真飛聖インタビュー 新国立劇場『ガールズ&ボーイズ』で一人芝居に初挑戦「幸せな時間になるんじゃないかなと感じています」

新国立劇場 小劇場にて、真飛聖さん主演の『ガールズ&ボーイズ』が上演されます。本作はミュージカル『マチルダ』の脚本でも知られるデニス・ケリーによる話題作で、2018年にロンドン・ロイヤルコートシアターでキャリー・マリガン主演にて初演され、鮮烈な評価を得た後、ブロードウェイへも進出した一人芝居です。

愛と結婚、仕事、そして喪失を経て揺らいでいく一人の女性の人生を通じ、現代社会が抱える影を鋭く描き出す物語で、この一人芝居に真飛聖さんが初挑戦! 宝塚歌劇団花組トップスターとして観客を魅了し、退団後もドラマ・映画・舞台で幅広く活躍してきた真飛さんが、“一人芝居”というもっともストイックで濃密な表現領域に踏み出します。ご本人に意気込みなどをうかがいました。

●今回のオファーがあった際、<しばらくフリーズした事を今でもはっきり覚えています>とコメントされていましたが、喜び以上に驚きもあったそうですね。

そうなんです。これまで一人舞台に立たれた先輩方が身近にいらっしゃいましたが、自分の役者人生の中に起こることではないと思っていたんです。正直、縁がない、巡り合うことはないだろうと勝手に思っていました。そもそも舞台も数年に一回くらいしかやっていなかったので、オファーをいただいて「え? なんで?」っていう驚きがまずありました。プレッシャーなどは後から来た感じです(笑)。

●思いもよらない展開がありそうなストーリーの印象はいかがでしたか?

台本をいただいて読ませていただいた時に、頭からもう客観的にはなれなくて、わたしがその中で読んでいるというか。上手く説明できないんですけど、やるやらないではなく、わたしがそこにいるみたいな感じでした。その感覚は初めてでした。

だから、その台本の中に自分がいるような感覚がちょっと面白くて。最後まで読んでいても面白いという言葉だけでは片付けられない内容なんですけど、やらない理由がまず見つからなかったことと、わたしがやるって思ったんですね。

だから直感的な問題というかビビッときたというか、その感覚は大切にしたいなと思ったので、オファーしてくださったことを信じてやっていくことで、幸せな時間になるんじゃないかなと今は感じてます。

●また、本作は文学座の増岡裕子さんとのダブルキャストになりますね。

どちらが良いではなくて、それぞれの色があると思うので、とても強い味方だと思います。増岡さんと一緒に舞台に立つことはないけれど、一人でずっとやっていくよりは、同じ空間でその女性として生きる時間が一緒だから、とても心強いなと思っています。

●昨年芸能活動30周年を迎え、仕事への想いを新たにすることもあるかと思いますが、節目についてはいかがですか?

そうなんです。30周年ということで宝塚を辞めて以降、初めてライブに挑戦しました。わたしはもうマイクを置いた人間だったのですが、もう一回全曲宝塚でお客様にお届けしたら、自分の中でやっぱりあの時間って財産だったなと思ったんです。お客様もみなさん涙を流したり笑ったり、その笑顔に出会えた時間って本当に宝物だなと思いました。

わたしはあまり自分を肯定できないところがあったのですが、あの時間を経て、改めて真飛聖として頑張ってきた時間は間違っていなかったなって思えたんです。みなさんが喜んでもらえる時間があって再確認できたというか、自分の中で自信じゃないけれど、良かったなって思ったんです。歌うことは自分の中の原点であるし、舞台に立つということも原点なんです。真飛聖は宝塚という舞台から生まれた人物なので、30年終わって31年目は、やっぱり原点に戻る、原点回帰だなっていうのは自分の中であります。

まだまだできないんですよ、舞台。怖い(笑)。怖いですし、苦手意識もあるし、今回のような一人舞台なんてやったことがないから、分からないこともたぶんいっぱいあると思うんです。でも、もう一回自分で腹をくくって、31年目は原点に帰るって決めたのでやります。

●素敵な心掛けですね!

だから自分の中でもう一回演劇というものをしっかり学びなさいと神様から言われているんだなと思っているので、もうプライドも捨てて、分からないって演出の稲葉さんに泣きついて教えていただこうと。一生懸命食いついていこうと思っています!

●応援してくださるファンの方に向けて一言お願いいたします。

今回の『ガールズ&ボーイズ』は、お客様に一緒になって考え、想像していただくことで何倍にも奥行の広がる作品だと思います。それがさらに真飛バージョン、増岡さんバージョンで視点が変わってくると思うので、その違いも感じながら何度でも観ていただけたらうれしいです。

観るたびにいろいろな味が出てきて、いろいろな光景が浮かんでくると思います。演じる自分自身も、もしかしたら同じ役でも別の人物のように感じられる瞬間があるかもしれないですよね。面白がって演じたいですし、お客様も前のめりで一緒にこの舞台を作ってもらえたらうれしいなって思っています。

(執筆者: ときたたかし)

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