マルチネットタレント・ズズが初の単独お笑いライブで見せた「ギャガー」の本気 / 全席完売のライブレポート
ゲーム配信の画面越しに「ギャガー」として親しまれてきたズズが、2月8日、日本橋三井ホールの舞台に立った。eスポーツチーム「REJECT」に所属する人気ストリーマーが挑んだのは、初の単独お笑いネタライブ「RANDOM」。約700席の会場は昼の部・夜の部ともに完売し、配信者の枠を飛び出した本格的なお笑いライブは、大盛況のうちに幕を閉じた。
冒頭からノンストップでネタを披露
ズズは普段、ゲーム配信を中心に活動するストリーマーだ。お笑い芸人ではなく、独自のギャグを繰り出すスタイルでファンを楽しませてきた。それが今回、初めての単独ライブという形で舞台に立つ。
ライブは「RANDOM」というタイトル通り、さまざまな形式のネタが次々と披露された。筆者が訪れた昼の部では、一発ギャグのコーナーからスタート。100枚の画用紙に書かれたギャグを立て続けに披露し、観客の反応で1軍、2軍、3軍に仕分けていくスタイルだ
例えば「侍」や「元気老人」といったカロリーの高いネタは、ズズ自身が思ったほどウケていないと感じた様子で、首をひねりながら2軍の箱へ。客席からは「厳しい~」という声も飛び交った。一方、定番の「自己紹介ギャグ・雨」や「寒色系の色を叫ぶマイケルジャクソン」などのネタは、笑いを超えて拍手が起きる場面もあり、会場のボルテージは徐々に高まっていった。
その後、オープニング映像がスタート。映像のスポットライトの動きに合わせてズズがステージを走る演出には、自然と歓声が上がった。この冒頭部分は、「1部チラ見せ」としてYouTubeで無料配信されている。
豊富なバリエーションで魅せる多彩なネタ
オープニングの後も、ネタのバリエーションは豊富だった。フリップネタ、映像ネタ、コントネタ、そして自ら撮影した映像に自分でツッコミを入れるセルフツッコミ形式など、多様な内容が展開。ネタの合間には、ズズの「ニコニコ生放送」時代のエピソードトークが入る場面も。そして最後には、漫談も披露された。
特に印象的だったのは、「ケータイショップに機種変更しにきた老人」のコント。ズズが演じる老人は「ネットに強いジジイ」として、若手のショップ店員を脅迫めいた態度で翻弄するサイコパス的なキャラクターだった。この演技に、観客席からは「ひゃーっ!」という悲鳴のような声が上がるほど。笑いと恐怖のバランスが絶妙で、会場を沸かせた。
ラストの漫談は、バレンタインシーズンが近いということもあり、「男性から女性へのさまざまな告白の仕方」というテーマで始まった。途中から一人で何役も演じる大がかりなコントへと発展し、最後は伏線を綺麗に回収する形で笑いを取り、大きな拍手に包まれた。
昼夜で異なる内容、引き出しの多さに驚き
ライブの終盤、ズズは「残念なお知らせ」として、夜の部もチケットが完売したことを伝えた。筆者は昼の部のみを観覧したが、後日、両部を観た来場者のSNS投稿を確認したところ、夜の部は昼の部とは異なる内容が披露されたようだ。同じライブでありながら部ごとに変化を加える引き出しの多さに、改めて感心した。
取材として、ライブ終了後のバックステージの様子もお伝えしよう。長い舞台を一人で演じきった直後だったが、ズズは関係者一人ひとりに丁寧に挨拶をし、まさにネットで伝えられる通りの「いい人」という印象。
その際、筆者が冒頭の一発ギャグで2軍以下になったネタについて尋ねたところ、ズズは「もうやらないです!」と即答。しかしスタッフからは「ラジオなどではやらせますから」というホッとする返答が得られた。
自ら「ギャガー」と称して一発ギャグを披露するイメージが強いズズだが、今回のライブはまさに「お笑いネタ単独ライブ」のタイトルに相応しい、丁寧に作り込まれた内容だった。ネタの構成には確かな設計が感じられ、単なる笑いの連続ではなく、一つの舞台作品として観客を引き込む力があった。ストリーマーという枠を超え、舞台表現者としての新たな一面を見せたズズ。この単独ライブが一度きりで終わらないことを願わずにはいられない。
(取材・文:平原学、撮影:周二郎)
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