「冷房だけでは限界」が約6割。東京都の意識調査から見えた、酷暑を乗り切る「断熱リフォーム」の必要性。助成制度も解説

「冷房だけでは限界」が約6割。東京都の意識調査から見えた、酷暑を乗り切る「断熱リフォーム」の必要性。補助制度も

梅雨明けの地域が増えて、暑さが本格化する時期になった。今年はダブル高気圧の影響で、酷暑日が多いともいわれている。東京都の調査によると、自宅の室温を測定したことがある人の約35%が自宅で35℃以上を経験し、電気代の負担を感じているという。住まいの暑さ対策についてどう考えているか、詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「夏の住まいに関する意識調査」を実施/東京都

自宅の夏の困りごと、最多は冷房による「電気代が高くなる」

東京都の調査は、東京都内の持ち家(一戸建てまたはマンション)に住む20~70代の男女合計 1200人を対象に、2026年6月に実施したもの。

室温を実際に測定したことがある人(693人)に「自宅で計測した室内温度の最高値はおおよそ何℃だったか」を聞いたところ、34.9%が35℃以上の高温を経験したと回答した。また、全員に「夏場の電気代を負担に感じるか」聞いたところ、84.3%が「負担に感じる」(「非常に」43.4%+「やや」40.9%)と回答した。

次に「夏の自宅での暑さで困っていること」を複数回答で聞いた結果を見ていこう。「特に困っていることはない」という回答が34.9%だった一方で、「電気代が高くなる」(37.3%)、「日中、家にいても暑くて不快」(27.1%)、「夜寝付けない・何度も目が覚める(睡眠の質が下がる)」(26.7%)などが上位に挙がった。

暑さ対策には冷房を使うのが有効なのだが、日中使い続けると電気代が高くなり、暑くて寝付けず就寝中も冷房を使うとさらに電気代が高くなるという悪循環になっているようだ。日本は、化石燃料の輸入依存や円安が続き、電気代そのものが上昇しているため、家計への負担増は気になるところだろう。

夏の自宅の暑さで困っていること

出典:東京都「夏の住まいに関する意識調査(令和8年6月実施)」

冷房で冷やすだけでは限界!? 56.8%がそう感じている

さらに課題となるのは、夏、自宅で冷房を使用していても暑さストレスを感じることが「よくある・たまにある」と回答した人が56.6%に達すること。また、「冷房で冷やすだけでは限界があると感じることが“非常にそう感じる・ややそう感じる”」と回答した人も56.8%に達したことだ。

夏の自宅の暑さで困っていること

出典:東京都「夏の住まいに関する意識調査(令和8年6月実施)」

冷房で冷やすだけでは限界があると感じる

出典:東京都「夏の住まいに関する意識調査(令和8年6月実施)」

「冷房に限界を感じる」と回答した人に「限界を感じる理由」を聞くと、最多は68.0%の「冷房をつけると電気代が高くなりすぎる」となった。やはり、冷房を使うことと電気代は切っても切れない関係なのだ。加えて、「部屋が冷えるまでに時間がかかる」「就寝時つけ続けるのに抵抗がある」「冷房を強くすると体調が悪くなる」などの回答も多いことから、電気代・効きの遅さ・健康への懸念といった複合的な悩みが重なり、「冷房だけでは限界」という実感につながっているようだ。

限界があると感じる理由は?

出典:東京都「夏の住まいに関する意識調査(令和8年6月実施)」

冷やすだけでなく、家の中に熱を入れない断熱リフォームが必要

住宅の断熱性能が低いと、いくら冷房をつけても効率が悪くなり、電気を大量に使い続けることになる。そこで、断熱リフォームなどの「家そのものの暑さ対策が必要だと思うか」と聞いたところ、63.0%が「必要だと思う」(「非常に」18.1%+「やや」44.9%)と回答した。

家そのものの暑さ対策は必要か?

出典:東京都「夏の住まいに関する意識調査(令和8年6月実施)」

東京都によれば、「国や東京都・自治体の住宅の暑さ対策への助成制度」を知っている人ほど、断熱リフォームへの興味が高いという結果も出ているという。この結果を受けて、東京都では助成制度に関する情報発信を積極的に行っていくとしている。

助成制度を紹介する東京都の「エコサポート2026」

東京都では以前から、「東京ゼロエミ住宅」(省エネ性能の高い住宅の新築に助成)や「東京ゼロエミポイント」(エアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具を省エネ性能の高い新品の対象家電に買い替えた場合などにポイントを付与)などの事業を行ってきた。ほかにも、太陽光発電の設置や既存住宅における高断熱窓などの省エネ改修などを対象に、さまざまな助成制度がある。

東京都では、「エコサポート2026 環境関連の東京都補助金・支援策ガイド」を発行している。東京都に限定される助成制度となるが、住宅の省エネ化に利用できる多様な助成制度が紹介されている。

また、国や居住地域の各自治体でも、それぞれの助成制度を用意している。どういった助成制度があるのか、一度調べてみるのもよいだろう。

気象庁は2026年4月に、最高気温が40℃以上になる日を「酷暑日(こくしょび)」と呼ぶことに決めた。35℃以上の「猛暑日」を超える名称をつけるほど、夏の暑さは上昇している。エアコンなどの冷房を利用するだけでは、「限界を感じる」という人も多く、家そのものの断熱性能を向上させる必要あり、と思っている人も多い。

家の断熱性能を引き上げれば、冷暖房効率が上がり、結果として毎月の電気代を下げる効果もある。助成制度などを上手に活用して、住宅の省エネ化や断熱リフォームをぜひ検討してみよう。

●関連サイト
東京都「夏の住まいに関する意識調査を実施」
・東京都「夏の住まいに関する意識調査(令和8年6月実施)」結果
・環境関連の補助制度や支援策をまとめた冊子「エコサポート2026」(東京都)を作成

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