2017 年、実際に起こった主婦たちによる金密輸事件に着想 新鋭・天野千尋監督が描く “社会的弱者のリベンジ”と“シスターフッドの物語”

実話に着想を得た【金密輸事件】の物語-シンガポールでの大掛かりなロケを敢行、大スケールで描く!天野千尋監督作品『マジカル・シー
クレット・ツアー』が6月19日(金)より全国公開となります。

本作は2017年に中部国際空港で主婦たちが【金の密輸】で逮捕されたという実際の事件に着想を得たオリジナル作品。夫の横領と借金を突然知った二児の母、借金を抱えた研究者、そして貯金ゼロの未婚の妊婦―。犯罪とは無縁そうに見える3人が偶然出会い、【金の密輸】を通して仲間としての絆を深めていく。お金と自由を手にした3人の、人生をやり直すリベンジゲームが始まるー!

周りに流されて生きてきた女性たちが、犯罪に手を染めてでも自分の手で人生を取り戻していく姿が眩しく光る― 一筋縄ではいかない今を生きる私たちに、新しい選択肢を見出してくれる、力強いエンタテイメント作品が誕生。メガホンをとったのは、今最も期待がかかる監督・天野千尋。『ミセス・ノイズィ』で日本映画批評家大賞脚本賞を受賞し注目を浴び、「ヒヤマケンタロウの妊娠」、『佐藤さんと佐藤さん』などの話題作を世に送りだしてきた。そんな彼女が今回シンガポールで大掛かりなロケを敢行。【金の密輸】をめぐる、魔法のように煌びやかな旅路を、本場の空気そのままに、スクリーンに投影します。

実話にインスパイアされたオリジナルストーリー

本作は2017 年に愛知県・中部国際空港で主婦ら5 人が金の密輸で摘発された事件にインスパイアされた天野千尋監督によるオリジナルストーリー。実際の事件では、韓国から約1億3000万円相当、約30キロにも及ぶ金塊が日本へ持ち込まれ、運び屋を担ったのは40~70 代の主婦やパートタイム労働者たちだった。彼女たちはタンクトップの内側に縫い付けたポケットなどに金塊を隠し、金1キロ当たり約1万円の運搬報酬を受け取ったとされており、“韓国に行くついでに小遣いを稼ぐ”アルバイト感覚での犯行だったという。

一見、金密輸とは無縁に思える人物たちによって起こされたこの大胆な事件は、本作のメガホンをとった天野監督の心に強く刺さった。「主婦が金塊を密輸、しかも下着に隠して、とはどういうことなんだろう、と関心を持ちました。事件そのものよりもどんな暮らしをしていた人たちなのか、どのように計画したのか、というその背景の部分に興味が湧いて、想像が膨らんでいきました。」と、監督は語る。

本作は、実際の事件を元に“社会的弱者のリベンジ”というテーマを重ね、現代社会で問題を抱える3人の女性を軸に物語が描かれる。有村架純が演じるのは、夫の横領と借金を知らされ、突如窮地に立たされる二児の母・和歌子、黒木華が演じるのは借金600万をかかえる非正規雇用の研究員・清恵、南沙良演じるのは毒親育ちで貯金ゼロの未婚の妊婦・真由。彼女たちはなぜ【金密輸】という犯罪に手を染めるに至ったのか―。社会や周囲に翻弄され生きてきた3 人の女性のリアルな生き様を描くことで、現代社会の影に焦点を当てる。

本作に込められたメッセージとは?

天野監督が重視したのがシスターフッドとしての物語。「生きづらさを抱えた主婦たちが連帯して密輸を行い、仲間を得て、今までになかった楽しさを感じていく物語にしたい」と監督は語る。それは『マジカル・シークレット・ツアー』というタイトルにも反映されており、「たとえ犯罪であり、最後は儚く散ってしまったとしても、彼女たちにとっては人生のその一瞬だけが魔法みたいな時間だった」という意味合いが込められている。

2026年現在も日本への金の密輸は後を絶たない。れっきとした犯罪であり決して許される行為ではないが、本作は、事件を題材に、3 人の女性の背景にある孤独や閉塞感だけでなく、彼女たちが得た“絆”や“成長”にも目を向ける。その姿に思わず共感してしまう人もいるのではないだろうか。

マジカル・シークレット・ツアー
Ⓒ2026「マジカル・シークレット・ツアー」製作委員会
6 月19 日(金)全国公開
■配給:アスミック・エース

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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