看板がないインドカレー屋に行ってみた
インドには店名がないインドカレー屋がたくさんあります。店名はあるけど、看板を掲げず、アピールしていない店も多くあります。それでも営業を続けることができるのは、地域住民に親しまれ、近所の人たちが通っているからです。
ポートブレアの街には、無名のインドカレー屋や、店名はあるけど看板がない店がたくさんがあります。
チャイをオーダーするとチャイ場から持ってきてくれます
筆者が特に推したいお店が「Manjeeri Tea Stall」(Unnamed Rd, 744104, Aberdeen Bazar, Aberdeen, Sri Vijaya Puram, Andaman and Nicobar Islands)です。看板はありません。なのでManjeeri Tea Stallという看板を探してお店を見つけることはできません。
店内に入ると、せまい長方形のフロアにテーブルが設置されています。かなり狭いし、テーブルも少ないので、基本的に相席になります。入口にはチャイ職人がいて、チャイをオーダーするとチャイ場から持ってきてくれます。フードは奥の厨房で作られています。
ズラリとドリンクとパンの名称が並んでいます
メニューが壁に貼られているのですが、ようやくここで店名が登場します。Manjeeri Tea Stallという店名の下に、ズラリとドリンクとパンの名称が並んでいます。複数あるインドパンからひとつを選び、それを主食としてカレーセットを食べるお店です。
なんとなくカレーは出てきます
筆者は、プーリというオイリーな揚げパンにカレー煮卵を追加してオーダーしました。飲み物はチャイ。オーダー時、何をどう注文すればいいかわからなくても、なんとなく伝えれば、なんとなく店員さんが察してくれるので、なんとなくカレーは出てきます。なんとなく。
ビジュだけでワクワクさせる魅力
待つこと数分、テーブルにやってきたカレーセット。皿にはプーリのほか、豆カレーとミルクカレー、そしてカレー煮卵が盛られています。とてもシンプルなカレーセットですが、ビジュだけでワクワクさせる魅力があります。
たっぷりとカレーをまとった煮卵のツヤツヤ感
きっと揚げたてなのでしょう。触らずとも熱を感じさせるプーリと、そこから放たれる油の薫り。たっぷりとカレーをまとった煮卵のツヤツヤ感。このプーリにカレーを染み込ませて食べれば、きっとそこには、約束された「良さ」があるはず。
プーリの良さが際立っている
とにかく、プーリが良いです。かなり良いです。けっこう油を吸っていて、かなりオイリーですが、だからこそ、プーリの良さが際立っているように思います。まずはそのまま食べてみたのですが、あふれる油が、粉の旨味をたっぷりと含んでいて、旨味大増幅。たまりません。
食材の旨味とスパイスで味覚を楽しませるタイプ
プーリをカレーに浸して食べても良すぎます。カレーは塩分がかなり控えめで、食材の旨味とスパイスで味覚を楽しませるタイプ。プーリの油と生地が、カレーを纏うと、不思議なことに、素朴さが味覚を包みます。複雑ではないのです。シンプルに素朴なテイスト。和食にも通ずるものがあります。
香ばしく、そしてソフトな口あたりで、限りなく優しい旨味。素朴さMAX。油とカレーの相性が良すぎます。
カレー煮卵をパンで包んで食べてもおいしい
筆者のオススメの食べ方は、カレー煮卵をプーリにのせて、たっぷりとカレーをかけて、そのままカレー煮卵をプーリで包んで食べる方法。これがもう至高。これぞインド式玉子サンドイッチ。スパイシーな煮卵は、まるごとパンで包んで食べてもおいしいのです。
積み重ねとセンスのその先にある成熟した素朴さ
素朴って表現すると、「食材の味そのまんまなのでは」「味が薄いってことなのでは」ととらえられてしまうことがあるのですが、違う、そうじゃない。そう簡単には到達できない、積み重ねとセンスのその先にある、成熟した素朴さなのです。それがこのお店にはあります。
お店のチャイ職人にプライドを感じる
チャイもあなどれないおいしさです。チャイはシンプルな飲み物だからこそ、ずば抜けておいしいチャイを淹れることは難しいと聞いたことがあります。
それゆえ、プライドを持っておいしさを追求したチャイ職人のチャイは、ずば抜けて美味しい。筆者は、このお店のチャイ職人にプライドを感じました。
良いお店は「看板がないけど古そうなお店」を探すと良い
おいしいインドカレーの大衆食堂を探しているならば「看板がないけど古そうなお店」を探すと良いです。
看板がなくても営業を続けられているということは、地域住民に愛されていることを意味します。古いということは、長く営業されていることを意味します。しかも、そういう食堂は安い。
ごちそうさまでした!
(執筆者: クドウ秘境メシ)
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