入社翌日に退職も? 台湾発アクションゲーム『速攻退職』に見るリアルな退職事情

退職代行サービスがなにかと話題の日本ですが、台湾でも若者の退職が社会的な話題になることが多いようです。

今日こそ辞めよう!《速攻退職》発売日と最新トレーラー公開(YouTube)
https://youtu.be/QXsFKN8Mt7Q

そんな中、台湾のインディーゲームスタジオ「YOHCAN Co., Ltd.(以下、YOHCAN)」が開発したアクションゲーム『速攻退職』のコンシューマ版(PlayStation 4/5、Nintendo Switch)が、10月23日に発売されました。

概要:
プレイヤーは、人事部・財務部・営業部など、さまざまな部署を突破しながら、最終ボスが待ち受ける「社長室」を目指します。

各部署にはそれぞれの「社内事情」があり、プレイヤーは「職場スキル」や、ボールペン、ホッチキスなどのオフィス用品を駆使して、悪意と誤解に満ちた職場を生き抜くことになります。

PC版(Steam)はすでに2024年4月3日にリリースされていて、「作品の題材はサラリーマンにとって共感を呼ぶ内容であり、多くのセリフが“わかる!”と笑えるものになっています。プレイヤーからは“序盤の難易度はやや高めだが、中盤以降スキルを習得していくことで一気に爽快感が増す”といった声が多く、痛快なアクションとストレス発散の楽しさを存分に味わえるゲームとして好評を得ています」と話す本作のパブリッシャー、JUSTDAN INTERNATIONALのマーケティング担当者に色々と話を聞いてみました。

台湾の退職事情については、「台湾では近年、いわゆる“Z世代の離職ブーム”が見られます。若い世代はメンタルヘルスやワークライフバランス、そして価値観に沿ったキャリア選択をより重視しており、職場環境や人間関係、業務内容が自分の期待と異なると感じた場合、迷わず退職を選ぶ傾向があります。入社翌日、あるいは当日の午後に辞めてしまうケースも珍しくなく、まさに本作のタイトル通り“速攻退職”という現象が実際に起きています」とのこと。

ゲームのようにオフィス内で大暴れする社員は実際にはあまりいないようで、「職場での対立は、言葉の衝突やSNS上での議論にとどまるケースが大半です。ただし、近年では“静かな退職”という現象が注目されています。これは実際に退職するわけではなく、職場環境への失望から、最低限の業務だけをこなし、残業をせず、自発的に意見を出さず、仕事とプライベートを明確に分けるというスタイルです」といいます。

PC版(Steam)のリリースからコンシューマ版のリリースまで1年半後を要した理由については、「本作を開発したYOHCANは2人だけの小規模なチームです。インディーゲームとしてまずSteamでリリースし、市場の反応を見極めたいという意図がありました。その後、当社(パブリッシャー)との間で何度も協議を重ね、最終的に当社がコンソール版の移植および販売を全面的にサポートする形となりました。Nintendo Switch、PS4、PS5の3プラットフォームで同時発売を目指したため、当初の予定よりも時間を要しました」と話します。

本作は日本語、英語、中国語、韓国語にローカライズされています。ゲーム内の日本語については「開発者は翻訳ツールを活用しつつ、人の手による自然な文章調整を行っており、非常に自然な日本語表現を実現しています」という説明でした。

「現在のプレイヤー層は台湾が最も多く、次いでアメリカ、日本の順となっています。プレイヤー層としてはアクションゲーム好きの方が中心ですが、近年は過酷な職場環境や社畜的なテーマに共感を覚える人も多く、本作を通してストレスを発散してもらえればと思っています」とも話してくれました。

価格はデジタル版(全プラットフォーム)が1700円(税込)、パッケージ版(Nintendo Switch)が3850円となっています。

『速攻退職』公式サイト
https://www.justdan.co.jp/publish/quit-today[リンク]

© YOHCAN Co., Ltd. All Rights Reserved. Licensed to and published by Justdan International Co., Ltd.

※画像提供:Justdan International

(執筆者: 6PAC)

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