本彩 LIVE at 武道館
@東京・日本武道館
2026年7月14日(火) 開場 17:30 / 開演 18:30

01.Bring it on
02.木天蓼
03.TRUE BLUE
04.KIRAKUモンスター
05.ラズベリーサマー
06.刹夏
07.Unreachable
08.Feel the night
09.Nocturnal
10.365日の紙飛行機
11.イチリンソウ
12.バタフライエフェクト
13.夢の声
14.ブルースター
15.サードマン
16.JOKER
17.喝采
18.劣等感
19.Let’s go crazy
20.Are you ready?
EN1.共鳴
EN2.レインボーローズ

https://yamamotosayaka.jp/feature/live_at_budokan

ツアー情報

SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR “NARRATIVE”

2027年1月14日(木)
埼玉・ヘブンズロックさいたま新都心
開場 18:30 / 開演 19:00

2027年1月16日(土)
宮城・darwin
開場 17:00 / 開演 17:30

2027年1月23日(土)
広島・VANQUISH
開場 18:15 / 開演 19:00

2027年1月28日(木)
大阪・BIGCAT
開場 18:15 / 開演 19:00

2027年2月5日(金)
愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
開場 18:15 / 開演 19:00

2027年2月6日(土)
福岡・DRUM Be-1
開場 17:00 / 開演 17:30

2027年2月10日(水)
東京・Zepp Diver City Tokyo
開場 18:00 / 開演 19:00

◆チケット(税込)
7,150円(税込)
※東京のみ:2階指定席 8,800円(税込)
※ドリンク代別

◆詳細
https://yamamotosayaka.jp/news/detail/2958

インフォメーション

・Official Web Site – http://yamamotosayaka.jp/
・X – https://twitter.com/SayakaNeon
・Instagram – https://www.instagram.com/sayaka__714/
・TikTok – https://www.tiktok.com/@sayakayamamoto0714
・YouTube – https://www.youtube.com/channel/UCLQlkHgD2ltaptlgs20eZ6Q
・公式ファンクラブ SYC – https://syc.yamamotosayaka.jp/
・公式ファンクラブ SYC MOBILE – https://fc.yamamotosayaka.jp/

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 【ライブレポ】山本彩、初の日本武道館、ソロ10周年、そして自らの誕生日に誓った「これから」の物語──〈山本彩 LIVE at 武道館〉

OTOTOY

ハイレゾ音楽配信/メディア・サイト。記事も読めるようになったアプリもよろしくどうぞ。

ウェブサイト: http://ototoy.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。