木村拓哉、94歳・山田洋次監督の創作意欲に刺激「やる気が出ますよね」

倍賞千恵子、木村拓哉、山田洋次監督が第38回東京国際映画祭に参加!山田監督91本目となる最新作『TOKYO タクシー』(11月21日全国公開)上映後に舞台挨拶を実施した。
倍賞は「スタッフや共演者の皆さんと、せーので『TOKYOタクシー』という山に登り始めました。最初は形がない山だったんですけど、富士山よりも素晴らしい『TOKYOタクシー』という山に登ることができました。私にとって忘れられない作品になりました」と喜色満面。
『武士の一分』以来19年ぶりの山田組参加となる木村は「今は、ご家庭にいてもスイッチを一つ押せば色々なコンテンツが楽しめる世の中になっていますが、映画のスクリーンと特別な音響が置かれた環境に身を置くということは、僕にとって非常にスペシャルな状況だと思います。その環境下で作品を受け取ってくれるというのは、一番嬉しいことなので、世界中の人がどのような価値観でこの作品を観てくださったのか、すごく興味を持っています」と期待を込めた。

1961年の監督デビュー以来、半世紀以上にわたり映画界に貢献してきた山田監督に特別功労賞が授与された。山田監督は「僕が助監督として映画界に入った70年近く前は、日本映画は本当に充実していました。まさしく日本映画の黄金時代だったと思います。その時代に比べると、今は苦しい時代で、今の映画人は苦労して映画を撮っているので時々可哀そうに思うこともあります。そういう時代だからこそ、このような映画祭で『映画は何て素晴らしいものだ』と、もう一度日本のみならず世界中の人たちと考えたいです。そして映画を鑑賞し、称える、そういう催しがあることを本当に感謝しています。これからも、この映画祭が日本の映画界に実りを与えてくれることを心から期待しています」と述べた。

山田監督に祝福の花束を渡した倍賞は「山田さんの熱い想いがヒシヒシと伝わってきました!そのような監督と今回ご一緒できて、本当に嬉しく思っております。これからも美味しいものを沢山食べて、今後ともお体に気を付けてもっともっと映画を沢山撮ってください!いつも『本番いくよ!撮るよ!』って言いながらも、なかなか撮影が始まらない仕事場で、またご一緒できる日を楽しみにしています」と次回作に向けてラブコール。
山田監督と熱いハグを交わした木村は「自分は幼少期に柴又に住んでいたこともあり、『男はつらいよ』の撮影現場を見ていました。そのことを監督に伝えたら『そうか、君はいたのか』って言われたのを今でも覚えています。今回は時代劇ではなく現代劇として、今の柴又帝釈天の前で倍賞さん演じるすみれさんを車で迎えに行き、物語がスタートしました。スタッフや共演者たち山田組だけではなく、あの街の方々が『また山田組がここで撮影をする』ということで、現場全体が脈を打ちだした雰囲気を感じました」としみじみ。

また木村は、山田監督の枯れる事のない創作意欲に触れて「監督が『パリタクシー』をご覧になって、東京版でリメイクしたいという所から話がスタートしたというのをお聞きして、本当に自分の欲や興味や愛情をお持ちになっているんだなと感じました。だからこそ、まだまだ現役であり、今回の功労賞の受賞にも繋がっているんだなと思います。こういう先輩がいらっしゃるとやる気が出ますよね。作品をご覧になった方にも『こんな先輩がいるんだな』と感じ取っていただければ、生きていく力や現役であり続ける力を持っていただけると思います」とリスペクトを込めていた。
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