【ライブレポ】STU48石田千穂、9年間の「青春」に幕──STU48石田千穂卒業コンサート

「夢」をテーマに掲げたこの日のステージは、石田が長年携帯電話のメモに書き溜めていたという「やりたい曲リスト」を形にしたもの。2020年に自身初のソロコンサートを開催した思い出の会場で、アイドル人生最後の夢を実現した。ライブは本人たっての希望で、事前に配られた石田の写真を使ったお面をファンがつけてからスタート。会場中にお面をつけたファンが大集合するというシュールな光景が開演前に完成した。



Overtureが鳴り終わり、ライブの幕開けを飾ったのは、AKB48の「Seventeen」。しかし、イントロが流れ出してもステージに現れたのは、なぜか千穂ちゃんお面”をつけたカメラマンだけ。本人は一体どこにいるのか。会場がざわつくなか、なんと石田が客席からサプライズ登場。予想外の演出に、場内は大きな歓声と驚きに包まれた。実はこの演出と1曲目の選曲は、過去に同会場で開催された自身初のソロコンサートのオマージュ。当時を思わせる瑞々しいパフォーマンスで、アイドル・石田千穂の9年間にわたる物語が華やかに幕を開けた。
続く「君のことが好きだから(広島弁ver.)」からはSTU48メンバーもステージに合流。「12秒」「LOVE修行」では現役メンバーが集結し、「息をする心」では2023年に石田が単独センターを務めたSTU48の代表曲を披露。温かな歌声とパフォーマンスで、会場を一体感に包み込んだ。
なお、この日の衣装はファンの出資によって制作されたもの。石田は「もらえるとのことなので、これからも定期的に着ていこうと思います」と笑顔で語り、客席を和ませた。
最初のMCでは、石田を慕う“千穂チルドレン”たちが次々と登場し、感謝や思い出を語った。なかでも中村舞は、「深刻な問題が発生します」と切り出し、石田が長年務めてきた“楽屋のお弁当番長”の役割を自身が引き継ぐことを宣言。会場の笑いを誘った。



続くユニットコーナーでは、「わるきー」を石田流にアレンジした「わるちー」を披露。タンクトップ姿の屈強なセキュリティスタッフを従えながら、キュートな魅力を全開にし、観客を魅了する。
さらに「君だけにChu! Chu! Chu!」ではフレッシュなメンバーとともに息の合ったパフォーマンスを展開。その後、「渋谷でギャルになりたい」という夢を叶えるVTRを挟み、中村舞、原田清花とともに「残念少女」を披露した。ライブはダンスセクションへとなだれ込み、その勢いのまま「RIVER」をパフォーマンス。力強く情熱的なダンスで、会場の熱気を一気に高めてみせた。
ライブはここから、STU48の各期メンバーとの共演パートへと突入。4期研究生との「最強ツインテール」、2.5期生・3期生との「夢は逃げない」、2期生との「僕の太陽」、そしてドラフト3期生の中村舞、信濃宙花と歌った「僕のYELL」。それぞれの楽曲を通じて、石田が後輩たちと築いてきた絆が鮮やかに映し出されていく。


さらに、同期である1期生とともに披露した「雨とか涙とか」では、STU48創成期を支え合った仲間たちとのかけがえのない時間を共有。メンバー全員で歌い上げた「少女たちよ」では、ステージ上と客席が一体となり、青春の記憶を分かち合うような温かな空気に包まれた。
そして、波音と船の汽笛が響くなか披露された「出航」では、STU48の歴史を語る上で欠かせない存在である岡田奈々がサプライズ登場。現キャプテンの岡田あずみとの“W岡田”によるダブルセンターが実現し、会場のボルテージは一気に高まった。
ここからは卒業生たちも続々とステージへ姿を見せる。「笑顔のチャンス」には沖侑果と吉崎凜子が登場。続いて石田みなみ、岩田陽菜、田中皓子、土路生優里が加わり、初代Charming Tripのメンバーで「恋は仮病中」を披露した。懐かしい顔ぶれの再集結に、客席からは大きな歓声が上がる。
さらに「僕はこの海を眺めてる」では門脇実優菜と薮下楓も登場。そしてこのブロックの締めくくりを飾ったのは、薮下と2人で歌う「短日植物」。積み重ねてきた日々を確かめ合うような歌声が響き渡り、石田千穂、そしてSTU48の歩んできた歴史そのものを振り返るような時間となった。
後半戦では、石田のキャリアを象徴する楽曲たちが並ぶ。まず披露されたのは、2022年リリースのSTU48を代表する一曲「花は誰のもの?」。『THE FIRST TAKE』でのソロ歌唱も大きな話題を呼んだ、彼女を語る上で欠かせないナンバーだ。儚さと力強さを併せ持つメッセージを真っすぐに届け、観客の心を深く揺さぶった。
ライブはその後も、最新シングル表題曲「好きすぎて泣く」、AKB48の名曲「Green Flash」と続く。そして、2021年に自身初の単独センターを務めた「独り言で語るくらいなら」をソロで歌唱した。この楽曲は、日本武道館でセンター就任が発表され、石田が長年抱いてきた夢を実現した特別な一曲。デビュー時は最後列からのスタートだった彼女が、努力を積み重ねてセンターへと辿り着いた軌跡を象徴する楽曲でもある。まっすぐ前を見据えながら歌う姿は、まさに9年間の歩みそのものだった。
「桜の木になろう」を全員で歌い、会場に大きな感動を届けると、ここからは彼女の軌跡を辿るVTRが流れる。いつだって前を向き、夢に向かって進み続けてきた彼女のアイドル人生はいつも輝きで満ちていた。



ライブでは、「サステナブル」「好き好き好き」と続いた後、「ペダルと車輪と来た道と」「ずっとずっと」ではファンとともにこれまでの旅路を振り返るような空間を作り上げる。「夢力」では、ファンから巻き起こった「ガチ恋口上」の「言いたいことがあるんだよ!」の声に「なになに?」「ありがとう!」と返事をするなど、石田らしい一幕が見られた。本編ラストは「遠距離ポスター」。大歓声の中で幕を閉じた。
アンコールでは、STU48の原点であるデビュー曲「暗闇」を、当時の衣装を着て披露。これまでに出演したOGのほか、磯貝花音、藤原あずさと共に、STU48の歴史を象徴する光景が広がった。
卒業生のMCを終えると、石田からメンバー全員への広島弁を交えた直筆のメッセージを届けたVTRが流れる。それは、誰よりもメンバーのことを思い、グループへの愛も深い、石田だからこその時間だった。
続いて、白いドレスに身を包んだ、石田が再びステージへ。披露されたのは卒業ソロ曲「未来へ続く者よ」。活動の中で感じた葛藤や不安、それでも前を向いて歩み続けてきた石田自身の姿を重ね合わせたような楽曲だ。力強く歌い上げる姿に、胸が熱くなった。そして、メンバーがステージに揃うと、「10年桜」を笑顔で熱唱。温かで優しい空間がホールいっぱいに広がった。



アンコール後、卒業ドレス姿でステージに立った石田は、「今日こうしてとっても素敵な卒業コンサートができたのも、ここにいるメンバーのみんな、たくさんのスタッフさん、そして何より応援してくださっているファンの皆様のおかげです。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。
また、自身の卒業ドレスについても言及。「アイドルとしての夢の一つに、オサレカンパニーさんに卒業ドレスを作っていただくという大きな夢があった」と明かし、「私はアイドル人生悔いなしと心の底から言えます」と笑顔を見せた。
続けて石田は、幼い頃から憧れていたAKB48グループへの思いを振り返った。「AKB48さんが大好きでアイドルを目指しました。地元・瀬戸内に48グループができると聞いて、一期生として加入できたこと、そして一番最初からここまでSTU48の歴史を近くで見られたことをとても幸せに思います」と語る。



加入当初については、「最初は選抜にも入っていなくて、3列目の端で踊っていたような目立たないメンバーだった」と回想。それでも「そんな見つけにくい場所にいた私を見つけてくれて、ここまで応援してくださって本当にありがとうございます」と、長年支え続けてくれたファンへ深い感謝を示した。
9年半の活動のなかで成長を実感した一方、「自分を見失ってしまう時期もあった」と告白。しかし、「そんな時も変わらず応援してくださった皆さんがいたから、今このステージに立っていますし、『アイドルをやり切った』と心の底から言えるまで続けることができました」と語り、客席からは大きな拍手が送られた。
さらに、この日共演した現役メンバーや卒業生への思いにも触れ、「やっぱりSTU48が大好きだなと心の底から思いました。こんなに楽しく活動できたのも、悔しいと思いながらも一生懸命になれたのも、ここにいるメンバーのおかげです」とコメント。「仲の良いアイドルであり、友達であり、私の青春そのものです」と言葉を重ねた。



そしてスタッフ、家族、友人、親族への感謝を伝えた石田は、「たくさんの皆さんに支えられて、私はアイドルでいることができました。3348日間、本当にありがとうございました」と挨拶した。最後に「私はファンの方に出会って、『私は私のままでいいんだ』と心が軽くなる瞬間がたくさんありました。その思いを込めて皆さんに届けます」と語り、自身がSTU48で最も好きな楽曲だという「息をする心」を披露。この2023年に自身がセンターを務めた「息をする心」は、悩みや苦しみを抱える人々へ寄り添う応援ソングであり、石田自身が大切にしてきた楽曲でもある。その優しいメッセージは、卒業という別れの瞬間を未来への希望へと変えていった。
2017年の結成以来、全シングル選抜入りを果たし、センターを3度経験。STU48初のソロコンサートやソロ写真集など数々の足跡を残してきた石田千穂。グループの「顔」として、そして「屋台骨」として歩み続けた9年間のアイドル人生は、この日ひとつの区切りを迎えた。しかし、「未来へ続く者よ」が示したように、そのSTU48の物語は終わりではない。
石田千穂がSTU48に残した数え切れない思い出と希望は、後輩たちへ受け継がれ、これからも瀬戸内の海のように穏やかに、そして力強く未来へと続いていく。



取材&文 : ニシダケン
セットリスト
STU48石田千穂卒業コンサート
M1 Seventeen /AKB48(石田千穂)
M2 君のことが好きだから(広島弁ver.)(ALL)
M3 12秒/AKB48(ALL)
M4 LOVE修行/AKB48(ALL)
M5 息をする心
M6 わるちー/(わるきー・NMB48)
M7 君だけにChu!Chu!Chu!/AKB48
M8 残念少女/AKB48
M9 RIVER/AKB48
M10 最強ツインテール/AKB48・U-16選抜2018
M11 夢は逃げない/NMB48
M12 僕の太陽/AKB48
M13 僕のYELL/AKB48
M14 雨とか涙とか
M15 少女たちよ/AKB48
M16 出航
M17 笑顔のチャンス
M18 恋は仮病中
M19 僕はこの海を眺めてる
M20 短日植物
M21 花は誰のもの?
M22 好きすぎて泣く
M23 Green Flash/AKB48
M24 独り言で語るくらいなら
M25 桜の木になろう/AKB48
M26 サステナブル/AKB48
M27 好き 好き 好き /AKB48
M28 ペダルと車輪と来た道と
M29 大声ダイヤモンド/AKB48
M30 ずっと ずっと/AKB48
M31 夢力
M32 遠距離ポスター/AKB48
Encore
EN1 暗闇
EN2 未来へ続く者よ
EN3 10年桜/AKB48
EN4 息をする心
ライブ情報
◆石田千穂 卒業公演
STU48「花は誰のもの?」公演〜石田千穂 卒業公演〜
2026年6月7日(日)広島県・広島県民文化センター多目的ホール
ツアー情報
■STU48 Live Tour 2026開催決定
2026年 6月26日(金) 香川県・高松festhalle
2026年 6月27日(土) 香川県・高松festhalle
2026年 7月19日(日) 東京都・品川インターシティーホール
2026年 7月20日(月・祝) 新潟県・NIIGATA LOTS
2026年 8月 9日(日) 山口県・周南RISING HALL
2026年 8月 11日(火・祝) 大阪府・松下IMPホール
2026年 8月 31日(月) 北海道・cube garden
2026年 9月 1日(火) 宮城県・仙台Rensa
2026年 9月12日(土) 愛知県・NAGOYA ReNY limited
2026年 9月27日(日) 福岡県・UNITEDLAB
2026年10月17日(土) 広島県・BLUE LIVE HIROSHIMA
2026年10月18日(日) 広島県・BLUE LIVE HIROSHIMA
インフォメーション
■STU48公式SNS
STU48公式X:https://x.com/STU48_official_
STU48公式HP:https://sp.stu48.com
STU48公式YouTube:https://youtube.com/@stu4858
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