映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ&ポール・W・S・アンダーソン監督インタビュー「ダークなおとぎ話をどう映像化するのか」

累計興行収入200 億円超の大ヒットを記録した『バイオハザード』シリーズ、そして、全世界を熱狂させた日本発のゲームをハリウッド実写映画化した『モンスターハンター』。アクション映画史において、革命を起こし、表現の限界に挑戦し続けてきた俳優ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督。彼らが再びタッグを組み挑んだ最新作『ロストランズ 闇を狩る者』が公開中です。

世界的大ヒット作の主演&監督が再びコンビを組んだ本作は、ファンタジー界の巨匠ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化した壮大なダークファンタジー。文明崩壊後の世界を舞台に、魔女アリスが、案内人ボイスと共に、魔物が支配する絶望の地“ロストランズ”へ力を求める旅に出る――。

ボイス役は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのデイヴ・バウティスタが務め、鍛え抜かれた肉体で惜しみないアクションを披露。 これまでに観たことがない映像体験を目指し、撮影には最先端のデジタル技術を導入。それにより構築された狂気の世界、圧倒的スケールで描かれる映像が、観る者を絶望の“ロストランズ”へと引きずり込む――。ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン監督のお2人にオンラインインタビューを敢行!作品へのこだわりについてお話をお伺いしました。

——監督が原作に出会ったきっかけと一番惹かれた部分を教えてください。

ポール:出会ったきっかけはミラが読んでいたからなのですが、ミラはとても読書家でジョージ・R・R・マーティンの作品も全て読んでいて、この短編も好きだったので「映画化すべきだ」と教えてくれました。僕も読んでその意見に賛同したんだ。最初は対立している2人が、共に旅をすることによってお互いをリスペクトして、お互いを受け入れて、最後は愛情も生まれてくるというキャラクターの感性性に一番惹かれました。僕は幼い頃からマカロニ・ウエスタンが好きなのですが、孤独だけれどプロとして活躍しているという姿に通じるものを感じました。

ミラ:ジョージ・R・R・マーティンの作品は世界観が本当に大好きなのですが、まず、アリスとボイスというキャラクター2人に惹かれて、その2人によりダークなおとぎ話でラブストーリーも描いているっていう所に夢中になりました。これを映像化したら、これまで私たちが手がけてきた物語との一味違う作品が作れるだろうなと感じました。

——脚本に3年の時間をかけられたそうですが、どの部分に一番苦労されたのでしょうか。

ポール:アリスとボイスが歩む旅というのは短編の中ではすごく短く描かれているんですね。そこを拡大させて長編に見合う内容にすることがまず大変でした。ジョージ・R・R・マーティンの声を忠実に動くということに苦労をしましたし、脚本を書いて、ジョージに送って、彼の考えを取り入れてっていうのを何度も繰り返していたんですね。また、コンスタンティン・ワーナーと共同で脚本を書いていたのですが、一緒に書いてミラにも見せて、さらに書き直してと、仕上げていきました。
ジョージのOKをもらえたことに誇りを思っていますし、「自分の作品の映像化で1番ベストな脚本だ」と言ってくれたので、嬉しかったですね。マジカルなそのおとぎ話の世界を0から作り上げなければいけなかったので、映像作家としてはチャレンジングなのですが、達成出来た時の喜びもひとしおです。

ミラ:ポールと、コンスタンティンと私のコラボレーションで脚本が完成したわけですが、中でも1番気に入っているのは静寂のシーンです。ボイスとアリスがその関係性を深めていくような静かなシーンっていうものが個人的には気に入っています。短編の中では、2人がワゴンに乗って森を抜けて旅をしていくというだけの話なので、そこにモンスターなどの障害をどう入れ込んでいくかということに工夫をしました。魔物が支配する「ロストランズ」という場所自体もキャラクターの一人として描きたいなと思いました。

——アリスというキャラクターの造詣についてや、ミラさんが演じることで工夫したことを教えてください。

ポール:アリス1番の魅力はやっぱりその強さだと思いますし、謎めいている所に1番惹かれた点で、おそらくこの作品を見ている観客もそこに魅力を感じると思います。通常映画の登場人物というのは、動機とか過去とか家族構成とか、そういうものが全て分かりやすく提示されていることが多いと思うんですけど、アリスに関しては本当謎が多くて、何年生きているかっていうところもわからないんですね。その謎めいた部分を保ちながら、ストーリーが進んでいくにつれて、少しずつ彼女の過去が見えてくるっていうところを意識しました。

ミラが脚本の段階から加わっていって、彼女しかこの役は演じられないと感じていたのですが、その理由は「強さ」です。アリスにもある強さがミラにはありますし、そのミステリアスな魅力がミラにも備わっているので、そのバランスがマッチしているなと思いました。ミラは過去に
人間を超越している人物を演じてきたことが多いので、その点もピッタリだなと思いました。

——不死身というのは切なさ、辛さもある設定だと思います。ミラさんはそういった感情をどの様に表現しようと思いましたか。

ミラ:私は、このストーリーの神話的な部分にすごく惹かれました。神々の話とか、精神、精霊、そういうものがいつ誕生して、いつ消えていくのか、誰も知らないわけですが、自分自身にもそういうことを常に幼い頃から考えていました。アリスも同じように神話的なキャラクターで、その誕生も誰も本人も知らないですし、ストーリーにも描かれていないので、観客にどれだけその部分を伝えるべきかと悩みました。
不死身というのは彼女にの一種の呪いでもあるんですね。私もそれを読んでメランコリックな気持ちにもなりましたし、悲しい気持ちにもなりました。でも彼女自身は周りに同じような存在がいないから、気持ちを共有することが出来ない。そこにボイスが現れて、対等に話せる存在として感情を分かり合えるようになるんですけれども。彼女の不死身というキャラクター造詣はお芝居に一番大きな要素を与えてくれましたし、そのミステリアスさを失わないように気をつけていました。

——今日は素敵なお話をありがとうございました!

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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