旧一電と新電力の違いって何?賢く電気を使うために必要な新電力の正しい知識とは
中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰は、私たちの生活に大きな影響を与えています。
その中で注目されているのが、電気料金の値上げへの懸念。
多くの方が利用する大手電力会社による「旧一電(旧一般電気事業者)」と、電力小売全面自由化から新たに参入した「新電力(小売電気事業者)」の違いや、新電力へ乗り換える際のポイントなどについて、Looopでんきを展開する株式会社Looopの担当者へお話を伺いました。
旧一電と新電力の違いとは
2016年4月に行われた「電力小売全面自由化」によって、多くの企業が電気市場へ参入。
これにより、“東京電力”のような各地域で決められた旧一電(大手電力会社)からしか購入できなかった電気を、携帯電話を選ぶように電力会社を選択できる時代になりました。
2026年で、電力小売全面自由化から10年を迎えましたが、現在の新電力のシェア率は約25%ほどと、未だ多くの方が旧一電を利用しています。
株式会社Looopの福田沙季さんに、旧一電と新電力の違いについて伺うと、
「自由化以前からある大手電力会社様は、(グループ会社の)発電所で電力を発電しています。一方、新電力は多くが発電設備を持たず、日本卸売電力取引所(JEPX)や発電事業者から電力を調達しています。電気料金プランも様々な形があって、旧一電は自由化以前からあった従量電灯という、月の使用量によって3段階ほど単価が変わる従量料金+燃料費調整額によって算出する形がベースとなっています。新電力は各社でさまざまなプランを提供しており、旧一電を踏襲してセット割引を追加するケースもあれば、当社では“市場連動型”という、30分ごとに電源料金単価が変わるようなプランとなっています。」
と、電気料金が算出される仕組みについて解説してくれました。
2011年2011年に東日本大震災の復興支援をきっかけに創業し太陽光発電所の開発をスタート、2016年からは電力小売自由化に参入したLooopは、2026年4月で契約件数が40万件を達成。
Looopが行ったアンケート調査によると、実際に旧一電から新電力に変更した方のおよそ6割が、旧一電と比べて安くなったと実感していると回答しています。
Looopでんきが提供する「市場連動型」の料金プラン
上述した通り、Looopでんきでは市場連動型の料金プランを提供しています。
これは世の中全体の電気の需給バランスによって価格が変動する電気の「市場価格」と連動して電源料金が決まる仕組み。
具体的には、供給量に対して需要が増えるほど料金が上がり、逆に供給が余っている時間帯は安くなります。
特に、太陽光発電がなくなる一方で家庭の利用が急増する「夕方~夜」は、価格が上がりやすい傾向にありますが、曇りから晴れた日の昼間などは、安く利用できるチャンスが多いのも特徴。
さらに、日々の電力をゲーム感覚で可視化し「ピークシフト」をサポートする公式アプリも提供。
「アプリ内の『現在のでんき予報』という項目に、電気料金の単価をグラフで表示しています。早朝なども安かったりするほか、私は結構深夜に料金が安くなっているので、その時間帯に乾燥機をかけたりしてます。」
と、活用方法についても教えてくれました。
本アプリでは変動する電源料金(市場価格)の実績をもとに、電気代の目安を確認できる仕組みとなっており、需要が高い時間帯の電気使用を避けるなど、利用者の行動次第で電気料金を抑えられる点は魅力的。
これまでは電気料金の請求がきて初めて「高い」と気づく存在だったものが、使用量・料金を随時知ることができ、コントロールできるものとして変化しています。
このように、活用方法によっては電気料金を安くすることも可能な新電力への乗り換えですが、旧一電と新電力の違いを正確に理解している方は、Looopの調査では約3割とのこと。
福田さんは「仕組みへの理解不足が、実態とのギャップを生み出している」と語りました。
各社で多様な料金プランが提示されている中で、電気料金を抑えるためのポイントについて伺うと、
「例えば世帯人数が多いご家族は、使用量が多いほど単価にメリットが出るプランを選ばれたり、別のサービスとのセット割でお得になるケースがあります。また特定の時間帯が安くなるプランもありますので、各社が出しているシミュレーションを試してみて、比較してみることがお得に近づく第一歩だと思います。」
と、自身の生活スタイルを把握し、各社のシミュレーションを活用して最もお得な新電力を試してみることが大切だと語りました。
なぜ中東情勢が悪化すると電気料金が高騰するのか?
ここで、昨今の中東情勢の悪化による電気料金高騰の懸念が出るのかについて尋ねると、
「日本は火力発電が約7割を締めており、全体の約3割がLNG(液化天然ガス)、約1割が原油です。LNGは調達の多角化が進む一方で、原油は95%が、今回のイラン攻撃によって封鎖されたホルムズ海峡を通過して輸入されているんです。火力発電を動かす燃料費が高騰し、電気料金もまた上がってしまう仕組なんです。」
と解説してくれました。
現在は調達の多角化を図っているLNGですが、アジア各国による代替調達の影響で、アジアのLNGのスポット価格が上昇する可能性もあります。
もし上昇した場合、JEPXのスポット市場価格が影響を受けることになるのだとか。
また、日本のLNG⻑期契約価格は「原油」と連動して上昇する契約となっていることからも、電気料金プランへの何らかの影響は避けられないものとなっているそうです。
この燃料費に加えて、発電に伴う使用燃料の価格変動を調整する『燃料費調整制度』というものがあり、その額が情勢に応じて段階的に上がっていく仕組み。
しかし、すぐに価格には反映されないそうで、
「電気料金は過去3ヶ月間の(実績燃料価格の)平均値で、数ヶ月(3〜5ヶ月)後の請求価格が算出される、というような形になっています。ということは、現在の使用時点では、3ヶ月後にいくら請求されるかが利用者は全く分からずに、燃料価格が上がった月の分が3ヶ月後の請求に反映される仕組みになっています。」
と、料金への反映にタイムラグが生まれる仕組みについても教えてくれました。
電気の有効活用と正しい知識を発信するLooopの取り組み
Looopは2026年3月に、渋谷にて電気に関する実態調査などから、電気代の無駄を可視化する、電気料金の請求書に似せたOOH広告を掲出しました。
本広告には電気の知識に関するコラムも用意されており、
「電気に関する誤解をひも解き、よくわからないという不安を低減する、というところが一つ狙いにありました。電気の見直しに至らない理由として“よくわからない”、“仕組みがわからない”、“困っていない”といった状況があると思いますので、正しい電気の知識をお届けしたいと思ったんです。」
と、広告掲出に至った背景を説明。
本コラムはLooop公式noteにて一部公開を行なっていますが、今後何かの形で発信していきたいと今後の展望を教えてくれました。
新年度が始まった中で気をつけるべきポイントについて、
「自身に合った電力会社を見極めるためには、まず現状を確認いただくことが最初に行っていただきたいことだと思ってます。いくら電気を使っているかや、どれだけの電気料金になっているかなどを確認した上で、住んでるエリアや電力の使用状況によって、最適な電気料金のプランは異なるので、各社のプランを確認し、それを行った上で比較検討いただくことが、電力会社を見極めるためのポイントかなというふうに思います。」
とアドバイスをしてくれた福田さんは、普段から電気を意識することは少ない中、少しでも電気を身近に感じて、自身の暮らしに合った電力会社を選んでほしいと訴えかけました。
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